(cache)RIAA、「防弾ホスティング」に政治的圧力をかけるべく「悪名高い市場」リストへの掲載を要請

TorrentFreak
RIAAは、海賊版サイトのシャットダウンを困難にする「防弾」ホスティングプロバイダの存在に警戒感を強め、Ecatel、Quasi Networks、FlokiNETを始めとする防弾ホスティングを、米政府が公表する「悪名高い市場」年次報告書に掲載するよう提案している。

今週、RIAAは他の著作権業界団体とともに、米国通商代表（USTR）に「悪名高い市場」の概要を提出した。

RIAAは、ストリームリッピング、MP3ダウンロード、検索ポータル、トレントインデックスサイト、サイバーロッカー、無許諾ダウンロードサイトに分類された20以上の海賊版サイトの名前を挙げている。

本稿末尾に示す通り、その大半は昨年と同じであるが、今年から新たに「防弾」ホスティングプロバイダが加わった。

こうしたホスティング会社は、極めて寛容なポリシーによって顧客の情報を保護していることもあり、スマパーや詐欺師、海賊版サイトに利用されている。防弾ホスティング自体は目新しいものではないのだが、RIAAはこれを新たな脅威と位置づけている。

「侵害サイトが侵害活動を支援するオフショア・ホスティングISPに向かう傾向が強まっている」とRIAAはUSTRに報告している。

「これら『防弾』ISPは、ネットワークを通じてアップロードおよび配布を許可するコンテンツの種類に相当な寛容性を備えることで、さまざまな犯罪行為を支援している」

こうした企業が問題なのは明白だ。理想を言えば、著作権者は防弾ホスティングに露骨な侵害サイトをシャットダウンしてほしいのだろうが、それ以前の問題として、この手のプロバイダは警告や侵害通知に対応することすらない。

RIAAは、なかでも2つの防弾ホスティングを強調している。1つは、Ecatel/Quasi Networksで、両社は密接につながっていると見られている。いずれの企業も、法執行機関にはよく知られた存在で、昨年には海賊版対策団体のBREINから訴訟を起こされている。

Quasi Networksは、dbr.ee、xclusivejams、nippyspace、mp3monkey.net、gosongs、leakth.isといったリリース前の流出作品を配信する複数のサイトをホスティングしている。

RIAAは、「EcatelとQuasiから侵害を取り除く手段はほとんどなく、両社がメンバー企業に重大な危険をもたらしている」と指摘している。

もう1つの防弾ホスティングプロバイダは、ルーマニア、アイスランド、フィンランドにサーバを置くFlokiNETだ。RIAAは先日、同ホストがプレリリース・リークサイトのmusicmafia.toのレジスタントとして登録されていること（おそらく顧客を保護するため）を明らかにした。その後まもなく、musicmafia.toは消え去った。

FlokiNETはウェブサイト上で、（訳註：防弾ホスティングの利用にあたり）顧客の個人情報を共有する必要はないと謳う。

「その結果、FlokiNETは獣姦サイトや詐欺サイトなど多種多様なウェブサイトをホストしている。ほかにもavxhome.se、djnotorioussam.com、x1337.toといった侵害サイトをFlokiNetはホストしている」

「FlokiNETの運営者は当局にも知られており、ルーマニア在住であることもわかっている。現在のところ、サービスを終了するための措置は取られていない」とRIAAは付け加えた。

RIAAは防弾ホスティングサービス以外の動向も指摘している。この1年の間に、ナイジェリア人がホストする海賊版サイトが急増していることが確認されたのだという。その数は400を超え、大半がナイジェリアで運営されるspeedhost247.comにホストされているという。

RIAAは、これらサイトと企業を報告することで、USTRの悪名高い市場リストの最終版に掲載されることを望んでいる。つまり、それらが運営されている国々への政治的圧力としてのツールとして使用されることを望んでいるのだ。

以下に、RIAAが提出した「悪名高い」海賊版サイトのリストを掲載する。USTRに提出した書面はこちらから（PDF）。

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