30年後には積立金が枯渇か

年金激減に備えなければいけない理由

2018年10月5日(金)

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 公的年金積立金が2050年代に枯渇するとの試算が出てきた。積立金がゼロになれば、高齢者が受け取る年金額は激減。高齢者の生活を揺るがすことになる。

 今夏、ある試算が示された。2051年には国民年金の積立金、55年には厚生年金の積立金が枯渇する可能性がある──。西沢和彦・日本総合研究所主席研究員と中田大悟・創価大学准教授が示したものだ。

 政府は2110年度も積立金は残ると試算する。なぜ、ここまで差が出るのか。

年金はシニア世代の生活の支え(写真:坂本照/アフロ)

 まず、政府が試算の前提とする経済状況が実態から乖離(かいり)していることが大きい。物価上昇率や賃金上昇率、積立金の運用利回りなどが政府試算は楽観的なのだ。だが、今はデフレ環境下で、長引く景気低迷で賃金の上昇率も抑えられている。現実的な経済環境を踏まえれば、積立金の取り崩しペースはもっと速い。

 もし、積立金が枯渇するとどうなるか。

 年金は大まかにいって3つの財源がある。1つは現役世代からの保険料収入。2018年度予算では、高齢者へ支払われる約55兆円の年金給付額のうち、7割がこの現役世代の負担でまかなわれる。そして2割強が税金。残りが過去の公的年金の余剰資金からなる年金積立金で補う。

 つまり、この積立金がなくなれば、高齢者に“保証”していた年金の水準は大幅に下がる事になる。あるいは現役世代の保険料を引き上げるか税金投入額を増やすしかない。政府は年金額の水準を標準世帯(夫が40年間会社勤めで妻は専業主婦)で現役世代の月額収入の約50%が最低ラインとしている。だが、財源がなくなれば、この比率は大きく低下することは避けられない。

 単身で暮らす高齢者なら、月に数万円しか手にすることができない時代が来るかもしれないのだ。

 働き続けなければいけない理由は確かにある。

詳細は2018年10月8日号の「日経ビジネス」、「日経ビジネスDigital」で公開します。

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田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

吉岡 陽

吉岡 陽(よしおか・あきら)

日経ビジネス記者

2001年日経BP入社。日経ビジネス、日経エコロジー、日経トップリーダー、日経ビジネスアソシエを経て、現職。独自の強みを持つ中小ベンチャー企業や環境経営の取り組みなどを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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