もったいぶらないでよ、Googleさん。
日本時間の10月10日 午前0時からスタートしたGoogleのハードウェア・イベント「Made by Google」で、新スマホの「Pixel 3」、新タブレット「Pixel Slate」、スマートディスプレイ「Google Home Hub」が発表されました。事前のリークで目にしてたものばかりではあったんですけど、それってほとんど見た目の話。ソフトウェア、AIの話も込みで聞いちゃうと、「とりあえず触らせてよ」ってなるものばかり。
なにがそんなに魅力的かって? 順々に見てみようじゃありませんか。
待たせたな! Pixel 3が日本上陸

「カメラがすごい」って言われてたけど、やっぱり今回もすごそうです。
発表されたのは、5.5インチの「Pixel 3」と6.3インチの「Pixel 3 XL」の2モデル。どちらも大画面を採用してはいるんですが、Pixel 3には上下ベゼルがあるし、Pixel 3 XLにはデカめのノッチがあります。まあ知ってましたけど…もうちょっとスッキリしてほしかったかな…。とは言ってもね、大切なのは中身ですよ。
Googleの推しはカメラ。とはいっても、Pixel 3/3 XLはそれぞれ背面カメラはシングル(12.2メガピクセル)、前面にデュアルフロントカメラ(8メガピクセル広角 / 標準視野カメラ)が搭載されるという、ちょっと変わった仕様です。となってくると力を発揮してるのは、ソフトウェアということでしょう。

まず気になったのが、写真の撮影タイミングを後から補正してくれる「トップショット」という機能です。たとえば、写真撮るときってベストタイミングを逃しちゃったり、半目とか変顔で映っちゃうことってあるじゃないですか。トップショット機能では、シャッターを押す前後の画を記憶してくれることで、撮影後に最適なタイミングの写真を選べるんです。ようは事故を未然に防いでくれます。

また「Night Sight」という機能で、フラッシュがなくても暗所で明るく撮ることが可能になりました。発表会では、iPhone XSで撮影した画像と比較されてましたが…「これ、ほんと?」ってくらい違う。写真がザラザラにならないのかとか、気になりますけど、それは触ってからのお楽しみですね。

そうそう、前面にデュアルフロントカメラが搭載されるって言いましたけど、これもちゃんと2つの意味があります。片方がグループ・セルフィー・カメラと呼ばれるカメラで、なんとiPhone XSより約180%ほど広角の写真が撮れるんだそう。その名の通り、大勢でのセルフィーの場合に重宝しそうです。世の中が自撮り棒で溢れるよりはよっぽどマシかな。

そのほかにも、フロント・リアどちらでも使えるAR機能「Playground」、ズームしてもぼやけない「超解像ズーム」、色味やボケを変えられる「ポートレートモード」が搭載されたり、写真に写っているものの情報を読み取るGoogle Lensが内蔵されたりと、てんこ盛り。これらの機能を駆使して撮影した写真は、Googleフォトに無圧縮で容量無制限で保存できます。

そしてカメラだけでなく、GoogleアシスタントもPixel 3に合わせて新機能が登場しました。
いろんな意味で役立ちそうなのが、迷惑電話がきたときに発信者に名前と通話目的を述べるよう依頼する「Call Screen」機能。これ、同時に会話のコピーを取得してくれるんだそう。なんか、迷惑電話もそうなんですけど、カップルの痴話喧嘩とかでどっちかが証拠を残すために使うことかありそうだなって思ったり…。考えすぎか。

あとはPixel 3/3 XL専用の充電スタンド「Pixel Stand」も発表されました。Pixel 3/3 XLは最大10Wのワイヤレス充電に対応しているため、このスタンドもワイヤレス仕様。このスタンドを使うことで専用のカスタマイズUIが表示され、Pixel 3/3 XLをGoogle Home的に使えるんだとか。

最後に端末の仕様をチェック。Pixel 3/3 XLのカラーは、クリアリー ホワイト、ジャスト ブラック、ノット ピンクの全3色。音は40%大きくなり、プロセッサはSnapdragon 845、メモリは4GB、ストレージは64GBと128GBから選べます。最新のAndroid 9 Pieが使えるほか、日本ではFelicaにも対応しています。
価格・発売日は以下の通りです。
日本では11月1日に発売。
Pixel 3:64GBが9万5000円、128GBが10万7000円
Pixel 3 XL:64GBが11万9000円、128GBが13万1000円
Pixel Stand:9,504円
最新Chrome OSに最適化された2in1「Pixel Slate」

「Pixel Slate」はChrome OSを搭載しているGoogle初の2in1 PCです。どういう用途を想定しているのかははっきりしませんが、いままでにない新たな立ち位置になりそうな予感。
まず強調してたのが、ディスプレイとスピーカーの良さ。ディスプレイは12.3インチ(293ppi)で、スピーカーは専用にチューニングされた「デュアル・フロント・ファイアリング・スピーカー」を搭載。YouTube TVが3カ月無料で使えるようなので、エンタメ視聴に最適ということでしょう。Google Playストアからアプリをインストールできるので、ゲームなんかもできちゃいますね。といってもこれは序の口。

Pixel Slateの本当の素晴らしさは、Chrome OSとの連携がもたらします。
UIはいたってシンプル。画面下にアプリのアイコンが並びます。このセレクトを見ると、オンラインじゃないと使えないじゃんって思ってしまいそうですがご心配なく。GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどのアプリはオフラインでも使用可能です。驚きなのがGmailもオフラインで使えるという点で、メールのチェックはもちろん、あらかじめ返事を書いておけばネットに繋がった時点で自動的に送ってくれるんだとか。

さらにPixel Slateで使えるChromeブラウザはデスクトップ用フルバージョンなので、他のPCで使ってるアドオンなどもそのまま使えます。また画面スプリットにも対応しているため、複数タスクを効率的にこなせそう。Googleのタッチペン「Pixelbook Pen」にも対応しており、米Gizmodoによればラグはゼロだったとのこと。もしかしてお絵かきにも最適かも?

セキュリティー面では、まず本体上部に指紋センサーが搭載されているほか、自動アップデートしてくれるウィルス対策ソフトがついてきます。さらにGoogleのセキュリティチップ「チタン M」が搭載されており、パスワードやオペレーションシステムの安全性を保ってくれるとのこと(めちゃくちゃリークしてたけどな!)。

で、実は2in1 PCと言ってもキーボードは別売りです。でもこれがまたイイ!

丸型ボタンが印象的なデザインで、バックライト付き。角度調整は磁石で行なうようです。右上にはおなじみの3ラインキーボタン、左下にはGoogleアシスタントの呼び出し用ボタンがあります。米Gizmodoによれば、ボタンの真ん中はちょっとくぼんでいるそう。もしかして昔のタイプライターを意識してるのかな?

最小構成は、Intel Celeron Processor、メモリは4GB RAM、ストレージが32GB。最大構成は、Intel Core i7 Processor、メモリは16GB、ストレージが256GB。バッテリーは10時間もつようです。ちなみに最新のChrome OSはAndroid、Linuxのアプリケーションにも対応しているようなので、開発者の方もターゲットなんだとか。ま、日本では買えないんですけど…。
価格・発売日は以下の通りです。
アメリカ、カナダ、イギリスで年内に発売予定。
Pixel Slate:599ドル(約6万7700円) ※最小構成の場合
Pixel Slate Keyboard:199ドル(約2万2500円)
Pixelbook Pen:99ドル(約1万1200円)
「Google Home Hub」は家庭の中心になりえる存在

Google Homeシリーズの最新作「Google Home Hub」。スマートディスプレイっていうとAmazonのEcho Showが思い浮かびますが、Hubはかなりユーザーによりそった作りになっていて、いい意味で全く別のジャンルの製品のような印象です。
見た目はスピーカーにタブレットをくっつけたような形。でもディスプレイはとれません。もちろんタッチはできます。

まず大きなアドバンテージとなるのはYouTubeが見れることでしょう(Echo Showはいろいろあって見れない…)。デモでは「Hey Google、なんか新曲かけて」の呼びかけで、YouTubeから曲が流れていたり、ごはんのレシピをYouTubeで見たりしていました。この情報量には他は勝てないよね…。ちなみにHubを購入すればYouTube Premiumが6カ月無料で使えます。

発表会では、Googleアシスタントがパーソナルな使い方により特化したと言っていましたが、それが最もあらわれているプロダクトはHubだと思います。
特に朝と夜は人間のルーティンを決める上でとても重要。朝であれば「OK Google、おはよう」の音声コマンドで、一気にいくつかの情報(天気、交通情報、ニュースなど)を提供し、夜は「OK Google、おやすみ」のコマンドで、アラームを自動でセットしてくれたり、スマートホームに対応したライトを自動で消してくれるようです。また環境に合わせてディスプレイの光の強さを変えてくれるAmbient IQ機能も搭載されています。
Hubは家族ひとりひとりの音声を認識できるので、これらの情報も声をかけた人に合わせて提供してくれるようです。
細かいセッティングもそれぞれ個人でできるため、規則正しい生活を送る上でのサポーターとなってくれるでしょう(若干の管理されてる感はあるけど…)。

スマートホームにもかなり特化しており、Hubはディスプレイ上部からスワイプででてくるダッシュボード画面「Home View」からいくつものスマート家電を一括管理できます。驚くべきは400ブランド、5,000近い端末との連携ができるということ。そう言われると安心感があるし、不思議とスマートホーム化を推進したくなりますね。

また思い出共有的な機能も。スマートディスプレイって常時つけておくもので、そこに何を表示させるかって大切だと思うんです。それでかつ飽きないようにしたいじゃないですか、そこで写真ですよ。
HubはGoogleフォトにアップロードされた写真を自動で読み込んでフォトフレーム化してくれます。それもただ適当な写真が出てくるわけではなく、ブレていたり、暗い写真は省いてくれるんですって。なんという気の利きよう…。

ディスプレイは7インチで、色はミント、ピンク、黒、白の4色から選べます。ま、これも日本では買えないんですけど…。
価格・発売日は以下の通りです。
アメリカ、イギリス、オーストラリアにて、今日から予約を受け付け。
Google Home Hub:149ドル(約1万6800円)
おまけ:こっそりストアに追加されてたもの
「Made by Google」で発表されたものをおさらいしまいたが、実はこっそりとストアに追加されていたプロダクトがあるのです。

まずはChromecastが第3世代Chromecastにアップデートされました。外観はほとんど変わっていないものの、Wi-Fiが強化され従来より15%高速になりました。またGoogleのスマートデバイスに接続されている他のスピーカーと同期して、音楽を再生できるようになります。ただし、この機能は現時点では使えず、今年の年末までには提供されるとのこと。お値段は未定です。

そして新しいGoogle Pixel USB-Cイヤホンも追加されました。Googleアシスタントや、Google翻訳によるリアルタイム翻訳にも対応しています。お値段は3,456円。
最初は会場がしょぼいのなんのって言ってましたが、プロダクトがよかったらそんなの関係ないですね!
ハードウェアとソフトウェア、そしてAIの連携ってなんだかんだしっくりこない印象なんですが、今回発表されたプロダクトはそれが今までになくガッチリはまっていたように思います。
どれか一つが突出しているわけではなく、すべての要素がお互いをおぎなうような形って理想的じゃないですか。
まず日本でその良さが味わえるのはPixel 3だと思うので、みなさん、移行の準備をしといたほうがいいですよ…?