デカすぎるメニュー。なぜこんなものを提供するに至ったのか
デカ盛り天国と呼ばれる沖縄。
多少のデカ盛りでは驚かなくなってくるのだが、想像を超えてくるほどのデカ盛りを提供してくるお店が存在する。そういうお店はいったい何を考えてデカ盛りを提供しているのか。店主に話を聞いてきた。
大阪出身。沖縄に流れ着いて10年ぐらい。「ぱちめかす」という沖縄方言が、やることと響きのギャップがあって好き。
前の記事:「アムラー油に、巨大壁面写真!?沖縄のアムロ愛が止まらない」 人気記事:「沖縄で4年に1度開催される親族対抗オリンピック」 沖縄デカ盛り天国以前、「やっぱりパンがでかい」の記事でも紹介されていたが、沖縄はでかいものが多い。
パンもでかいし、ぜんざい(かき氷)もでかいし、もちろん沖縄そばもでかい。 そう、沖縄は大食いの人が喜ぶデカ盛り天国なのだ。 沖縄そばがでかい
タコライスもでかい
パンもでかい
デカ盛りを提供するお店にやってきたやって来たのは沖縄市の与儀にある『まーさむん処 大黒食堂』さん。
2017年にオープンした新しいお店だ。 看板の横にはおすすめメニューとして、沖縄では定番の黄色いカレー、そしてチキチキ定食の写真がある。
外から見ただけではデカ盛り感はない。 メニュー
手頃な価格でたくさんのメニューがある
馬刺しも
そして大量メガ盛りメニューは4品
メニューの最後に大量メガ盛りメニューがあり、ひときわ大きそうなのが今回食べに来た「大黒宝舟」。
刺身が乗っていない舟盛りを初めて見た
大黒宝舟は1500円。
舟から溢れ出すおかずに気後れしそうになってしまうが、なんと舟盛りは2段になっているとか。 軽い口調でお楽しみッッ!!とあるが、食べられるかを考えると楽しみよりも不安が勝つ。 お店のお姉さんに大黒宝舟を注文する。驚かれると思ったが、わりとあっさりと厨房に帰ってしまった。
待っている間に、後から入って来たおじさんが沖縄そばを注文し食べ終わって出て行った。 時計を見ていなかったのでどれぐらい待ったかはわからないが、15分とか20分とかそれなりに待ったと思う(入店時間にもよると思うが)。 天井から視線を感じると思ったら猫の写真があった
しかし待ち時間も苦ではない。
意味もなく立ったり座ったり。天井を見上げたり。 どんなものが出てくるのかを想像したら、ワクワクするような、怖いような、なんだかアトラクションを待つ時間のようなのだ。 宝舟がやってきたーそしてついにやってきた、これが大黒宝舟だ!
ドンッ!
二段目がどうなっているのか開けてみると... 一面にライスー!そしてその上に揚げ物ーーー!
すでになかなか衝撃だが、内容をきちんと見ていこう。 1段目は揚げ物のオンパレード。
入っているのはポテトフライ、唐揚げ、竜田揚げ、チキン南蛮、コールスロー。 2段目は、船底一面にライス、そしてその上に目玉焼き、かき揚げ、ポーク、魚フライ。
正直目だけでお腹いっぱいになりそうだが食べよう。
しかし絶対にひとりでは食べられないと思ったので、お店の人の了承を得て夫と一緒に食べることに。 終わらないもぐもぐタイムひとまず一心不乱に食べる。強烈な見た目に忘れてしまいそうだが、どの揚げ物もふかふかしていて美味しい。
美味しい! 美味しい! でも食べても食べても全然減らない。 揚げ物とご飯ばかり食べていたら、そばがめっちゃ伸びてしまった。
10分後。早々にわたし脱落。いやもうちょっとは頑張るが、完食なんて絶対無理。
20分後。
時間はどんどんすぎるのに、減らない舟盛り、もはやはち切れている腹。 ああ、夫の動きが止まってしまった!
30分後。
めっちゃ食べたはずなのに、1段目はほとんど手をつけていないような不思議。 しかし、ついにやりとげた!
完食ー! というのは嘘で、白旗をあげて折箱に詰めた。
折箱ぎゅうぎゅうで4箱分に。めちゃくちゃ食べたはずなのに!(白目) ちなみに沖縄の食堂ではほとんどの場合、折箱が常備されている。お店の一角にあったり、お店の人に言えば出してもらえるので、食べられない分は持って帰ることができる。 我が家も今夜の夕飯ができた。今晩どころか明日も明後日も残ってそうだが。 デカ盛りの店は何を考えているのかこちらが、大黒食堂のオーナーの金城さん。何を考えてこんなデカ盛りメニューを提供しているのか伺った。
メガ盛りをはじめたのはいつからですか?
以前はメガ盛りはチャーハン、カレー、タコライスの3つだけだったんですけど最近メニューを変えて、大黒宝舟は今年の8月初旬からです。
大黒宝舟の反響はどうですか?
お店のポイントカードがあるんです。30個集まったらメニューから1品どれでも無料で提供しているんです。それで同級生がポイントが貯まったからと舟盛りを初めてオーダーしてくれて。その日は日曜日だったんですけど、他のお客さんがどよめきましたね(笑)
なぜ大黒宝舟を考え出したんですか?
お客さんの中で1だけ以前からの3つを制覇した人がいて。
この人にでかい顔をさせないように、と宝船を作りました。食べ放題のお店を出禁になるぐらいの人だから。宝舟はごはんだけで1キロあります。
なるほど、そんな理由だったんですね。
宝船は総量が3キロぐらいあるかもしれませんが、メガ盛り3種を制覇した人は宝舟も完食できたんでしょうか?
まだ来ていないんです。どっちが勝つか勝負ですね。
でももし食べられたらハワイに連れて行こうと思っています。 アメリカのじゃないですよ。民謡クラブハワイ。
ぐふ。
ああ、面白いのに苦しくて笑えません。 というわけで、「デカ盛りの店は何を考えてるのか」『大黒食堂』の理由は
「メガ盛り3種完食の常連さんにでかい顔をさせないため!」だった。
金城さんによると宝舟は何人でシェアしてもOKだそう。
しかし他のお客さんもいるので迷惑にならないように頼んでいただきたい。 それではごちそうさまでした。 まーさむん処 大黒食堂 沖縄県沖縄市与儀3-21-7 営業時間:11:00~看板のライトが消えるまで 定休日:月曜日、第4水曜日
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