制服で外を歩くとセクハラされる……英国女子の3割超
英国の女子の3人に1人が、学校の制服を着て外にいた時に性的嫌がらせを受けたことがあると、民間団体の調査に答えたことが明らかになった。さらに3分の2の女子が、公の場で求めていない性的な言動の対象にされたことがあると答えた。
慈善団体「プラン・インターナショナルUK」は8日、調査報告を発表した。それによると、道端でセクハラを受けるのは「大人になるための通過儀礼」だと女子の多くが受け止めている。このため同団体は、通行人として嫌がらせを目にしたら、割って入ってやめさせるよう呼びかけている。
調査は14歳から21歳の女性1000人を対象にアンケート調査を実施したほか、専門家や女子に聞き取り調査も起こった。
その結果、
- 英国の女子の66%が公共の場で、求めていないのに性的に注目されたり、性的・身体的接触を経験している
- 女子の35%が、求めていないのに体を性的に触られたり、まさぐられたり、つかまれたりした
- わずか8歳の女子も、セクハラを経験ないしは目撃したと回答した
- 30%以上の女子が、学校の制服を着ている時に、性的に体を触られたり、じろじろ見られたり、ひやかされたり、口笛を吹かれたりしたと答えた
- 約25%の女子が、他人に無断で動画や写真を撮られたと答えた
報告書には、いくつかの体験談が含まれている。たとえば、英中部バーミンガム在住のマリカさん(19)は、1人で道を歩いていたところ車でずっと追跡されたことがあると話した。
「手にした電話は上下さかさまだったけど、それでも電話で話している振りをして、父親が迎えに来るように振舞った」とマリカさんは言う。
「両親はそれ以来、私の帰宅時間とか、暗くなってからの外出について、前より気にするようになった」
別の18歳女子は、道で嫌がらせされるのは「いわゆる『野郎文化』の一部」で、父親には「男がどういうものか知ってるだろう」と言われたと話している。
17歳の女性も、「まったく普通のこと」になってしまったと話す。
「プラン・インターナショナルUK」は英政府に、往来での性的嫌がらせを「ジェンダーによる暴力」と認定するよう呼びかけている。
団体は対策をいくつか提案している。その一部は次の通り――。
- 往来での嫌がらせは「良くない」と周知する啓蒙活動
- その場に出くわした第三者が安全に割って入るための指導
- 男性や男子が態度を改め、嫌がらせを批判できるようにする支援
- 若者に恋愛と性に関する教育を提供
- 店員や交通機関の運転手など、公共の場での嫌がらせを目撃しやすい職業の人に、制止方法と報告方法を訓練
「プラン・インターナショナルUK」のタニヤ・バロン代表は、就学年齢の女子がこれほど性的嫌がらせを受けているのは、「衝撃的で、非常に心配だ」と述べた。
「12歳にしかならない若い女の子が、表で性的に口笛を吹かれ、無理やり触られ、じろじろ見られて、時には後をつけられている。まったく受け入れられない」とバロン氏は強調した。
「実に恥ずかしい真似で、非難すべきだし、やめさせなくてはならない」
もし性的嫌がらせをされたら
セクハラに取り組む国際的な運動「ホラバック(叫び返して)」は、セクハラへの対応に正しい方法も間違った方法もないと説明する。
ただし、加害者に直接何か言うことにした場合のアドバイスを、いくつか提供している。
- きっぱりと――相手の目を見て、力強くはっきりと、相手の行動を非難する
- 自然に――自分から謝ったり申し訳なさそうにしないことが大事
- 相手にしない――嫌がらせをしている加害者はあなたと議論したり、会話を続けてあなたを馬鹿にしたり、からかったりしようとするかもしれない。相手を議論でこてんぱんにやりこめてやりたいと思うかもしれないし、その誘惑は強いが、勧められない。あなたに注目されることで、相手はかえってその気になり、より悪質な加害行動に出る恐れがある
- 動き続ける――言いたいことを言いおえたら、その場をすぐに立ち去ること。いつまでも加害者と一緒にいてあげる必要などない