・さて、10月6日の午後ワタシは熊本にいるのでしょうか？
　いなきゃいけない予定なのですが、ほら、なにせ、
　台風25号というやつのうれしくない訪問のせいで、
　飛行機が「遅延欠航の可能性あり」らしいんです。
　ま、そのときになれば答えは出ているのですが、
　ぼくの予想では、元気に熊本に到着していると思います。
　なぜならば「それが俺だからさ」なんちゃったりして。

　熊本、水前寺成趣園能楽殿で、
　新作能「沖宮（おきのみや）」の公演があるのです。
　今年の2月に90歳で亡くなられた石牟礼道子さんの原作、
　志村ふくみさんが衣装をつくられた作品です。
　ぼくは、能の世界には馴染みがないのですが、
　今回は、客席のひとりになろうと決めていました。
　志村さんのところのみなさんが、
　この舞台の実現のために長い時間をかけ、
　丹精込めた衣装制作をされてきたのを知っているのでね。
　もともとが、石牟礼道子さんと志村ふくみさんの、
　個人的な約束の糸からはじまったものを、
　志村昌司さんやお弟子さんたちが、
　機を織るように織り上げてきたものです。
　すでに、雨天決行と決まったようですが、
　観る者にも、いつもとちがう緊張感があります。

　しかし、台風のせいで飛行機がどうにかしたら、
　ぼくは熊本ではなく東京で、犬と寝転んでいるでしょう。

・思っていることを、日記のように書いていたら、
　今年はほんとに災害の話ばかりになりそうです。
　結局、今日も台風25号のことを気にかけています。
　なんか、日本ばっかりいじめるなよと思いたくなりますが
　他の国でも、それはそれで大変なんでしょうね。
　多少なりとも元気な人間は、その元気を
　がまんして封じ込めないほうがいいと思います。
　北海道からのテレビ中継で、「北海道は元気です」と、
　現地の人たちがカメラに向かって声を出していました。
　「元気じゃないです」から、なにかをはじめるのは、
　けっこうむつかしいですものねー。
　先日、気仙沼の人たちとあらためて話したときも、
　やっぱり、そこらへんのテーマが多かったです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
熊本で、翌日、時間があったらどこへ行けばいいのかな。