キャッシュフローファイナンスの今後の展開を占うのは、現段階では困難ですが、私は,キャッシュフローファイナンスのすべての貸付先であるAH社の経営状態が鍵を握るのではと見ています。

ただ、このAH社は謎の会社で、会社名・財務情報とも公表していません。

財務情報は2018年1月1日付けのSL業界策定の自主規制ルールによれば、運営者に当たるAH社は、開示しなければならないのですが(下図参照)、いまだされていません。

また、今年1月にmaneoマーケットに問い合わせしたときも以下の回答がありました。

引用

先日maneoの自主規制ルールへの対応について回答をいただきましたが、今度は、maneoファミリーの自主規制ルールへの対応方針について回答していただきたいと思います。

maneoファミリーについては、maneoマーケットが第2種の正会員で、事業者がmaneoファミリー、運営者がmaneoファミリー(CFF,グリーンインフラレンディング、クラウドリース、プレリートファンド、アップルバンク等)の主要な貸付先であるグループ会社になり、事業者と運営者は財務情報の開示が必須になるという理解でよろしかったでしょうか?


(回答)
事業者(営業者)の財務情報につきましては、今後開示を行う方向で検討をしております。
※既に財務情報を開示している営業者もございます。

関係会社(運営者)に貸付を行う事業スキームのサービスにつきましても、借入人である関係会社の財務情報も開示を行う方向で検討をしております。



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引用

(私募の取扱い又は募集の取扱い等に係るモニタリング等) 

第7条 正会員は、事業者からファンド報告書が交付されたときは、遅滞なく、 ファンド報告書に基づく事業者及び運営者の出資対象事業の状況並びに事業 者による出資金及び運用財産(金銭に限る。以下同じ。)の分別管理の状況(第 3項及び次条において「出資対象事業の状況等」という。)について、別表5 に定めるところにより、確認を行わなければならない。

(別表5)第7条第1項に規定するモニタリング事項 1.分別管理の状況 例えば、ファンドの分別管理口座に係る通帳の写しやインターネットバンキ ングの取引履歴などに基づき、事業者において、固有資産との混在、出資金及 びファンド財産(金銭に限る。)が出資対象事業に関係のない者へ送金されて いないか、事業者の経費等への費消・流用などが生じていないかを確認する。

.事業者・運営者の財務状況(一の事業型ファンドの出資対象事業のみを行 う事業者の財務状況を除く。) 例えば、ファンド報告書、貸借対照表、損益計算書などに基づき、事業者 及び運営者において、その財務状況及び資金繰りの状況に事業継続が困難と なるおそれのある事項(債務超過、支払不能など)などがないかを確認する。

3 正会員は、次の各号に該当するときは、速やかに、事業者に対し調査を行 い、又は改善を求めるとともに、必要に応じて、顧客に通知しなければなら ない。 1 事業者がファンド報告書を交付しないとき 2 第1項の確認の結果、出資対象事業の状況等に不正又はその疑いが認めら れたとき 3 その他正会員が出資対象事業の状況等に不正又はその疑いを知ったとき



(私募又は募集に係るモニタリング等)

第8条 正会員は、その私募又は募集により取得させた事業型ファンドについ て、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。 1 各決算期に係るファンド報告書を作成し、顧客(対象除外顧客を除く。次 項において同じ。)に対して、交付すること 2 出資対象事業の状況等に不正又はその疑いを知ったときは、速やかに、調 査を行い、又は改善を図るとともに、必要に応じて、顧客に通知すること 

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このあたりの約束を未だ守っていないところからも、業界最大手でありながら、杜撰な経営体質であるmaneoマーケットの一端が窺えるかなと思います。

業界の自主規制ルール作りには、2017年から業界代表としてmaneoマーケットも参加していたのですが、金融庁に指摘されるまでは、「絵に描いた餅」状態だったと言われても仕方ないでしょう。

みんクレ問題を踏まえ、健全なSL業界作りのために業界代表として自主規制ルール策定に参加していたmaneoマーケットが、自らないがしろにしていたと言う状況は「お粗末」としかいいようがないですね。

この自主規制ルールに則った運営をしていれば、6月4日までGILの募集が続くことはなかったし、ガイアファンディングもキャッシュフローファインナンスの遅延ももっと早い段階で明るみに出ていたのではないでしょうか。

この自主規制ルールを読めばわかるように、正会員(二種業者)であるmaneoマーケットの役割は重大で、これを怠っていたのであれば、それ相応の賠償責任を負うのが筋だと個人的には思います。

話をキャッシュフローフィナンスに戻しますが、本尊であると思われるAH社(キャッシュフローファイナンスはただの資金調達係)が、ウイングトラストやJCサービスのように「死に体」状態の会社であれば、行く末は悲観的にならざるをえないし、そうでなければ信用不安払拭のためにAH社の財務情報を公表したらどうでしょうか?

そうしないと、投資家の疑心暗鬼状態は続き、リファイナンス資金の調達に四苦八苦すると思いますけどね。


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