戦国期や藩政期に前田家の旗下にあったと考えられる鉄砲隊再現を目指す団体「金沢城鉄砲隊(仮称)」が、来春にも金沢で結成される。古式銃研究の国内第一人者から手ほどきを受け、来年の金沢百万石まつりで迫力あるパフォーマンスを披露することを目標とする。現存数が少ない加賀藩ゆかりの鉄砲の研究にも取り組む予定で、加賀百万石を支えた武家文化の歴史発掘も進める。
大阪城高山右近鉄砲隊主宰で鉄砲研究家の澤田平さん(83)=大阪市=が鉄砲隊結成に向けて指揮を執る。澤田さんが砲術を指導し、鉄砲や甲冑(かっちゅう)は高山右近鉄砲隊が貸し出す。県内の歴史研究グループに呼び掛け、十数人程度のメンバーを集めており、来年2月に澤田さんが金沢市内で開く講演会を、鉄砲隊結成の場とする予定である。
澤田さんは、毎年6月の「金沢百万石まつり」に合わせて金沢城公園で行われる「加賀百万石『盆正月』」(北國新聞社後援)の火縄銃演武で、鉄砲隊の号令役を務めている。全国から出演者が集まる勇壮な舞台に、地元からも出演する団体を設立し、戦国の世を生き抜いた前田家の武勇を後世に伝える。