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Inboxを終了するGoogle、またもや熱心なユーザーを冷遇(前)
2018/10/09
人工知能に関しては圧倒的な技術力と優位性を誇る米Googleだが、驚くほど知恵のない動きを見せることがある。Googleが打つ手は、目前に迫った勝利を自ら捨てるような愚だ。それもこれも、熱心なユーザーが持つ価値に無頓着な同社の文化に原因がある。
筆者が好んで取り上げる例は、ソーシャルネットワーク「Google+」だ。最初の数年は利用が大きく伸びたが、徐々に尻すぼみになった。エンゲージメントが低いとの評判が立ち、下火になっていった。
もともとは、その評判はおおむね誤りだった。しかし、徐々に現実がその評判に近づいていった。エンゲージメントを阻害する策をGoogleが繰り返し講じたからだ。
例えば、価値の高いアクティブなユーザーを発見する絶好の手段だったサークル共有の機能をなくした。一方でコミュニティを追加したが、これによってユーザーに対する注目は減った。アルゴリズムは頭が悪く、価値の高いコメントをはじき出して、それを人々に見せないようにした。その一方で、明らかなスパムを見つけ出すことはできなかった(後に、アルゴリズムは大きく改善したものの、その頃には、大半のユーザーが既にGoogle+を使わなくなっていた)。
ユーザーエンゲージメントを減らしたくてやっているのであれば、これは素晴らしいやり方だ。
Google+は、かつても今も、ロイヤルティが高いGoogleのファンが集う活動の舞台だ。Googleは、この舞台に何十億人という人々を連れてくることもできたはずだ。その中でGoogleファンに大きな存在感を発揮してもらい、Android、Pixel、Pixelbook、Google検索、Googleアシスタント、Google Home、Gmail、YouTubeなど、もろもろへの熱い想いを披露してもらって、皆の心を動かすこともできただろう。
だが実際には、Googleはユーザーエンゲージメントを埋もれさせたり抑えつけたりする策を自ら講じた。そしてついには、Google+は抜け殻のようになってしまった。Googleの熱心なユーザーからオーディエンスを奪った。こうしたユーザーが持つ価値を理解していないことの表れだ。
そして今度は、Googleはメールに関しても同じ愚を繰り返そうとしている。