その話の内容とは────
◆やっぱり吸われてた────
「────────では、
「…………はい。どうやらそのようなのです」[アル]
「だが、その経験値自体はアルベドには流れていっていない…………つまり…………」
「はい…………私たちの…………お腹の子供に吸収されているようです」[アル]
「ふむ。ということは、私たちの子どもは私の経験値を吸うことで成長している…………?」
「…………そう考えるのが、最も合理的かと思われます」[アル]
「……………………(なるほど。体が重く感じたのは、やっぱり気のせいじゃなかったんだな)」
「モ…………モモンガ様…………」[アル]
「…………ん?」
「申し訳ございません! 守護者筆頭という地位を任されておりながらモモンガ様のお力を奪うなど…………っ! 私は…………私は…………っ!」[アル]
「いや、よいのだアルベド」
「ですがっ!」[アル]
「よい。むしろ私は嬉しく思っているぞ? アルベドよ」
「えっ…………?」[アル]
「私の経験値を吸収している。それはつまり、我が子が健康に育っている証拠ではないか。父親として、これ以上嬉しいことがあるものか」
「モ、モモンガ、様…………」[アル]
「もし子供の成長に私の経験値が必要だというのなら、いくらでもくれてやるさ。まあ、確認してみたところ、レベルが100から99に落ちるほどには吸収されていないみたいだがな。このペースなら、100以降に溜まった余剰経験値だけで10人は子供を育てられるくらいだぞ?」
「モモンガ様~~~っ!」[アル]
「おっと、どうしたアルベド…………泣いているのか?」
「は、はい。私、私、モモンガ様に嫌われるのではないかと怖くて…………でもモモンガ様は優しくて…………だから、だから私ぃ……………………」[アル]
「私がお前を嫌うことなどあるものか……………………あぁ、そうだ、ちゃんと言葉にしたことはなかったな」
「…………モモンガ様?」[アル]
「愛しているぞ、アルベド。ナザリックの一員としてだけではなく、ひとりの女としてな」
「!!!!!!!!!!」[アル]
「…………だ、だいじょうぶか? アルベド。雷に打たれたかのような顔をしているが…………」
「…………打たれました」[アル]
「えっ?」
「モモンガ様のお子を授かった時、これ以上の幸せなどないと思っておりました。ですが今! モモンガ様から頂いたお言葉によって、それは覆されました!」[アル]
「お、おい、ちょっと待て、なんか体が光っているぞ、アルベド」
「今の私は無敵です! 例えかつての大侵攻に匹敵する大軍が襲ってこようとも、今の私であれば単騎で押し返すことが可能でしょう!」[アル]
「浮いてる! なんか宙に浮いてるぞ、アルベド!」
「力が! 力が体の奥から溢れてくるのです!」[アル]
「もう眩しくて何も見えないんだが!」
「ああぁぁあああああああああああああっ!!!」[アル]
「おい! どうした! だいじょうぶかアルベド! クソっ本当に眩しくて何も見えん! なんだこれ! ────────お、少し弱まって、き、た……………………」
「…………モモンガ様♡」[アル]
「ア、アルベド…………その手に抱いているのは…………」
「はい────────私たちの、愛の結晶ですわ。モモンガ様♡」[アル]
◆お世継ぎ誕生────
「なるほど。アルベド様が強烈な光を放ったかと思えば宙に浮き、そしてその光が収まった時にはモモル様がその手に抱かれていた、ということなのですね? あ、わん」[ペス]
「うむ、そうだ。それで…………どうなのだ? それは普通なのか?」
「申し訳ございません、アインズ様。私は
「そうか、うむ、それならいいのだが…………私の娘────モモルの種族は、アルベドと同じ
「マジックアイテムを使用して確認致しましたので、間違いないと思われます、わん」[ペス]
「だが、この額の…………赤い宝石のようなものはなんなのだ? アルベドの体には、このようなものはどこになかったが…………」
「この宝石についても調べてみましたわん。結果は…………『モモンガ玉(小)』というものでしたわん」[ペス]
「…………モモンガ玉(小)?」
「はい。ステータスにはそのように記載されておりましたわん。性能に関しては〈道具上位鑑定〉が弾かれましたので詳しくは分かりませんが、おそらくはアインズ様の胸に収められている
「〈道具上位鑑定〉を弾いたのか…………となると、
「私にも何が起きているのかは分かりません…………わん。ただ言えるのは、このモモンガ玉(小)がモモル様に悪い影響を及ぼすものとは思えない、ということだけですわん」[ペス]
「…………なぜ、そう思う?」
「アインズ様の真の名、モモンガ様の名を冠するアイテムが、そのお子に害をなすとは思えないからですわん。むしろ、モモル様の身を守る助けになってくれるだろうと信じています、わん」[ペス]
「そう、か…………うむ、そうだな」
「今はアインズ様もお休みくださいわん。アルベド様が目を覚まされましたらご報告致しますので」[ペス]
「うむ…………いや、もう少し、ここにいることにする」
「…………畏まりました、わん」[ペス]
◆お世継ぎ誕生(守護者たち)────
「…………(そわそわ)」[アウ]
「…………(うろうろ)」[シャル]
「…………二人とも、さっきからなにを歩き回っているんですか?」[デミ]
「いや、だってさ!」[アウ]
「気になって仕方ないでありんすー!」[シャル]
「君たちの気持ちはよくわかるが、ペストーニャが付きっきりで様子を見ているから大丈夫ですよ」[デミ]
「それは分かってる! でもモモル様のお姿が見たいんだよ!」[アウ]
「見たいでありんす!」[シャル]
「まだダメですよ。近々お披露目式がありますが、それより前に守護者たちには会わせて頂けるとアインズ様が仰っているんです。我慢しなさい」[デミ]
「でもー」[アウ]
「ありんすー」[シャル]
「はぁ…………二人ともマーレを見習いなさい。ああやって大人しく────────あれは、何をしているんですか?」[デミ]
「え? なんか独自に調合した超強力なハイランユウハツザイとか言うのを作るって言ってたけど…………」[アウ]
「そ、そうですか」[デミ]
「そういえばコキュートスはどうしたでありんすか? 姿が見えないようでありんすが…………」[シャル]
「ああ。コキュートスなら、モモル様に会いたい衝動をどうしても抑えられないから、第七階層で滝に打たれてくると言ってましたよ」[デミ]
「…………第七階層の滝って、溶岩だよね」[アウ]
「あの熱いのが大嫌いなコキュートスがそこまでするって…………どれだけ激しい衝動に突き上げられてるでありんすか…………」[シャル]
「まあ、彼はアインズ様に爺役を許可されてからというもの、日に十二回は妄想の世界に旅立っていたからねぇ」[デミ]
「いや多すぎでしょ」[アウ]
「二時間に一度のペースでありんすぇ」[シャル]
「それだけ待ち望んでいたということさ。もちろん、私だってそうだよ。さすがに妄想の世界に旅立ちはしなかったけどね」[デミ]
「うぅ~~、だめだ! モモル様の話してたら、またそわそわしてきた! あたしセバスたちを手伝ってこようかな。なんかしてないと、いつまでもそわそわしちゃいそうだし」[アウ]
「セバスたちは何をしてるでありんすか?」[シャル]
「さっきも言ったお披露目式の準備ですよ。王座の間に全NPCを集結させて大々的に行うから、領域拡張魔法やらなにやら色々準備が必要だし、式典後は食堂で立食形式の食事会、最後は第六階層で祝砲の打ち上げが予定されてるからね。やらなければならないことは山ほどあるんだよ」[デミ]
「なるほど。じゃあ私も眷属たちを連れて手伝いに行きんしょうかぇ」[シャル]
「それがいいね。人手は多いに越したことはないだろうし。では、私は私でやることがあるからこれで失礼させてもらうよ」[デミ]
「デミウルゴスは何してるの?」[アウ]
「私ですか? 私はモモル様の為に揺りかごを制作しているところです」[デミ]
「…………デミウルゴスの」[アウ]
「…………揺りかご、でありんすか?」[シャル]
「ナザリックには幼児用の家具がありませんからねぇ。僭越ながら、私が用意させていただこうかと」[デミ]
「ま、待って、デミウルゴス!」[アウ]
「? 何か?」[デミ]
「まさかとは思うけど…………その揺りかご、材料に骨は使ってないよね?」[アウ]
「ええ、厳選に厳選を重ねた良質なものを…………」[デミ]
「そ! それはどうだろうな~! モモル様の揺りかごに骨を使うのは! ね、シャルティア!」[アウ]
「え、ええ。揺りかごに骨を使うのは、ちょっと違うと思いんすぇ」[シャル]
「おや、しかし私の家具細工は、以前アインズ様にもお褒め戴いておりますが…………」[デミ]
「そ、それは…………そう、アインズ様がお使いになるのはいいんだよ! デミウルゴスの作る家具は、威厳のあるアインズ様にお似合いになるから!」[アウ]
「そ、そうでありんすね! モモル様は…………まだお姿を拝見してはおりんせんけど、お可愛らしい外見をされているはず。デミウルゴスの作る家具とは相性が悪いというか…………」[シャル]
「なるほど、そう言われてみればそうかもしれませんね。まだお姿を拝見してもいないというのに、モモル様に似合う家具を作るなど不可能…………まずはモモル様にお会いし、それから制作に取り掛かるべきでした。二人とも、私の思い違いを諌めていただき、感謝しますよ」[デミ]
「あ、あはは…………結局作るつもりなんだ」[アウ]
「い、いいえぇ、いいんでありんすよ…………結局作るんでありんすか」[シャル]
「ん? 二人とも、なにか言ったかね?」[デミ]
「「いや、なにも」」[アウ、シャル]
「そうかい? では、私は新しく材料を選別し直す作業をすることにするから、今度こそ失礼するよ……………………可愛らしい揺りかご…………丸みを帯びた骨を主体に…………いや、細くて小さい骨を組み合わせて…………ブツブツ」[デミ]
「…………行ったね」[アウ]
「行きんしたね」[シャル]
「どっちが言う?」[アウ]
「…………任せんした」[シャル]
「それはずるい。シャルティアが言ってよ」[アウ]
「私だって嫌でありんす」[シャル]
「……………………」[アウ]
「……………………」[シャル]
「じゃあ、同時に」[アウ]
「裏切らないでくんなましよ?」[シャル]
「そっちもね」[アウ]
「「……………………〈
◆お世継ぎ誕生(新参たち~フォーサイト~)────
「聞いたか、イミーナ。アインズ様のお世継ぎがお生まれになったらしいぜ」[ヘッケ]
「ええ、聞いたわ。お目出度いことじゃない」[イミ]
「ああ、目出てぇな。お祝いになにかお贈りしたいところだが…………」[ヘッケ]
「アインズ様は全てお持ちだからねぇ…………」[イミ]
「我が神は、我らからの供物など必要とはされないでしょう。私たちが捧げるべきは信仰と献身、それに尽きます」[ロバ]
「お、ロバーデイク。久しぶりだな」[ヘッケ]
「ほんと、久しぶりね。最近はどうしてたの?」[イミ]
「カルネ村で布教活動をしておりました」[ロバ]
「おお、開拓村で布教活動か! 夢が叶ったじゃねぇか!」[ヘッケ]
「ええ、それもこれも、全ては我が神のお慈悲によるもの…………ああ、至高なるアインズ様、全てを捧げてお仕えいたします…………」[ロバ]
「昔以上に熱心な信徒になったわよね。ロバー」[イミ]
「以前の私は偽りの神を信仰しておりましたから。ですが今の私は真の神、真の使命を得たのです。熱心にもなろうというもの」[ロバ]
「まあ、ロバーデイクが昔信仰してた神様は、いるかどうかも定かじゃないような存在だったからな。それに比べてアインズ様は確実に存在しているし、確かな加護を与えてくれる。俺もイミーナも、以前とは比べ物にならないくらい安定した生活をさせていただいてるよ」[ヘッケ]
「我が神は、庇護下にある者を決して無下には致しません。さあ、二人もアインズ様を讃え、ともに祈りを捧げましょう!」[ロバ]
「ははは、俺らに布教活動はしなくても大丈夫だぜ、ロバー。心からアインズ様を尊敬してるからな」[ヘッケ]
「そういえば、アルシェはどうしてるかしら? 最近会わないけど…………」[イミ]
「おお、アルシェでしたら、つい先日カルネ村で会いましたよ」[ロバ]
「あら、元気にしてた?」[イミ]
「ええ、妹たちと楽しげに遊んでました。ただ…………」[ロバ]
「ん? なんかあったのか?」[ヘッケ]
「いえ、しばらく見ない間に…………尻尾が生えていたんですよ」[ロバ]
「…………尻尾?」[イミ]
「ええ、あれはおそらく犬系の動物の尻尾でしょうか。スカートの内側に垂れ下がっていました」[ロバ]
「…………アクセサリーとかじゃなくてか?」[ヘッケ]
「アルシェの妹が引っ張った時に声を上げていましたから、おそらく生えているのではないかと…………」[ロバ]
「ふーん…………獣人にでも改造してもらったのかしら?」[イミ]
「おそらくは…………ただ、尻尾を引っ張った妹に対して『抜けちゃうからダメ』と言っていたので、まだ改造の途中でしっかりと定着はしていないのかもしれませんね」[ロバ]
「…………大丈夫なのかしら?」[イミ]
「ええ、私も心配になったので回復魔法をかけましょうかと言ったのですが、アルシェは顔を真っ赤にして『大丈夫! 大丈夫だから心配しないで! あとヘッケランとイミーナには秘密にしておいて!』と…………」[ロバ]
「…………ものすごく言いふらしてるけど、いいの?」[イミ]
「おお、そういえばそうですな。はっはっは」[ロバ]
「いや、はっはっはって…………」[イミ]
「…………なあ、それってよ」[ヘッケ]
「? なに、ヘッケラン」[イミ]
「……………………いや、イミーナには後で
「??」[イミ]
「おっと、長居してしまいましたな。では、私はこれから
「おお、またなロバー」[ヘッケ]
「アルシェに会ったらよろしく言っておいて」[イミ]
「分かりました。では、お二人共お体にはお気をつけて」[ロバ]
「心配ねぇよ。吸血鬼だからな」[ヘッケ]
「はっはっは、そうでしたな。それもこれも至高なる御方のご加護…………」[ロバ]
「いいから行けって、また話が長くなるぞ?」[ヘッケ]
「うむ、そうですな。では、今度こそ失礼いたします」[ロバ]
「おう、そっちこそ気をつけてな」[ヘッケ]
「……………………元気そうだったわね、ロバーも」[イミ]
「ああ、前以上に生き生きしてる。俺らもな」[ヘッケ]
「吸血鬼だけどね」[イミ]
「違ぇねえ」[ヘッケ]
「そうだ、ところでさっき言ってた後で教えてくれることってなに?」[イミ]
「ああ、それはな……………………」[ヘッケ]
◆お世継ぎ誕生(新参たち~ハムスケとトカゲ~)────
「────────ふんでござる! ふんでござる!」[ハム]
「おお、ハムスケ殿。今日も鍛錬に勤しんでおりますね」[ザリュ]
「おお、ザリュース殿! 殿にお世継ぎが生まれたと聞かされては、安穏と昼寝などしていられないでござる! 姫をお守りするためにも、もっと強くならなければ!」[ハム]
「その意気です、ハムスケ殿」[ザリュ]
「そういえば、ザリュース殿の奥方も身篭られているのでござったな」[ハム]
「ええ、それもこれも、ゴウン様の支援によって食糧事情などが劇的に改善されたおかげでしょう。妻も、妻のお腹にいる子供も健康そのものです」[ザリュ]
「羨ましいでござるなぁ! 拙者も早く番が見つからないものでござるかなぁ」[ハム]
「ゴウン様が探すと言ってくださっているのですから、そう遠くないうちに見つかるでしょう」[ザリュ]
「そうでござるな! 殿は偉大なお方ゆえ!」[ハム]
「ええ、全くです。ところでハムスケ殿、新しい武技は習得出来ましたか?」[ザリュ]
「ヘッケラン殿の指導もあって、〈流水加速〉が使えるようになったでござるよ!」[ハム]
「それは素晴らしい。あの技は使いようによっては格上とも対等以上に戦えますからね」[ザリュ]
「ハムスケウォリアーに向けて一歩前進でござる!」[ハム]
「ははは、ハムスケ殿ならすぐ一流の戦士になれますよ。
「おお! そうでござった! 聞いてくだされザリュース殿!
「えっ! ほ、本当ですか!?」[ザリュ]
「もちろんでござる! さ、
「…………! (ブォン!)」[デス]
「こ、これは確かに斬撃! やりましたね、
「…………! …………!」[デス]
「うんうん、
「ゴウン様へのご報告は?」[ザリュ]
「まずは拙者達の上司であるコキュートス殿に報告をしようと思ったのでござるが、どこにいるのか分からないのでござるよ」[ハム]
「そうですか…………ですが、これは非常に重要な案件だと思われます。コキュートス様が見つからないのであれば…………そうですね、アウラ様かマーレ様であれば第六階層にいらっしゃるでしょうから、そのどちらかに報告しましょうか」[ザリュ]
「お、あの双児の方々でござるな? では、拙者ひとっ走りして伝えてくるでござるよ」[ハム]
「よろしくお願いします」[ザリュ]
「了解でござる! では行ってくるでござるよ!」[ハム]
「迷子にならないように気をつけてくださいねー! ……………………ふぅ、しかし、
「…………! …………!」[デス]
「ええ、そうですね。偉大なかの御方であれば、なにも不思議はありません。さ、では私たちは修行の続きをしましょうか」[ザリュ]
「……………………!!」[デス]
◆お世継ぎ誕生(執事とメイド)────
「ユリ、食堂の飾り付け変更と料理の準備はどうなっていますか?」[セバ]
「問題なく進んでおります。料理は完成次第時を止め、解除すれば作りたてを食べられる状態にしたまま次々と作り置きを作成中。飾り付けにつきましてはパンドラズアクター様が指揮を執られ、華やかかつ威厳あるレイアウトに変更中です」[ユリ]
「そうですか、パンドラズアクター様であれば、お任せしておいて問題はありませんね。エントマ、ソリュシャン、王座の間はどうですか?」[セバ]
「領域拡張魔法は、すでにデミウルゴス様によって掛けていただいております」[ソリュ]
「装飾につきましてはぁ、食堂が終わり次第パンドラズアクター様が変更を施すと仰っておりましたわぁ」[エン]
「了解しました…………ん? エントマ、声が戻ったのですか?」[セバ]
「はいぃ。アインズ様と恐怖公のおかげで、元の声に戻ることが出来ましたわぁ」[エン]
「それは素晴らしい。おめでとうございます、エントマ」[セバ]
「ありがとうございますぅ」[エン]
「あとは…………シズ、祝砲の準備はどうです?」[セバ]
「…………ばっちり。第六階層に設置済み」[シズ]
「規模はどの程度のものを?」[セバ]
「…………第四位階相当の閃光砲、第五位階相当の火炎砲、電撃砲をそれぞれ五十門。最後は第七位階相当の爆裂砲百五十連発で締め」[シズ]
「全部で三百門ですか…………少し多くはありませんか?」[セバ]
「…………大丈夫、いくつかは同時発動する予定だから、そんなに時間はかからない」[シズ]
「そうですか、それなら良いでしょう。ルプスレギナ、進行表の作成は?」[セバ]
「デミウルゴス様が作った進行表を、司書長のセクンドゥスさんに渡して装丁してもらってるっす」[ルプ]
「数は?」[セバ]
「各階層守護者様に一つずつ、パンドラズアクター様にひとつ、セバス様にひとつ、アインズ様にひとつの全部で十一冊っす」[ルプ]
「十一冊…………ということは、ガルガンチュア様用にも作ったのですか?」[セバ]
「超でかいのを作ってもらったっす!」[ルプ]
「そ、そうですか。了解しました。あとは…………」[セバ]
「ひとつ質問をよろしいでしょうか、セバス様」[ユリ]
「? なんでしょう、ユリ」[セバ]
「今回の式典には全NPCが参加するとのことですが、それはつまりルベド様も参加されるということでよろしいのでしょうか?」[ユリ]
「ええ、ただし本体の起動はせず、意識のみを水晶のようなマジックアイテムに移しての参加になるようです」[セバ]
「さようですか、畏まりました」[ユリ]
「もちろん、貴女たちの末妹も参加しますよ。さ、それでは作業を再開しましょう。ある程度設営は完了しましたので、次は本番前の予行演習として────おや? そういえばナーベラルはどうしました?」[セバ]
「ナーベラルでしたら、コキュートス様の様子を見に行ってますわ」[ソリュ]
「そうですか、コキュートス様の…………」[セバ]
「ええ、じゃんけんに負けましたので」[ソリュ]
「そ、そうですか…………」[セバ]
◆お世継ぎ誕生(爺)────
「────────ノウマク・サンマンダーバーザラダン・センダン・マーカロシャーダーソワタヤ・ウンタラ・ターカンマン…………ウ、ウゥ! モモル様…………! 爺ハ、爺ハ…………! ハッ! イ、イカン、マダ煩悩ガ…………ッ! ノウマク・サンマンダー…………!!」[コキュ]
「……………………(コキュートス様がうるさい…………)」[紅蓮]
「……………………(様子を見に来たけど、話しかけたら大変なことになりそう…………)」[ナベ]
少し長くなったので前後に分割しました。
今回、そして次回は基本アインズ様とアルベドのイチャコラです。
あまり出番のないサブキャラ達もちらっと出てくるよ。
でも基本イチャコラです。
後書きに書いても、もう読んだ後でしょうけど。