インド、ロヒンギャ7人をミャンマーに強制送還 国連の警告無視
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【10月5日 AFP】インドは4日、国連(UN)の警告を無視してイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の男性7人をミャンマーに強制送還した。国連は、国軍がロヒンギャに対する「ジェノサイド(大量虐殺)」を行っているとされるミャンマーに7人を送還すれば、迫害を受ける恐れがあると警鐘を鳴らしていた。
入国法違反の罪で2012年から身柄を拘束されていたこの7人は、インド北東部マニプール(Manipur)州の国境検問所で、ミャンマー当局に引き渡された。
7人の強制送還を阻止するためインド最高裁に不服が申し立てられていたが、最高裁は4日、これを却下し、ロヒンギャを不法移民とする判断を支持した。
人権団体フォーティファイ・ライツ(Fortify Rights)のジョン・クインリー3世(John Quinley III)氏は、ロヒンギャ7人をミャンマーに強制送還するとしたインドの決定について、「残酷で、命を拷問などの迫害や死の危険にさらす恐れがある」と指摘した。
インド政府は過激派組織とのつながりを理由に、ロヒンギャを安全保障上の脅威と位置づけている。政府は昨年、4万人と推定する国内のロヒンギャ全員の国外退去を命じた。
最高裁は、政府の国外退去命令を違憲とする申し立てを審議している。
国連は、インド国内に登録されたロヒンギャの数を1万6000人としている。(c)AFP