サッカー日本代表は8日、国際親善試合のパナマ戦(12日・デンカS)に向け新潟市内で合宿をスタートさせた。森保体制では初招集の大迫勇也(28)=ブレーメン=ら17人が集合し約45分間の軽めのメニューを消化。W杯ロシア大会組の柴崎岳(26)=ヘタフェ=は過去や実績との決別、未来志向のゼロ競争を訴えた。
柴崎の元に、指揮官が歩み寄る。ヘタフェで3戦連続ベンチ外と苦しい状況だけに、「コンディションについて」(森保監督)ヒアリングを受けたが、柴崎自身は淡々と、それでいて堂々としていた。
「(コンディションや実戦感覚は)不安に思っていない。自分のビジョン、考えは持っているものがあるので、ピッチに立ったら、それを表現するだけ」
クールな表情の裏側で、胸の内に秘めた覚悟、未来への決意は燃え盛っている。
わずか4カ月前、柴崎は日本躍進の原動力となった。W杯のピッチでゲームを掌握し、コントロールした。ただ、柴崎は思い出に浸ったり懐かしんだりするどころか、「W杯は過去のこと」と“完全決別”を宣言した。
「僕の中では忘れて、一から代表チームとして築いていかなければいけない。過去の実績は関係なく、一から立ち位置を自らつかんでいきたい」
W杯の異様なムード、緊張感の海の中に身を浸せ、世界を打ち破るため、柴崎の熱く静かな戦いが始まる。 (松岡祐司)