さて、必要アイテムをそろえてセフィロトに突入したモモンガさんと、まどかです。
判った事が幾つか、限定ワールドセフィロトに侵入するためのコレクターアイテム10個ですが毎回消費制と言う事がわかりました。
一度侵入する度に超レアアイテムが永久消費です。一応ダブりもありますがこれはなかなか厳しい条件ではないでしょうか。
そして、セフィラは合計十の領域で構成された一つの独立世界、期間キャンペーン等で限定ワールドはホイホイと作られたので、独立世界と言っても割といっぱい見ましたが。
流石に通常ポップモンスターが天使系聖獣系モンスター100レベル以上が基本だとは思いませんでした。
「
「出るのは予想出来てましたけど潜在レベルが半端無いですね」
「ラストステージ以降の隠しダンジョンEXステージって感じですね」
「二人だけでどうにかできるレベルじゃないですよ、モモンガさん」
「いえ、方向性は神聖系、カルマ値は善ばかりみたいですから情報を正しく揃えて、対策を詳細に詰めれば不可能じゃないと思いますよ」
「うわぁ、さすモモです。」
本当ですかモモンガさん、出来ない事は言わないから本当なんですねモモンガさん、凄すぎるよ。
上位鑑定、生命の精髄、神の眼、星読み、等のスキルと魔法を駆使して情報取得に回します。
セフィロトが100レベル以上のモンスターの巣窟とわかった時点で私達の行動は偵察行動をメインにシフトしています。
時折アンデッドや下級天使を召喚して、先行、モンスターの戦術の変化を確認、倒せそうなモンスターや単独個体は地形を利用しつつ倒してドロップ品を明記していきます。
「いやぁ、ボス級強化ラッシュとはあの糞運営恐れ入りますね。」
「あ、でも、ドロップ品も上方修正気味?感覚的に5割増し位わりとレアっぽいの多いです。」
「ふふふ、天使系が大体強化されて、索敵半径がかなり広がっています、これは骨が折れますよ。」
「私は当然こっちにも居るだろうセフィラの十天使が怖いです。」
この流れから行くと多分LV160台ですもんね、地力差が酷いですよ。
神器級装備フルセットで+15LV、バフ特盛で+5弱LV、それでもレベル差40です。裏技でも使わないと単独のプレイヤースキルでどうにかするのは無理かと。いえ、たっちみーさん辺りなら何とかする気がしてなりませんが、あの方、強すぎて負ける姿が想像出来ない。
「モモンガさん、このワールドは拠点扱いみたいですよ」
「ええと、じゃぁ、攻略したらギルド拠点に出来るんですね」
「しかも、9つのワールドとは別で、ワールド=拠点扱いみたいです」
「世界一つにしてはちょっと規模はちいさいみたいですけどね」
「多分、この小世界唯一の拠点と言う事でギルド拠点にするとポイント3000あるんじゃ無いでしょうか?」
「初回クリアできたら3500ですか、それは凄いですね、……まぁ、もっとも」
「――我々にとっては意味は無いが」
「ナザリックの価値はポイントではないものね」
モモンガさんちょっとカッコいいポーズのロールプレイ。
有利不利ではないのですね、ナザリックはみんなで築いた思い出の塊ですから。
でも、此処をクリアできてもみすみす放棄するのはちょっともったいない私でした。
いえ、この高難易度フィールドクリアできたらの話なので採らぬ狸さんですね。
・
・
・
はい、まどかです。
現在セフィロトに突入してから6時間が経過しました。
「あのーモモンガさん時間大丈夫ですか?」
「あ、今日は、お休みなんですよ」
「ああ、道理でゆっくりしてると思いました。」
「まどかさんの方は大丈夫ですか?」
「(*´ω`*)えへへ、私もモモンガさんといっぱい遊ぼうと思って、休みです」
「(*^-^*)」
他愛無い会話をしながら休憩中です。この時点で大雑把なセフィロトの調査は終了しています。
世界の大きさは通常ワールドの約四分の一、セフィロトの樹に代表するセフィラが十一のエリアとして分かれていて各エリアには重要拠点とそれぞれのエリアに繋がる道が最低三つ。
モンスターや採取ドロップは軒並み上方修正されていて大体連続100回で平均値をとった所、低位アイテムが削除されて、一つ繰り上げでドロップ品の質が上がっています。
モンスターは当初の予想通り、天使系のカルマ値善に偏った分布。セフィラ毎に対応したワールドエネミーが常駐
天使系はセラフ級以下は皆100レベルで統一されてます。善のフィールドと言うホームグラウンドによる、地形効果扱いっぽいですけど、頭おかしいです。
セラフ級以上は100以上130以下がランダム、セフィラの十天使は160。
此処までは誰でも時間をかければ調査できると思います。
「さて、後は閉じた
「うーん、たぶんセフィロトの道順に十天使を倒すんじゃないかなぁ?」
「順番が問題ですね、まぁ予想が間違ってる可能性もありますが」
「こういう時、タブラさんやウルベルトさんが居たらよかったのに」
「俺もまどかさんも謎解き苦手ですもんね。」
「応用力からっきしでごめんなさい。」
あーでもないこーでもないと時間が過ぎていく。日を改めたり、もっと時間をかければ、謎も解けると思うけれど
私達には時間が無い、お休みには期限があるのだ。
ちなみに、この時点で私達は本来の目的はすっかり忘れています。探索とかクリア方法を模索する冒険の方が楽しくなってたんですね、久しぶりでしたし。
本来の目的の資金稼ぎとしては大量でした。ガンガン倒して採取もやりましたから!
ともあれ、うっかり目的を忘れた私達は自力の限界を悟り此処で、ジョーカーをきったのです!
「モモンガさん、助っ人を呼んでいいですか?」
「助っ人、ですか」
「はい、昔ぷにっと萌えさんに紹介して貰った方で、謎解きならタブラさんにも勝るそうですよ」
「ほほう、ぷにっと萌えさんの……。」
AOGメンバーの知り合いと言う事でモモンガさんの感触も悪くないみたいですね。
ユグドラシルではプレイヤーは潜在的というかあからさまに敵対した感じになって居ますので
やっぱり、すでに知り合いとか異形種プレイヤーだとか、ワンクッションあると、話がスムーズですね。
まぁ、異形種同士でも中の人がプレイヤーである以上、思想の相異や、性格の不一致、感情面の問題で敵対する場合は多々あるのですけれど。
「でも、直接の関係者では無い以上、ただで力を貸してくれる訳ではないです」
「まぁ、道理ですね、で、対価はどうするんです?」
「この未知のワールドの詳細調査権です」
「えー、その、対価ですかね、それ、というか対価になるんですか?」
(*^-^*)のアイコンで応えると、モモンガさんはちょっと尖った顎に人差し指と親指を当てる。
それはちょっとタイム的な短い時間です。実際、ちょっとだけ思考をくるくる回していたのだろう。
それはそれとして、なんか仕草が可愛く見えます。身内びいきですか?そうですか、それでも良いですよ。モモちゃんは皆のヒロインですから、えへんぷい。
「……なるほど、俺の予想が正しければ、その助っ人はワールドサーチャーズのメンバーなのですね?」
「はい♪」
ワールドサーチャーズは情報を扱わせたらユグドラシル最高のギルドです。
その新発見の数々は正に偉業と言っていいでしょう、私達が今日組み合わせて来た、最適解な職業ビルドやレアアイテムの組み合わせ、新しい発想のヒントとかなんかも、このギルドが発表した情報による所が3割くらいあります。
新しい発見の為のクラス構成をしている人ばかりのギルドでもありまして、かわりに戦闘力はそれほど高くないギルドでもあるのですが。
ギルドランクはそれでいてユグドラシル第2位です、その功績推して知るべしなのですね。
「……だめかな?」
「あはははは、いえ、まどかさんの紹介なら否定する理由は無いと思います。」
・れっつまきまき
そんな訳で、サーチャーズさんに連絡を取りました。
初めまして、おひさしぶりです、此方こその挨拶で始まりまして、報酬の提示前に、その場所の調査をさせてくださいおねがいします。とジャンピング土下座で即答されてモモンガさんが戸惑ったりとイベントがありましたが割愛します。
ちなみに、最終クリア地点で
最後は力押しですというか今まで倒した
単純な火力戦闘では押し負けること極まりないです、少なくとも二人では普通なら無理です無理の無理無理です。
消費アイテムはもちろんの事、湯水の様に消費され。
モモンガさんの『
……さよなら私の諭吉さん達……。
「何とか、勝てました、ね」
「でも、出費が凄い事になっちゃったんですけど……」
「おや、終わりましたか、おめでとうございます」
戦闘終了後二人でぐったりしていると、おっとり刀で眼鏡をかけた人間の男性、サーチャーズの賢者さんがやってきました。
名前が『賢者』です。他意はあるようで無いようなメタ的に言うとオマージュらしいです。
人間種の魔法職で戦闘よりも索敵と解析に特化した方ですね、レベル100あっても一級の戦場では役に立たないビルドだそうで、今回の戦闘には参加しておりません。
ユグドラシルは色んな所に拘りが詰め込まれたゲームですが、アバターの表情とか味覚とか嗅覚等オミットされた部分も多々あります。
賢者さんの表情は柔和な微笑で固定されていますが、それでも隠し切れない喜色が声からにじんでます。凄くラスボスになりそうです。
印象の話で実際は新しい未知を知る事への喜びがあふれてるらしいです、ラスボスにはなりません。
さて荘厳なエフェクトとBGMと共に最後のセフィラであるダァトへの道が開かれます、感無量ですね。
でも直ぐには向かいません、ラスボスの後にさらに裏ボスが控えてたりするのがユグドラシルです。運営は容赦無いのです。
なのでとりあえず、戦力の整えが大事。うっかりモモンガさんに通常回復魔法をかけてトドメを刺し掛けたのは私とモモンガさんの秘密にしつつ、最後に戦利品を確認、ドロップ品の中にダンジョンクリアに必要な重要アイテムが紛れ込んでると言うのも良くある話。
ワールドエネミー10体分のドロップ品は流石に高レアリティな色々なデータクリスタルに満ちていました。後でゴッズアイテムの強化が楽しみです。
ログを確かめていると見覚えの無い情報を見かけました。
「モモンガさん『上位クラス、セフィラーの十天使の情報が解放されました。』だそうですよ」
「ほぅ?ワールドエネミーの名を冠するクラスですか、ボス職と言うのは在るとは言われていましたが、実際に聞くのは初めてです、興味深い」
「獲得条件の一つが最上位天使種族である事ですから、まどかさんにしか意味が無いですね」
くいくいと眼鏡を触りながら賢者さんが話に割り込んできます。いえ、良いんですが、ちょっと勢い込み過ぎて引いちゃうんですけど。
獲得条件は
「大体獲得条件揃ってませんかまどかさん?」
「でも、私、今レベル100ですから一度リセットしないと……」
「いえ、取れるかもしれませんよ?」
え?とモモンガさんと異口同音。
見れば賢者さんが眼鏡をきらりと光らせています。
「セフィロトも世界樹の一種、で、あるならば、私の予想が正しければ可能です。」
オマージュです。(強弁)
ワタシ、デモンべインダイスキー。
ワールドエネミーが弱すぎる気がしますが、この話ではなんか色々とモモンガさんが鬼謀神算を練ったんだよ。
具体的な内容?私に書けると思われるか?