2018年10月05日
前の台風の爪痕も癒えないうちに、また猛烈な台風が生まれ、強い勢力を保ったまま週末にかけて日本列島を襲う予定だ。今年は間違いなく台風の当たり年だが、近年の台風が強くなっている、あるいは日本に襲来する数が増えていると言えるのだろうか。
冒頭のVizは気象庁の台風位置表に基づき2001年から2018年までの台風経路を可視化したものだ。猛烈な台風は青く表示され、非常に強い台風が濃い赤、弱くなるに連れて薄くなるようにしている。ただし、2018年についてはまだ13号までしかデータが提供されていないため、一見少なく見える。周知のように今年はすでに25号が発生している。
おそらく毎年非常に多くの台風が日本を襲来している事実に驚く人が多いだろう。年によっては日本列島が台風経路で隠れてしまうくらいだ。名古屋大学の坪木和久教授(気象学)によれば、今年の状況は2004年に状況が似ているらしい。
今年の台風の発生数は1日現在で25個。およそ半数が日本に接近し、5個が上陸した。名古屋大の坪木和久教授(気象学)によると、10個が上陸した2004年に状況が似ているという。この年は10月に甚大な台風被害が相次いだ。進路を決める太平洋高気圧の縁が日本列島に迫るように張り出しており、台風が日本列島に沿って北上する気圧配置が共通する。勢力を保つのに十分な海水温も維持されているという。
一方、地球温暖化に伴って大気も海水温も上昇傾向にあり、非常に強い勢力のまま北上しやすい環境になりつつある。
2004年の状況を再掲すると次のとおりだ。もう絶望しか見えない。2004年は10月に大きな被害が出たわけだが、今年の10月はどうなるだろう?
ただ、猛烈な台風の日本襲来が地球温暖化により急増しているとは直ちには言えない。次の表は2001年から2018年にかけての台風の強さの推移を台風発生からの経過日数を横軸に一覧にしたものだ。日本に接近あるいは上陸した台風のみフィルタして表示しているが、Tableau Publicに遷移すればフィルタを操作することもできる。

冒頭の台風経路と同様に台風の強さを色と大きさで示している。猛烈な台風は2012年から2015年にかけて目立っており、2000年台初頭と比べると多いが、2007年は遠方の台風も含めて猛烈な台風は1つも生まれていない。台風接近・上陸数を見ると2004年や2012年などは多くなっているが、少ない年も同じように分布しており、年ごとの変動の範囲内と考えるのが妥当だろう。結局の所、近年特に強い台風の襲来が増えているとは言えない。
ただし、地球温暖化が進めば台風が強くなることは、シミュレーションによって高い精度で予測されている。次の動画は現状を上回る温暖化対策を行わない場合に世界の平均気温が21世紀末最大で4.8℃上昇するというシナリオ(RCP8.5シナリオ)に基づき、2100年の天気予報を予測したものだ。
最高気温や真夏日についてもうんざりするが、中心気圧895hPa、最大風速65m、最大瞬間風速90mの台風が襲来すると一体何が起こるだろうか?
レイバーが暴走するぐらいじゃ済まないよきっと。
冒頭の台風経路と同様に台風の強さを色と大きさで示している。猛烈な台風は2012年から2015年にかけて目立っており、2000年台初頭と比べると多いが、2007年は遠方の台風も含めて猛烈な台風は1つも生まれていない。台風接近・上陸数を見ると2004年や2012年などは多くなっているが、少ない年も同じように分布しており、年ごとの変動の範囲内と考えるのが妥当だろう。結局の所、近年特に強い台風の襲来が増えているとは言えない。
ただし、地球温暖化が進めば台風が強くなることは、シミュレーションによって高い精度で予測されている。次の動画は現状を上回る温暖化対策を行わない場合に世界の平均気温が21世紀末最大で4.8℃上昇するというシナリオ(RCP8.5シナリオ)に基づき、2100年の天気予報を予測したものだ。
最高気温や真夏日についてもうんざりするが、中心気圧895hPa、最大風速65m、最大瞬間風速90mの台風が襲来すると一体何が起こるだろうか?
レイバーが暴走するぐらいじゃ済まないよきっと。
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