元横綱日馬富士(34)の傷害事件を巡り、被害者の貴ノ岩(28)=千賀ノ浦は4日、慰謝料など約2400万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。代理人の佐藤歳二弁護士らが記者会見して明らかにした。
代理人によると入院治療費や慰謝料、事件がなければ得られた給与や懸賞金、巡業手当などを請求した。昨年暮れに元日馬富士側から示談の申し入れがあり交渉を進めたが決裂。今年8月、東京簡裁に民事調停を申し立て、これも不調に終わったため提訴した。元日馬富士側は30万円や50万円の支払いを提示したという。
元日馬富士は昨年11月、事件の責任を取って引退。昨年12月に傷害罪で略式起訴され、罰金50万円を納付した。起訴内容などによると、秋巡業中の昨年10月26日未明、鳥取市内にあるラウンジの個室で、貴ノ岩をカラオケのリモコンで殴るなどし、約12日間のけがをさせたとしている。
佐藤弁護士は会見で「貴ノ岩は当初、引退も考えた。相手側とは根本的に考え方が違った」と話した。