何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
プロフィール
高木圭介
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。神奈川大学レスリング部を卒業後、1993年に東スポ入社。プロレス&格闘技、社会、レジャー、特集部などを担当後、現在は運動部所属。 2006年10月、本紙携帯サイト「東スポ芸能」のスタートと同時に当コラムはスタート。2009年10月から晴れて、紙面でも連載開始。世の中の重箱の隅を愛する〝長期連載〟。
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011:ハレンチ学園こそ理想の学園ドラマだ!
2006年11月23日


           <2006年11月=東スポ携帯サイトより>


 昨今の痛ましい「いじめ問題」について語られる時、必ず新聞の投書欄などに登場するのが「金八先生のような教師がいれば…」という意見だ。

 あれはドラマ(フィクション)の世界。いじめ問題は現実の出来事。小山内美江子の脚本や武田鉄矢をはじめとする絶妙なキャスティングで、ドラマとしての完成度も高い金八先生シリーズが、いまだ現実と虚構の区別もつかない、チンケな教育論で語られてしまうのが残念でならない。フィクションに対する冒涜だ。

 そんな現実とフィクションを混同した人たちに、ぜひ観せたい学園ドラマが「ハレンチ学園」(昭和45年=東京12チャンネル)だ。

 とにかくこの番組、PTAが嫌がる下品な場面を、これでもかと詰め込んでいる。毎回、番組冒頭で「児童は人として尊ばれる~」などと児童憲章が読み上げられ、番組の「監修」とされる〝カバゴン先生〟こと阿部進氏が、ラストで次週予告をするのも強烈な嫌味にすら見えてしまう。

 第1話「トイレット作戦」で起こったことを列記すると ①ヒゲゴジラ(大辻伺郎)が生徒の弁当を没収して食べる ②味をしめたヒゲゴジラ、次の日は生徒全員の弁当を取り上げ、職員室で売り飛ばす ③「弁当返して欲しければ裸になれ」と生徒を脅す ④復讐誓う生徒たち、ヒゲゴジラに激辛弁当を食べさせ、水と騙してバケツで焼酎を飲ませる ⑤生徒たち水道タンクに大量の
下剤を混入し、水を飲んだヒゲゴジラは強烈な下痢に見舞われる。だが学校中のトイレは生徒たちによってバリケード封鎖 ⑥職員室トイレに飛び込んだヒゲゴジラだったが先客の丸ゴシ先生(井上昭文=3年後に「レインボーマン」で聖者ダイバダッタに変身)に日本刀で恫喝される ⑥ヒゲゴジラ、用務員室トイレに駆け込むも用務員(左卜全)によって肥溜めに転落 ⑦バキュームカー
に吸い込まれたヒゲゴジラ復讐を誓う……という凄まじい展開だ。

 金八先生同様、この番組を見た人々にも「ヒゲゴジラのような先生がいれば…」と言って欲しいものだ。カバゴン先生が推薦する通り、こういうハレンチな番組のほうが子どもに「オトナは信用ならん」と知らしめる、良き教材になる気もする。世の中に反面教師は必要だ。

 それはともかく、この番組はコメディドラマにも関わらず何だか怖い。原作版の陰惨なラスト(登場人物のほとんどが死亡)が頭にインプットされているからだろうか、あるいはビデオ撮影でなくフィルム撮影のための効果なんだろか?

 ビデオ撮りなら、よくあるコメディ作品なんだが、映画と同じフィルム画面で原始人の格好をしたヒゲゴジラ(この人のオネエ言葉は絶品!)や、いつもフンドシ一丁で日本刀を振り回す丸ゴシ先生パラソル先生(桂小きん)といった面々を眺めていると、本物の狂人の怖さを感じてしまう瞬間がある。

 この番組の終了から、わずか2年後(昭和48年)にヒゲゴジラ役の大辻伺郎が首吊り自殺(この人の父である元祖漫談家・大辻司郎は昭和28年の日航機もく星号の伊豆大島墜落事故で死亡する悲劇に見舞われている)してしまったことも、何となく影が尾を引いている要因だろうか?







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