健康経営35事業所認定 県が新制度
県は従業員の健康づくりに積極的な事業所をたたえる「ふくしま健康経営優良事業所」制度を創設した。優良事業所に三十五事業所を認定した上で、知事賞に大槻電設工業(福島市)、福島民報社賞に福島スバル自動車(郡山市)、福島民友新聞社賞に地質調査を手掛ける三本杉ジオテック(福島市)を選んだ。健康長寿県の実現に向けて認定・表彰を継続し、県内企業の「健康経営」に関する意識や働き手の健康志向を高める。
優良事業所の認定・表彰は従業員を経営資源と捉え、健康増進を促す「健康経営」を県内の中小企業に広めるのが狙い。日常業務における運動習慣の定着や健康的な食生活の普及、働きやすい職場環境づくりなどを進めている三十五事業所を優良事業所に認定した。このうち特に取り組みが優れている三社を表彰対象とした。
大槻電設工業は健康経営に関する各種認証の取得や定期的な血圧測定の実施、自転車通勤の奨励などが評価された。福島スバル自動車は事業所内へのウオーキングマシンなど運動器具の設置、三本杉ジオテックはバランスボールを椅子代わりに使う取り組みなどが認められた。
審査・選考では全国健康保険協会(協会けんぽ)福島支部が加入事業所のうち、健康経営宣言やストレスチェックなどの基準を満たす百四十八事業所を県に推薦した。県や福島民報社、県内の商工団体、健診機関などで構成する「ふくしま健民会議」が健康増進に投資する企業姿勢や取り組みの具体的内容などを点数化し、認定・表彰対象を選定した。
県民の健康状況は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響もあり全国平均に比べ低い水準にある。二〇一五(平成二十七)年の厚生労働省統計などでは急性心筋梗塞による死亡率(十万人当たりの死亡者数)は男性三四・七人、女性一五・五人でともに全国ワースト一位、生活習慣病を招くメタボリック症候群該当者の割合は17・1%でワースト三位だった。県はこうした現状を打開するため、生活習慣病リスクが加齢に伴い徐々に増していく「働く世代」の健康意識を高めようと、認定・表彰制度を新設した。
大槻電設工業など入賞企業への表彰式は十一月に行う予定。事業所の認定・表彰は毎年継続し、二〇一九年度の次回からは公募方式の導入も検討する。
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制度の創設は二十六日に開かれた九月定例県議会で、椎根健雄議員(県民連合、郡山市)の一般質問に佐藤宏隆保健福祉部長が示した。
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