科目名 現代人の科学A
英文科目名 Science Literacy A
担当教員名 柳井 德磨*
対象学年
開講学期 秋2
曜日時限 金曜日 3時限
対象クラス 獣医学部
単位数 1.0
授業形態 講義

回数 授業内容
1回 人はなぜ学ばなくてはならないのか。
基本的な学びの姿勢について、東西の「人類の教師」の学びの仕方を学習する。特に「真理」をどう追求するか?学びは生き方をどう変えるか?などについて考える機会を提示する。

2回 地球・生命について科学:138億年の進化
宇宙の誕生から人類の登場まで、進化の過程および謎について学習する。

3回 日本の自然と風土
以下の日本の風土に関するテーマについて科学的側面を中心に解説する。
① 風土とは何か?
② 日本列島の成り立ち
③ 日本人はどこから来たか?
④ 縄文人と弥生人
⑤ 神話と日本人?
4回 日本・アジアの自然と風土
以下の日本とアジアの風土と歴史に関するテーマについて比較して解説する。
① アジアの定義と構成要因は?
② 東南アジアの国々とその風土の特徴について
③ 東アジアの国々とその風土の特徴について
④ 日本と他のアジアの歴史・分化の比較。
⑤ 日本人およびその文化の特色は何か
5回 自然環境の病気
以下の地球規模で発生している災害や異常気象について基礎的な概要について科学的側面を含めて解説する。
① 酸性雨と森林破壊、砂漠化
② 地球温暖化と気象異常
③ 食糧不足・人口問題
6回 環境・食物に由来する病気
環境およびそこから得られた食物に起因した種々の疾病について概要を学習する。
① 糖尿病
② がん
③ 老化
7回 免疫を高め自分を病気から守るⅠ
自分や家族を病気から守るための日常的な習慣改善の重要性を解説する。
① 免疫の働きと病気
② 腸と心が免疫を決めている
③ 免疫の鍵をにぎる腸内細菌
④ 温熱の健康に与える効果
8回 免疫を高め自分を病気から守るⅡ:
以下に示す発酵食品の効用と腸内環境の改善、さらに健康に及ぼす影響について解説する。
① 発酵食品の効用
② 日本および世界の発酵食品の種類と特徴
③ その他の健康に有効な食物や天然物(ヤーコン、プロポリスなど)



回数 準備学習
1回 斎藤孝著「人はなぜ学ばなければならないか」を一読し、自分の日頃からの「学び」について考え、さらに日頃の情報源やそのアプローチの仕方も含めて整理しておく。
2回 谷合稔著「地球・生命-138億年の進化」を一読し、生命誕生から人類への進化までの歩みを概略理解しておく。特に生命の起源について、概略説明できることは、生物系の学生に不可欠と思われる。
3回 谷合稔著「地球・生命-138億年の進化」「日本人のルーツ」の項を一読し、日本人の祖先が日本列島に定着た過程を概略理解しておく。
 また、縄文時代が日本人の形成に及ぼした影響についても、片山一道著「骨が語る日本人の歴史」などを参考に概略理解しておく。さらに神話の時代における東アジアの環境について概略理解しておく。

4回 造事務所編「アジア45ヵ国の国民性」、谷沢永一著「歴史が遺してくれた日本人の誇り」。呉善花著「日本人はなぜ「小さないのち」に感動するのか」などを参考にして、日本と他のアジア諸国の歴史、文化の差異を自分なりに考えておく。
5回 酸性雨と森林破壊、砂漠化、地球温暖化と気象異常、食糧不足・人口問題などのキーワードを基に、インターネットで現在進行中の地球環境の変動、災害などについて調べておく。
6回 糖尿病、がん、老化などのキーワードを基に、インターネットで疾病概要について調べておく。
7回 藤田紘一郎著「免疫力をアップする科学」に目を通し、免疫と健康の関連を概略解しておく。
8回 藤田紘一郎著「人の命は腸が9割」、小泉武夫著「発酵食品礼賛」を参考に、発酵および発酵食品が動物の健康にいかに大切か概略を理解しておく。

講義目的 現代を生きる市民は、専門分野によらず、幅広い分野の科学・技術リテラシー(知識のみならず科学的なものの見方も含む)を身に付けておくことが望ましい。「現代人の科学」は、様々な科学・技術分野のトピックスを題材にし、科学・技術リテラシーの向上を目指す科目群である。また、分野横断的な視点や実社会との関係性を重視する。「現代人の科学A」では、いくつかのトピックスを扱いながら現代科学の到達した自然観の全体的な枠組みを伝える。なお、この科目は特定の分野の基礎知識の修得を前提としない。
 本授業の中で、自分たちを取り巻く環境、風土はどのように形成されたのか、また、身近な環境に何が起こっているのか、などを理解することで、専門教科への円滑な導入が可能になり、より深い専門知識の理解と習得が期待できる。また、食の健康に及ぼす影響の重要性を理解することで、長い学生生活における学生自身の健康管理の基本的な要点を学習する。最後に、自分の属する社会、日本の立ち位置を学習することで、日本社会の特色と国際社会における長所を認識し、国際社会で生き抜くための拠り所になる「誇り」を身に着けることができる。

達成目標 まず、学ぶという活動の意義を自覚し、あらためて自分たちの住む環境と風土を知ることで、日本人の特性とアジアにおける役割を認識するきっかけとする。
 また、自分たちを育んでくれた環境の変化とそれに対する行動の必要性を理解する。さらに、自分の健康を支える食物と腸の役割を腸内環境の観点から認識する。また、伝統的な発酵食品の役割も併せて理解する。人と動物の健康を守るためには、いかに適切な食物を確保する必要があるかを理解しておく。
 身近な科学する心の必要性について、自分で考える機会を確保すること。
 外国人に日本の風土と歴史を正しく伝えることで、より親密なコミュニケーション力を身に着けさせる。
キーワード 学ぶ、地球、生命、進化、風土、食物、免疫
成績評価(合格基準60点) 成績は講義期間中に実施するミニテストあるいはレポートの結果40%、最終評価試験60%により成績評価する。総計で60%以上を合格とする。
関連科目
教科書 人はなぜ学ばなければならないか/斎藤孝/実業の日本社/ISBN978-4-408-45618-8 C0237:地球・生命-138億年の進化/谷合稔/SBクリエイティブ/ISBN978-4-7973-5101-9 C0240:免疫力をアップする科学/藤田紘一郎/ソフトバンク・クリエイティブ/ISBN978-4-408-7973-6414-9 C0247:日本人が教えたい新しい世界史/宮脇淳子/徳間書店/ISBN978-4-19-864173-3
参考書 骨が語る日本人の歴史/片山一道/筑摩書房/ISBN978-4-480-06831-6 C0245:神社に秘められた日本史の謎/新谷尚紀/洋泉社/ISBN978-4-8003-0536-7 C0221:歴史が遺してくれた日本人の誇り/谷沢永一/青春出版社/ISBN978-4-413-04494-3 C0221:日本人はなぜ「小さないのち」に感動するのか/呉善花/ワック/ISBN978-4-89831-695-5 C0234:アジア45ヵ国の国民性/造事務所/PHP研究所/ISBN978-4-569-76340-8 C0139:人の命は腸が9割/藤田紘一郎/ワニ・プラス/ISBN978-4-8470-6067-0 C0247:発酵食品礼賛/小泉武夫/文芸春秋/ISBN978-4-16-660076-2 C0277:「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪
/小川榮太郎/飛鳥新聞社/ISBN978-4-86410-574-3
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