小松未歩の「あなた色」という曲を聴いていた。
意外とこの曲、好きかもしれない。曲調が良い。
さて
強制退会前に少し打ち明けたことがあるが
おれは唯一後悔していることがある。
病におかされていた大杉勝男さんへ
野次と怒号を向けてしまったことだ。
1982年の6月頃から
大杉勝男さんは途中退場が多くなり
1983年もそれが著しかった。
せっかく大杉勝男を見に来たのに
出場しない。
出たかと思えば、途中でいなくなる。
そんな状況がなんとも腹が立ち
おれは1塁の守備に就いた、大杉さんへ
野次と怒号を浴びせたのだ。
「お前、表で待っとけ!」
と言い返してくるかと思いきや
大杉さんは
ファーストミットで自分の頭をポンポン叩いて
「悪い悪い」
という仕草と、何とも悲しげな表情を出していた。
その頃
もう病に蝕まれていたのだとか。
あとでその事を知ったおれは
ひょんなことから、張本勲さんの親類と知り合い
張本勲さんの親類の結婚式に出席した。
そこに張本勲さんがおられた。(この話もしたとおもう)
大杉勝男さんの話を聞いたり
野次のことにたいして、イチローチというものが
申し訳ないと言っていたと、何卒お伝えください
と張本勲さんに話した。
でもおれは結局最後の最後まで
大杉勝男さんには会うことなく
直に謝罪を伝えることはできなかった。
今でも
本当に申し訳ないことをしたという
大杉勝男さんへの思いが消えない。