巨人は菅野が今季8度目の完封で、リーグトップに並ぶ15勝目を挙げた。打線は5回に岡本の適時打で1点を先制し、6回に菅野のスクイズで加点。8回には阿部、長野の連続本塁打で突き放した。広島は散発4安打に抑え込まれた。
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今季限りでの辞任公表から一夜明けた巨人・高橋由伸監督(43)が4日、広島戦前のミーティングで、ナインやスタッフに自ら身を引く意思を初めて報告。涙を流す場面もあった。
無念さや当惑。あふれた感情で涙が頬を伝う。高橋監督の言葉は、一部のナインがたどった記憶を総合すると、こんな内容だった。
「悔しいけれど、現実はこうなっている。それから目を背けることはできない。できることは、残り2試合を戦うことしかない」
静まり返ったマツダスタジアムの一室に響く、青年監督からのメッセージだった。
選手のミス、審判への抗議でも感情をあまり表に出さない高橋監督の涙。ナインが燃えないわけがない。先制打は指揮官が我慢強く起用してきた岡本だった。
「残り2試合頑張るしかないです。インコースのボールをうまく弾き返せました」。5回2死一、二塁で広島先発・野村から中前適時打。高橋監督が第89代4番に据えた22歳の一打だった。
チームは8回に阿部の通算399号となる11号ソロ、長野の13号ソロで広島を突き放した。CS進出が合言葉。ナインが一丸となって、指揮官の涙に応えた。 (川本光憲)