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【ゴルフ】

ささきしょうこV 崖っぷちのフチ子が2年ぶり2勝目

2018年10月8日 紙面から

ツアー2勝目を挙げたささき=東名CCで(神代雅夫撮影)

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◇スタンレー・レディス<最終日>

 ▽7日、静岡県裾野市・東名CC(6571ヤード、パー72)▽晴れ、31度、西4・1メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽50選手(うちアマ2人)▽観衆5780人

 1打差の3位から出たささきしょうこ(22)=日本触媒=が5バーディー、1ボギーの68とスコアを伸ばし、通算10アンダーで逆転優勝を飾った。2016年7月の大東建託・いい部屋ネットレディス以来のツアー通算2勝目。メンタルから来る体調不良の日々を乗り越え、たどり着いた念願のV2だった。1打差の2位に前日首位の新垣比菜(19)=ダイキン工業=と全美貞(ジョン・ミジョン、韓国)。全美貞は不動裕理、李知姫(イ・チヒ、韓国)に続くツアー史上3人目の11億円プレーヤーとなった。

 崖っぷちに立たされたら強い、自称“フチ子”のささき。「昨日(6日)のプレー後、ちょうどそんな話をしたので、今日は『崖っぷちだぞ』と自分に言い聞かせて回ってました」。今大会前までの賞金ランクは48位で、同50位までのシードも当落線上。重圧をプラスに捉え、験の良さにすりかえたことが当たった。

 2番パー4で残り170ヤードの第2打をピン奥2メートルに。早々と首位に並ぶと、3番パー5では第3打をピンそば50センチにつけ、連続バーディーとした。7、8番でも5メートル、6メートルを沈め、通算スコアを1人だけ10アンダーに乗せた。「前半4つバーディーを取れたことが勝因だと思います」。なかなか、つかめそうでつかめなかった2勝目。18番グリーンでウイニングボールを持った左手を晴れやかに上げると、涙。苦しかった日々が頭を巡った。

 ゴルフに出会う前の小学校低学年時はぜんそく持ちで虚弱体質。「年間50日ちゃんと出席できたかどうか」という子供だった。2016年4月、熊本地震の余震、本震に震源から10キロ圏内のホテルで遭遇し「その後から夜眠れなくなって…」。17年夏からはめまいや吐き気にも襲われ、精神系の薬を服用しながらのツアー転戦が続いた。

 「年下の選手が次々に出てきて活躍、優勝するのを見て、自分は何をやっているんだろう? と疑心暗鬼にもなった。でも先月中旬、もう薬を飲まずにゴルフをしようと決めて。これも自分。この自分を受け入れて戦っていこうと思うようになったんです」

 そんな矢先の2勝目で、賞金ランクは21位に浮上した。今季は残り7試合。崖っぷちからどこまで登り詰めるか。 (月橋文美)

<ささき・しょうこ>(本名は佐々木笙子) 1996(平成8)年6月8日生まれ、兵庫県加古川市出身の22歳。170センチ、65キロ。小学3年から岡本昭重に師事。2011年日本ジュニア12~14歳の部を制覇。京都オープンでは男子アマを抑え、3度ローアマになった。15年プロテスト合格後、「名前が読まれにくい。みんなに覚えてもらいたいから」と、ひらがなでツアー登録した。

 

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