米国集中投資と分散投資
株式に関しては米国集中投資が良いです。理由があります。
- 成長性
- 法整備
この2つです。成長性というのは、国自体の成長と、企業の成長を意味します。
法整備というのは、収益の上がらない企業の退場システム、活発な自社株買いを後押しする制度、情報開示、近年ではおよそ20%まで下がった法人税率なども含まれます。
これらが背景となり、米国の経済成長に沿った米国株式指数の成長が実現されています。集中投資にしろ、分散投資にしろ、米国株を含まないというのは株式投資においては考えにくい時代になりつつあります。
分散投資は意味がないのか。
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ただ、すべての資産を米国株に集中させるというのは少々難易度が高いです。あくまで私が主張するところの米国集中投資というのは、「株式に関しては米国株が効率的で良い」ということを意味にするにすぎません。
私は分散は以下のようなものにしたほうが良いと考えます。
- 不動産や太陽光
- 債券
- リート
- (貴金属など)
このようなものです。
不動産や太陽光といった、実物の国内資産は融資という名のレバレッジが利かせやすいです。金融機関から融資が引けるからです。そのため、投資するに当たっての妥当性があると考えます。また、流動性が低いため相対取引特有のアービトラージが発生することもあります。
これらに法人で取り組めば、経費で再投資をし、節税と複利のような効果が生まれることになります。
一例を示すと、不動産投資にあたっての管理費、あるいは修繕費、太陽光の草刈り、さらには利息、それに関係する交際費が経費として計算できます。ある意味では収益性を上げるための再投資のような面があります。
また債券やリートといったペーパーアセットも資産額が大きくなれば魅力を増します。リターンの大きさもさることがら、同時にディフェンシブさも意識するようになるからです。
株式はもちろん、リートや債券、商品先物に関わる金融商品の多さ、質の高さは米国市場の魅力を増すものになっています。例えば原油高だから原油市場連動ETFを買いたい。例えばトルコの政情が落ち着いてきたように見えるからトルコETFを買いたい。
こういう細かなスポット的なニーズに応えられるのは米国市場において他にありません。指数へのトラッキングの正確さ、流動性の高さという目線で見ると、米国一択になってきます。
米国集中投資というのは、米国株だけを買い続けるという意味ではありません。
- 米国市場へのアクセスを活かした適切な金融商品の購入
- 国内資産を活用した経費と再投資の関係の構築
こういうスパイスを効かせると、資産運用がよりカンタンになるということですね。そのため、私たちは常に広い視野を持ち、柔軟に時代に応じて投資先を選択していくというのが要諦だと思います。
米国集中投資、国際分散投資の意味
はじめまして。
最近、たぱぞうさんの存在を知り、ブログを拝読させていただいております。分散投資とは何かを考えながらも、なかなか結論を見出せずにいる投資初心者です。唐突ではありますが、ご意見を伺ってみたいと思い、メールしました。
私は毎年、友人の住むアメリカに行っております。友人が長く投資をしていることは知っておりましたが、自分が無知だったため、当然話題になることもありませんでした。
しかし、今年は例年と異なり、私がインデックス投資を始めたことを告げると滞在中の話題の中心は投資がテーマになり、その大半は米国株に関するものでした。
友人は米国個別株とバンガードETFのVTIとVOOを保有。対して初心者の私は全世界株式とVTIに連動するファンドを保有しています。議論は投資の分散に対する考え方にまで及びました。
友人の結論は至ってシンプルで、少額投資ましてや初心者だからこそ米国株ファンドを選ぶだけで十分だと強調。20年の投資経験で得た成果を聞いてみても、その真意は何となく理解できたように感じています。
帰国の際、手紙をもらったのですが、私へのアドバイスとして具体的な内容が記されておりました。
- 楽天全米株式
- emaxis slim S&P500
- Ifree NYダウ
上記ファンドで各々がどのような値動きになるのかチェックしてみる→最終的に1・2のどちらかを選ぶ可能性が高いが、あとはいかなる状況でも投資できるよう、自身の積立ルールを確立する(常にコスト等も検証しながら自分の最適解を考える。バンガードETFは最適解)→日本で米国株に関する知識を得るには、このブログは勉強するのに最適だ→●●●。併せて投資関連本を読んで知識を蓄える。
との事でした。ちなみに●●●の部分はURLが記されています。
帰国後、早速開いてみるとその中身は…
たぱぞうさんとバフェット太郎さんのブログアドレスでした。
上記の流れもあり、問い合わせさせていただいた次第です。
たぱぞうさんが全世界株の分散ではなく、米国株を主体としている理由や分散に対する考え方を是非お聞かせいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
米国集中投資の真意
米国集中投資の真意についてです。これは米国株のみへの投資を意味するものではないことは申し上げたとおりです。
- 米国株の安定した成長性
- 株式の価値を高めるための法整備
- 優れた金融商品へのアクセス
こういう魅力があるのが米国株であり、米国市場ということですね。
資産の分散はすべきですが、株式部分に関しては私は必要ないと思っています。業績の良い株式などはADRで米国に上場してきますし、VTIなどのETFであればそれらを組み入れてきます。
とは言え、2017年のペーパーアセットのリターンでみると、新興国株式は最も優れていました。実際、私もインドネシア、ロシア、トルコ、などなど時宜に応じて様々な国に投資をしています。つまり、コアになる投資を決めておき、柔軟に対応していくということですね。
また、不動産や太陽光の物件は今も見ていますし、良いものがあれば買うつもりでいます。
米国以外の先進国や新興国へも投資をしたい。そういう思いがあるならばVTという選択になるのでしょうね。国際分散投資であるVT、あるいは先進国への分散投資であるMSCIコクサイ連動商品というのは人気があります。一般的には投資の王道は国際分散投資です。
このパフォーマンスの成果がどうなるのか。私は株式に関する限り、米国株が最も安定的で長期で優れると思っています。その中でも再現性の高い商品はVTIやS&P500連動の商品ということです。
いずれにせよ、投資はストーリーです。自分がどのようなストーリーを描いて投資をしていくかということですから、いろいろな方の意見に耳を傾け、自分のストーリーを練り上げていくと良いと思いますよ。
核心に迫るご質問ありがとうございました。
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米国株投資の幅広さ、競争を促すためにも証券会社の米国株業界の新規参入は欠かせないところですね。
リスクリターンでみると、外国株式は為替の影響を受けますので、リスク(ばらつき)は大きめです。しかし、ドルベースで考えればばらつきは比較的気にならなくなります。
新興国の成長性は魅力であり、投資先としても有望です。インド・中国・インドネシアといったスケールも備えた成長国の経済動向には注目したいところです。ただし、独特の難しさもあります。