『男色比翼鳥』巻1の2の続きだよ♪
奥村幸手軒の女色ディスりトークの続きだよ!
【翻刻】
来(き)し中に素盞烏尊(そさのをのミこと)と申て好色すき神あそこ爰
にてふらちたら/゛\ついにどらをうち出雲國迄うろ
たへ給ふ是宿なしのはじまりぞかしされば爰にいなた
といへるぬれ娘尊(ミこと)に出合ひつたりとした恋よりこの
かた女色めつたにさかんに成かなしきかなや衆道すたつ
て當流のなげしまだ梅花の油くさき色にほだされ
くれないの内具(ゆく)によだれをたらし遊女(ゆうによ)夜女(よたか)にあたら
銭金なくすのミ生れつかぬ鼻(はな)かけと成殊赤子(あかこ)のな
き聲(こへ)かしましく取あげばゝなこうとかゝもうるさく
そのうへ世界のついへよめ入の道具葛籠(つゝら)長持親
のやつかいと成情なや娘持たる者大かた身躰(しんだい)くひ
つぶされ三四年のうちふうふかけむかいと成手づから
※赤字が前回のくずし字クイズの答えです。
【現代語表記】
来(き)し中に、素戔嗚尊(そさのおのみこと)と申して好色好き神、あそこ爰(ここ)にて不埒(ふらち)だらだら。
終(つい)に銅鑼(どら)を打ち、出雲国迄狼狽(うろた)え給う。
是宿無しの始まりぞかし。
されば爰に稲田(いなだ)と言える濡れ娘、尊(みこと)に出合い、びったりとした恋よりこの方、女色滅多に盛んに成る。
悲しきかなや、衆道廃(すた)って当流の投げ島田、梅花の油臭き色に絆(ほだ)され、紅(くれない)の内具[湯具](ゆぐ)に涎(よだれ)を垂らし、遊女(ゆうにょ)夜女[夜鷹](よたか)に可惜(あたら)銭金無くすのみ。
生まれ付かぬ鼻(はな)欠けと成る。
殊に赤子(あかご)の泣き声(ごえ)姦(かしま)しく、取り上げ婆、仲人嬶(なこうどかか)も煩(うるさ)く、その上世界の費(つい)え、嫁入りの道具、葛籠(つづら)、長持、親の厄介(やっかい)と成る。
情けなや、娘持ちたる者、大方身体(しんだい)食い潰され、三、四年の内、夫婦掛け向いと成る。
手ずから
【さっくり現代語訳】
[男女の神が]出てきました。
その中の素戔嗚尊(すさのおのみこと)という好色な神は、あちらこちらで遊興にふけり、とうとう財産を使い果たしてしまい、天界を追われて人間界の出雲国までウロウロとやって来たのでした。
これがホームレスの始まりだとか。
ここで稲田という色っぽい娘が素戔嗚尊と出会い、熱烈な恋に落ちた時から、残念ながら女色が盛んになったのです。
悲しいことに男色が廃れて、男どもは、流行の投げ島田[女性の髪形]や、臭い梅花の油[女性の整髪料]に翻弄されて、赤い腰巻を見てヨダレを垂らし、遊女や夜鷹[夜、路上で客を引いた売春婦]にお金を無駄に捨てるようになりました。
そして、梅毒にかかって鼻が落ちてしまうのです。
男女が交わるようになったせいで赤ちゃんが出来て生まれ、その泣き声がやかましく、産婆や仲人女がギャーギャー結婚の世話を焼くようになります。
嫁入り道具の葛籠や長持は親が用意しなければならず、大出費です。
情け容赦(ようしゃ)ないことに、娘を持っている親は、たいてい財産を食いつぶされ、使用人も雇えなくなり、夫婦二人きりの生活となってしまいまいます。
自分で
【解説】
今度はスサノオノミコトまで出して女色を非難しますが、全くのデタラメではなく、一応、それなりに史実はふまえて言ってるんですよねえ。
奥村幸手軒の女色ディスりはまだまだ止まりませんが、自分だって女性から生れて赤ん坊の頃もあったくせにね(笑)
次回予告とくずし字クイズ
またもやビッグネームが出てきましたね。。。
※長ったらしくなるので、一部、省略してあります。
三つ目コーナー
前回、不適切な発言がありましたので、今回、三つ目は出演を自粛する次第となりました。
今後このようなことがないよう、深くお詫び申しあげま
せん!
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