大阪誘致を目指す2025年国際博覧会(万博)への機運を高めようと、「大阪・関西が切り拓(ひら)く“いのち輝く未来社会”シンポジウム」(大阪府など主催)が28日、大阪市内であった。開催国決定まで2カ月を切り、研究者らが関西を基盤とする気鋭の科学技術を紹介。7年後を見据え、「最先端の医療を大阪から発信したい」と声をそろえた。
パネル討論で、前立腺がんにかかった経験を紹介する西川きよしさん(右)とパネリストら=28日、大阪市北区の中之島会館 |
大阪医科大の小野公二・関西BNCT共同医療センター長は、放射線治療と化学療法を組み合わせ、がん細胞だけを死滅させる「BNCT」という治療法を報告。「患者に優しい治療を実現したい。機能を残すことで命が輝くのではないか」と問題提起した。
ほかにも、人工知能(AI)を応用し、10分間の磁気共鳴画像装置(MRI)検査で精神疾患を分析する技術や、iPS細胞を用いた心不全治療など最新医療も取り上げた。
今年6月のBIE(博覧会国際事務局)総会でスピーチした京都大医学部5年の川竹絢子さんは、所属する若者集団「ワカゾー」によるパビリオン建設計画を紹介。タレントの西川きよしさんは、1970年大阪万博で司会を務めたエピソードで会場を沸かせた。
約250人が見守る中、コーディネーターを務めた大阪大心臓血管外科の沢芳樹教授は「人の死がある限り、医療の進化が求められる。最先端の医療を日本から発信したい」とまとめた。(藤木俊治)
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