来年4月、消費税率は8%から10%に引き上げられる予定です。ところが、景気の先行き不安を理由に、安倍晋三首相は引き上げを先送りするのではないかという観測が流れ始めました。
ところで、個人が国に支払う税金としては、毎月の給与などから支払う所得税も重要です。消費税と所得税は、どのような特徴があり、なぜ区別して徴収されているのでしょうか。
所得税は貧富の格差を軽くする効果がある
所得税は、所得の大きさに応じて支払う税金です。所得に税率をかけて税金の額を算出しており、日本では、所得が多いほど税率が高くなる累進課税を導入しています。なお、所得税は税金を負担する個人が政府などに直接支払う税金なので「直接税」と呼ばれています。
所得税のメリットは、高額所得者から多くの税金を集め、低所得者からは税金を集めない、という柔軟な対応ができることです。これにより、貧富の格差を是正することができます。特に、消費税が貧しい人からも税金を集めてしまうのと比較すると、そのメリットは重要です。
所得税は累進課税なので景気の変動に大きく左右されます。例えば給与が200万円から400万円へと2倍になったとき、所得税は4万4000円から13万500円へと3倍以上に増えます(扶養家族などがいない場合)。もちろん、その逆も起こり得ます。景気が悪くなって人々の給与が減っても、税金が軽くなって手取り額の落ち込みを防ぎ、景気の下支えになるというメリットがあるわけです。
消費税は、働く意欲を阻害せず、脱税も難しい
一方、消費税は買い物などの支出に対して支払う税金です。基本的に税率は一律で、今の日本では8%になっています。消費税は商品の代金などを支払うときに、店などに支払っていますが、店やその取引先を通じて、最終的には、政府に納付される仕組みになっています。税金を負担する人(消費者)と、税金を政府に納める人(売り手)が異なる税のことを「間接税」と言います。
では、所得税と比較した場合、消費税のメリットや特徴は何でしょうか。
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