石川記念会HITO病院(愛媛県四国中央市)は、AI音声認識システムを活用してリハビリテーション科の理学療法士などによる電子カルテの入力時間を約70%削減した。削減した時間で患者への医療サービスの向上につなげる。
「働き手の減少など地方の病院は多くの課題を抱えている」――。2018年10月4日に都内で開催した記者会見で、理事長の石川賀代氏は地方病院の置かれた苦しい現状を説明した。課題解決に向けて、業務用SNSの導入や医師へのタブレット端末の配布など「未来創出HITOプロジェクト」と名付けた業務効率化の取り組みを進めてきた。
音声認識システムの活用はプロジェクトの一環であり、2017年6月に導入検討を開始した。音声認識技術を手掛けるアドバンスト・メディアと共同でシステムの改良を進め、2018年5月から約60人のリハビリテーション科の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が本格的に利用を開始した。リハビリの結果などを音声でスマートフォンに入力するとテキストに変換され、入力ミスなどを事務員が修正した後に電子カルテに転送する。