ミズノQ4
硬度:47度
厚さ:特厚
重量:48g
硬さ
47度という数値が妥当と思える硬さである。
ゴムの質が柔軟であるので、全体的に柔らかめと感じるかもしれないが、垂直気味に強打した時は硬さを感じる。粒が太くて粒間隔が若干狭いことが影響していると思う。このことは、バックでの弾き系のカウンター時に顕著であった。
弾み
文句なしの弾みである。弾道は低めでも、しっかりと弧線を描くので、後陣からでも楽に飛ばせる。
オフェンス
ドライブ
まず一番に感心するのが引っ掛かりの良さ。この引っ掛かりがあるために、どんな位置、どんな質の打球に対しても安定したドライブを(強引に)打てる。引っ掛けて掴んで、こちらの意図する打球に補正して飛ばせる感じである。であるので、特にループドライブなどはとても楽である。
回転の量も質も素晴らしいものを持っている。ただ、少し粘着的性質も持っていて、軽打での回転量はそれほどでもなく、強打で恐ろしい回転量が得られる。なので、出来る限り、常にフルスイングか速めのスイングスピードを維持する必要がある。
弧線の高さのコントロールをしやすいラバーである。スピードを求めるなら低め弧線で、回転の威力と重さを重視するなら高め弧線で、というような使い分けもしやすい。であるので、軽打であっても、意図的に低め弧線のドライブを使ってコースを突き、主導権を握るという戦法も取れるラバーである。
スピードは必要十分な速さという感じ。
スマッシュ(ミート系)
粘着ラバー的なスマッシュである。
打ちやすいのは打ちやすいが、バウンド後は少し失速しやすいので、ナックル気味にスライドするようなスマッシュが良い気がする。
かなり高音質の金属が鳴る。これはドライブにおいてもそうである。とても気分がスカっとする。
フリック・チキータ
引っ掛けやすいのでフリックもチキータもやり易い。
当てた瞬間、ボールがシートに張り付く感覚を得られ、そこからラケット操作をするという感じに持っていけるので、自分のイメージと打球の感覚が一致する。
フリックは擦り系とナックル系を使い分けやすい。
ディフェンス
ブロック
少しイメージより長くなりやすいかも知れないが、そこはすぐに慣れるレベル。
どちらかというと、単にブロックするより、少し被せてカウンター気味にした方がコントロール性は良いかもしれない。
ツッツキ・ストップ&ちょっとだけカット
切れるね。そして、浮かない。
短くも長くもコントロールしやすい。
これ、トップシートや粒形状が下回転に向いているのだと思う。
少しだけカットをしてみたが、あまり気を遣わなくても安定して入る。ツッツキ同様、浮くことはなく、抑えも利くのでとても楽である。カットの切れは申し分なく、着台後の止まり具合も良い。これ、攻撃型カットラバーには最適なんじゃないかなぁ。
サーブ
とてもキレが良い。
そして、やり難いor効果不足のサーブがない。
下回転系やナックル系をかなりの低弾道で出せるラバーである。
以上。
では、Q4を簡単に言い表すと
〇基本的に低め弾道で中弧線であるが、意図的に弧線の高低を調整できる。
〇シートの引っ掛かりが素晴らしく良い。
〇回転量は豊富で、フルスイング時の回転量は半端ない。
〇下回転は切れがあり、浮きにくい。
△弾みはあるが、スピードはそこそこ。
△粘着的使用感があり、ある程度の威力を維持するには、毎回しっかりインパクトする必要がある。
●価格が高い(ただし、性能がテナジーと同等でこの価格は安い)
といった感じ。
自分的な感覚であるが、Q4は、弾みと弧線を上げて硬度を下げた「VS>401」というラバーである。このような特性のラバーの出現を期待していたのだが、こんな思ってもいなかった形で夢が叶うとは思わなかった。ヴェガDEFでがっかりしたばかりだったので、まさかのサプライズ的出会いであった。
ただ、このレビューはver.D+Q3の組み合わせでの検証であったので、他の用具と組み合わせた場合がどうなのか何とも言えない。言えることは、同じミズノのベクトルが合う組み合わせであったので、MAXの性能が発揮されていたと思う。
この組み合わせは、ALC+両面テナジーというバタフライの王道組み合わせと肩を並べると思う。それだけ素晴らしい相性の組み合わせである。