連日盛り上がりを見せる、8月5日よりブラジルで開催中の4年に1度のスポーツの祭典「リオデジャネイロ・オリンピック2016」。「商業的」として批判を受けることもあるが、オリンピックのスポンサーを務める企業が果たす役割が大きいのも確か。五輪スポンサーと言っても、その種類は沢山あるが、世界中で自社の製品とオリンピックを絡めたキャンペーンをすることが許されるのは、一業種から一社のみという狭き門になっている最高位のスポンサーである「トップ・パートナー(ワールドワイド・スポンサー)」のみ。国際オリンピック委員会と契約し、リオ五輪のトップ・パートナーとして公式スポンサーに就任している企業の数々をご紹介する。
コカ・コーラ
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世界的な飲料メーカーの米コカ・コーラは、1928年のアムステルダム・オリンピック以来、最高位のトップ・パートナーのひとつとして最も長く公式スポンサーに名を連ねており、オリンピックの幕開けであるビッグイベント・聖火リレーのスポンサーも務める。スポンサー契約は2020年まで延長されており、大会期間中の清涼飲料水の提供や、観戦以外でイベントを盛り上げる各種キャンペーンなどでサポートに取り組む。
Atos(アトス)
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2001年に国際オリンピック委員会(IOC)とグローバルスポンサー契約を結び、オフィシャルなIT(インフォメーションテクノロジー)パートナーに就いた、仏デジタルサービス企業のAtos(アトス)は、システムインテグレーションやシステムマネジメント関連の製品・サービスの側面から大会を支援する。国際オリンピック委員会(IOC)は2014年に同社とのパートナーシップ契約を2020年まで延長した。
ブリヂストン
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日本に本社を置く世界最大手の大手タイヤメーカーのブリヂストンは、2014年に国際オリンピック委員会(IOC)との間で、東京オリンピックを含む2024年夏季オリンピックまでの公式パートナー契約を締結。最高位スポンサーである公式トップ・パートナーとして、五輪期間中に主力製品のタイヤ・免振ゴム製品の提供や輸送サポート支援などを行い、五輪の場を自転車などのブランド戦略で最大限に活用する意向。
ダウ(Dow)
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2010年よりオリンピックのワールドワイド・パートナーに就いたザ・ダウ(Dow)・ケミカル・カンパニー。2020年の東京五輪でのスポンサードも契約に含まれる。ダウは五輪の公式な「ケミストリー・カンパニー(科学会社)」として、エネルギー効率化技術や地球環境への影響を考慮した製品やサービスなどをホスト都市に対して提供する。
ゼネラル・エレクトリック(GE)
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世界最大のコングロマリット企業であり、その業務内容は驚くほど多岐にわたるゼネラル・エレクトリック(GE)は、2005年よりオリンピック公式スポンサーに就任、2020年の東京五輪も契約に含まれる。同社はエネルギー効率化技術、照明技術、水処理技術などを提供する約1000にも及ぶ五輪プロジェクトへのサポート・支援を行う。
マクドナルド
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1976年以降、最高位のトップ・パートナーとして五輪公式スポンサーを務める、世界最大級のファストフードチェーンのマクドナルドは2020年までスポンサーを継続することが決まっている。オリンピックが開催されるたびに、選手村にオープンした真新しいマクドナルドのブースが紹介されるのがおなじみの光景となるほど、オリンピックへのサポートへの認知度は高い。
オメガ(Omega)
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スイス生まれの高級時計メーカーのオメガ(Omega)は、1932年に開催されたロサンゼルス・オリンピック以来、トップ・パートナーとして大会の公式タイムキーパーの責を担う。2012年のロンドン五輪では、期間中に使用される大会公式の450種類・総計400トンにも及ぶタイム計測機器類を提供した。2020年東京五輪までスポンサー契約は継続している。
パナソニック
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大阪府に本社を置く日本の大手総合電機メーカーのパナソニックは、オリンピックの最高位パートナーであるトップ・パートナーとして、1988年のカルガリー大会からスポンサー契約を締結。2016年リオ五輪や、2020年の東京オリンピックを含めてパートナー契約を結んでいる。同社の強みを生かし、主な対象商品として最先端技術を搭載した映像・音響機器などをホスト都市に提供、選手村への白物家電の納入なども視野に入れ、幅広い五輪ビジネスに挑む。
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)
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ヘルスケア製品全般を幅広く扱う米P&G社は、2012年ロンドンオリンピックでオリンピックの公式スポンサーに就任。2020年までスポンサーシップ契約を結んでおり、東京オリンピックまでのパートナーシップの一環として、世界中で若者向けスポーツプログラムへの支援や、オリンピック出場選手とそのお母さんを応援するキャンペーンを全世界で展開する予定で、その費用として2500万ドル(約25億円)を調達する計画を発表している。
サムスン
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世界中でスマートフォンなどの高いシェアを持つ韓国の大手家電メーカー、サムスン電子は1998年の長野冬季五輪から公式スポンサーを務める。おもに五輪開催時のコミュニケーションプラットフォーム構築をサポートし、競技の最新結果情報などを世界に発信する支援をグローバルで行う。
トヨタ自動車
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2015年、日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車は、五輪スポンサーとして最高位のトップ・パートナーとして、東京オリンピックを含む2024年まで国際オリンピック委員会(IOC)と契約を結んだ。米コカ・コーラなど世界有数企業が名を連ねる同契約だが、自動車メーカーの就任は初めてとなった。2020年に開催される自国開催される東京五輪を最高の舞台と考え、同社が推進する燃料電池車(FCV)や、高度道路交通システムなど先進技術をアピールする好機ととらえる。
Visa(ビザ)
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1986年よりワールドワイド・オリンピック・パートナーに就いている、米カリフォルニアに本拠を置くクレジットカード・保険サービス業などを営む国際ブランドのVisa(ビザ)は、2020年までの契約を結んでいる。大会期間中は競技会場内において、唯一使用可能なクレジットカードとされており、VISAカード以外は使用できなくなっている。