キャンプで使うランタンにおいて、温かみのある灯りが魅力の「ハリケーンランタン」。名称としては“ハリケーンのような強い風でも消えることがない高い防風性能を備えていること”が由来とされており、アンティーク調のデザインも魅力のひとつです。
そこで今回はハリケーンランタンのおすすめモデルをご紹介。最近はアウトドアシーンだけでなく、屋内のインテリア雑貨としても注目されているアイテムなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ハリケーンランタンとは?
ランタンには使う燃料によってガソリンや灯油、ガス、電池(LED)などに分かれています。今回紹介するハリケーンランタンは灯油を使うランタンの代表的なモデル。製品ジャンルとしては100年を超える歴史があります。
ハリケーンランタンは下部のオイルタンクと炎を覆う「ホヤ」と呼ばれるガラス、発熱する部分のマントル、吊り下げリングなどで構成されており、フレームの中は空洞で空気を循環させることで安定した明るさを持続できます。
ハリケーンランタンのメリットは風に強く安定した灯りが得られること。また、燃料に圧力をかけて使用するランタンは燃焼音がすますが、ハリケーンランタンはほぼ無音なので、静かに揺れる炎を楽しめます。
レトロ感のあるおしゃれなデザインも大きな魅力。さらに、火力としては強くありませんが、暖房効果も期待できます。
デメリットとしては他のランタンと比べて光量が少ないこと。ハリケーンランタンの明るさは、サイズによっても変わりますが、基本的に手元を照らし文字が読める程度です。キャンプサイト全体を煌々と照らすメインランタンとしてはやや物足りなさを感じるので、その点は留意しておきましょう。
ハリケーンランタンの選び方
燃焼時間はタンク容量をチェック
ランタンの燃焼時間はオイルタンクの容量で決まります。容量と燃焼時間の目安は、340mlで約20時間、500mlで約24時間、930mlで約25時間程度。大容量になると芯が大きくなるので明るさは増しますが、灯油の使用量も多くなります。
明るさは芯の太さで判断する
ハリケーンランタンの明るさは「平芯」と呼ばれる、きしめんのような形の芯の幅の広さで変わってきます。芯の幅の広さと明るさの目安は、2分芯は幅約6mmで約4W相当、5分芯は幅が約15mmで約8W相当、7分芯は幅が約21mmで約15W相当。なお、15Wは読書ができる程度の明るさです。
芯の幅が太くなるほど、光量としては明るく、本体サイズも大きくなります。製品を選ぶ際はしっかりとチェックしましょう。
見た目を重視するなら素材やデザインにこだわる
ハリケーンランタンの大きな魅力は味わい深いレトロなデザイン。アウトドアはもちろん、室内インテリアとして飾る方も多くいます。見た目を左右するのはその材質。現在は鉄をベースに強度を上げた特殊鋼板製がほとんどですが、使い込むほどに味わいが深まっていく真鍮製やブロンズ製は見た目重視派におすすめです。
ハリケーンランタンのおすすめメーカー
デイツ(DIETZ)
1840年にアメリカ・ニューヨークで設立されたランプとランタンの老舗メーカー「デイツ」。ハリケーンランタンとしては風に強いのはもちろん、使いやすくて優れた耐久性をもっているのが特徴で、信頼性の高いメーカーとして知られています。
フュアーハンド(Feuer Hand)
ドイツの老舗ランタンメーカー「フュアーハンド」。創業は1902年で、ハリケーンランタンの基本的なデザインは100年以上変わっていないのが特徴です。厳しい環境下でも使用できるのもポイント。その性能の高さから、ハリケーンランタンのことを同社名から引用し、「フュアーハンド型ランタン」と呼ぶこともあります。
ハリケーンランタンのおすすめ
デイツ(DIETZ) ハリケーンランタン デイツ78
デイツ社の定番ハリケーンランタン「78」の真鍮モデル。重厚感のある黄金色の輝きを放つ美しいランタンです。真鍮製は錆びに強く、使い込むほどに味わいが深まっていくのが特徴。幅広のオリジナル4分芯でやや大きめの炎にしても芯が消耗しにくく長持ちします。
オイルタンクは約340ccで燃焼時間は約20時間。ひと晩で6時間使用しても3日は余裕で使えます。こだわりを感じるおすすめランタンです。
デイツ(DIETZ) ハリケーンランタン大型 デイツ80 BEL052-BK
デイツ社の大型ハリケーンランタンの人気モデル。7分芯とやや縦長のホヤで最大限の明るさをキープします。オイルタンクの容量は約930ccで燃焼時間は約26時間。優しい炎の灯りに包まれながら静かに語り合うのにおすすめのモデルです。
デイツ(DIETZ) ハリケーンランタン ミレニアム 2000
中型ハリケーンランタンとして十分な灯りを確保しながら、付属のポットで煮炊きもできる「ミレニアム」。ゴトクと深型浅型2つのポットなどがセットになっています。5分芯でオイルタンク容量は約510cc。燃焼時間は約23時間と1回の給油で長時間の使用が可能です。
デイツ(DIETZ) ハリケーンランタン 2500
デイツ社で最大級クラスのハリケーンランタン。大型オイルタンクの容量は2500ccもあり、燃焼時間は75時間と、しばらく使い続けることができるのが特徴です。
本製品は長時間使用できるので、肌寒いキャンプ場ではちょっとした暖房器具としても活躍が期待できます。春キャンプや秋キャンプなどでも使えるランタンを探している方におすすめのモデルです。
フュアーハンド(Feuer Hand) ハリケーンランタン 276 ジンク
フュアーハンド社の定番ハリケーンランタン。オイルタンクの容量は約340ccで、燃焼時間は約20時間です。基本デザインがほぼ変わっていないのもポイント。累計を試算すると数億台が生産されているとも言われおり、「世界でもっとも信頼できるランタン」との呼び声も高いおすすめモデルです。
フュアーハンド(Feuer Hand) ハリケーンランタン ベイビースペシャル 276
同社のハリケーンランタン「276」の改良モデル。スタンダードなスズメッキ加工の上に、耐薬品性と耐衝撃性に優れたパウダーコーティングを施しているのが特徴です。
カラーバリエーションも豊富でレッドのほかにもブラック、イエロー、ピュアホワイトなど8色をラインナップ。なお、サイズや重さ、タンク容量などのスペックはスタンダードモデルの「276」とほぼ変わらないので、購入を検討する際は留意しておきましょう。
フュアーハンド(Feuer Hand) ハリケーンランタン ETERNITY
フュアハンド社の100年続く伝統のデザインを踏襲しながら、2014年に鋼板にスズメッキ加工を施した本体の素材をハイテク鋼板に変更。雨や夜露などによる錆に強く耐久性が増し、より長く使えるようになったのが特徴です。
また、ホヤには割れにくく熱に強いドイツ製の耐熱強化ガラスを採用。ハリケーンランタンのなかでも満足度が高いおすすめモデルです。
ロゴス(LOGOS) ブロンズランタンL
ロゴスの定番灯油ランタン。ブロンズカラーの味のある風合いが魅力です。シンプルな構造で使いやすく、風に強いハリケーンランタンの基本スペックはおさえています。オイルタンクの容量は約360mlで、燃焼時間は約20時間。エントリーモデルとしておすすめのランタンです。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) オイル ランタン ブロンズ 大 M-8355
キャプテンスタッグのハリケーンランタン。ブロンズ仕上げのザインながら、価格はリーズナブルなのが特徴です。サイズは大中小と3サイズをラインナップ。もっとも大きいサイズのオイルタンクの容量は約300ml、燃焼時間は約20時間です。
ギルアード(GUILLOUARD) オイルランタン ブルー
フランスで100年を超える歴史があるガーデン&キッチン用品メーカー「ギルアード」のおしゃれなハリケーンランタン。42個のパーツを職人が組み上げているのが特徴です。
オイルタンクの容量は約250mlで燃焼時間は約10時間。カラーは鮮やかなブルーとホワイトの2種類がラインナップされています。
番外編|ハリケーンランタンの使い方
使用前に芯を整える
使用前にランタンの平芯の両端の角を斜めにカットします。こうすることで美しい山形の炎となり、明るくて燃焼効率もアップします。また、毛羽立っていたり、余分な糸が出ていたりする部分も切っておきましょう。また、使い始めは芯に十分にオイルがしみこんでから点火してください。芯の減りが早くなる原因になってしまいます。
燃料は八分目を目安に注入
燃料は八分目まで。ほとんどのモデルのオイルタンクには容量の上限を示すラインがあるので、それを目安にしてください。入れすぎると燃料がこぼれやすくなり、危険です。なお、ハリケーンランタンの燃料は基本灯油ですが、最近では不快な臭いがしないパラフィン系オイルも人気です。
炎を調整
点火の直後はホヤの中の空気が暖まり、燃料が活発に吸い上げられるので、炎が大きくなりがちです。炎が安定するまで、しばらく芯の長さを微調節してください。明るさを求めて芯を出し過ぎるとススが出やすくなります。また、芯の減りを早めることにもなるので、芯の出し過ぎには注意しましょう。
持ち運び方
ハリケーンランタンは燃料を完全に密閉できない構造なので、オイルを入れたまま持ち運ぶと漏れることがあります。キャンプの際には現地についてから使用する前にオイルを給油。使用後、余ったオイルはスポイトでタンクから抜き取るか、新聞紙などに吸わせてタンクをカラの状態にしてから持ち運びましょう。なお、持ち運ぶ際はガラスのホヤが割れやすいので、その点は注意してください。