娘が探していた本を、一緒に行った図書館で偶然見つけました
面白そうな本だったので、娘の読後、私も読みました
きっかけは待ち合わせ時間の変更
母
最初、どこでこの本を見つけたの?
娘
去年の冬ぐらいかな
ある人との待ち合わせで、1時間時間がずれた時にね
駅近の図書館で時間つぶしに、立ち読みしたの
その時に序章を読んだんだけどね
すごく面白かったから覚えてたんだ
母
この本の面白さってさ、
書いた人が上手だったのか、訳した人が面白いのか
とにかく言葉の選び方が上手だよね
つい面白くなって読み続けちゃうね
娘
エピソードの選び方がいいから、元々書いた人が上手なんじゃないかな
序章の「パイは何だろう」で
イギリスの新聞紙上でのパイ論争が、すごく面白いじゃない
「そもそもパイってなんだ」
って、ところから始まって
「パイの生地が、上になきゃいけない」
とか、
「下だけでもいい」
とか
色んな人が言いたい放題して、すっごい面白いよね
母
あなたにとってはパイって、どういうものなの?
娘
うーん、ヤマザキの「アップルパイ」かな~
母
「しっかりしたパイ生地で、リンゴジャムを挟んである感じ」だね
私も、ヤマザキのアップルパイかもなぁ
パイの歴史
娘
調理の歴史から行くと、
元々はパイの皮は耐熱容器の役割をしていて、
かまどで焼くための容器だったっていう話
なんか納得するんだよね
母
今で言うところの「塩釜焼き」みたいな感じだね
娘
焦げてない中身のところが、汁を吸ったパンのようなものになって
別な料理のソースとかに、リサイクルされていったみたいな話も
すごく納得できた
母
調理器具、保存容器、持ち運び容器として使われた話ね
かまどの使い方や、冷蔵庫のない保存とか
自分がしてる調理方法と違いすぎて
イメージが難しいことが多かったから、
いちいち頭の中で考えないと理解できないことが、いっぱいあったね
娘
イギリス人の「片手で食べたい欲」は、面白いね
サンドイッチもそうだけど、
パイも ファーストフード感があるんだね
母
日本人の「おにぎり」かな
中身もいろいろ入るし、片手で食べられる
娘
日本だとパイ生地ってバターのイメージだけど、
ラードでも作るものなんだね
母
油の考え方の違いは、知らないことが多くて
今回、ずいぶん学んだ感じ
動物を身近に食べている人達にとって、
油ってすごく手に入りやすいものなんだね
私の感覚では、油って植物性をイメージするから
作るのにすごく手間がかかる気がするけど
感覚的にだいぶ違うみたい
娘
お菓子作るときに、バターと砂糖の量にびっくりする感じね
パイ生地なんて、小麦粉とバターの量がほとんど一緒だもんね
母
日本人が普段食べてる料理って、
確かにヘルシーに感じるんだろうなぁって
改めて思っちゃった
娘
「貴族がラードの方を好んでいた」
っていうのも、
考えたことなかったから面白かった
「サクサクした生地は、脂肪に融点が高いラードを使った方が美味しい」
「バターは風味はいいけど人肌で溶けるから、それほど食感が良くならない」
知らないことが、たくさんあるな~
娘の興味があったパイは?
母
興味があったのって、どんなパイ?
娘
ピジョンパイっていう、鳩の足が外に飛び出してるパイなんだけどね
以前、あるお話に出てきて
中身に空洞があって、「残念に思う」っていうパイらしいんだ
イギリスでは飼っている鳩を使う貴族の食べ物で、
アメリカでは野生の鳩を使うから、かつては庶民の食べ物
その野生の鳩が絶滅してからは、高級レストランのメニューになったっていう
ストーリーも個性的でしょ?
なぜか、レシピが見当たらないんだよね
パイの中身
娘
それにしても、色んなお肉入れてるよね
食べたことがなくて、味の想像がつかないものが多かったな~
母
日本人は、限定的なお肉しか食べないからね
パイって「甘い具」も「しょっぱい具」も、両方使うんだね
日本のパンみたいだなって思った
娘
大きなパイだと、一つの中に二つの味のものがあったりして
それもちょっとパンぽいよね
クリームパンとチョコパンが、一つになってるみたいな感じ
歴史から地誌へ
母
パイの歴史、
知らないことがたくさんあって、面白かったね
娘
この本の作者はイギリス人で、イギリスのパイの話を中心に書いているけど
地域によって好まれるパイが違うみたいだし
特別な日の、特別なパイが各地にあるみたいだから
楽しいよね
母
巨大なパイ、作ってるみたいだね
娘
お祭りや、イベントで作るんだろうね
窯から作って、窯を崩さないと出せないような大きさのパイねぇ
中身に入れるものを読んだけど、想像すらできなかった
母
日本にも、重機使って「芋煮会」してるところがあるよね
あんな感じ、なのかな
食べ物の歴史
娘
この「お菓子の図書館」っていうシリーズ、
他にも出てるみたいだよ
母
『パイの歴史物語』は2013年発行、最近の本なんだね
素材別の歴史は、いくつか読んだことがあったんだけど
料理の歴史は、あんまり知らなかったなぁ
娘
素材別って?
母
じゃがいも、さつまいも、里芋
とうもろこし、トマト
唐辛子あたりかな?
伝搬の過程がわかっているものが結構あるから、
研究者が多いんだよね
レシピの話は歴史として興味がなかったもんだから、
手を付けたことがなかったの
娘
私は、お菓子作りの動画をよく見るようになった時に
この本に出会ったから、
タイムリーで面白かった
母
料理の手順が分かると、確かにこれは面白さが違うね
このシリーズ、気にして探してみることにしようか
面白い本を教えてくれて、ありがとね
- 作者: ヘザー・デランシーハンウィック,Heather Delancey Hunwick,伊藤綺
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2015/10/23
- メディア: 単行本
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