6月に上場したが、株主から叱責を浴びた山田会長。窮地を切り抜けられるか

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 フリマアプリを運営するメルカリが開いた定時株主総会が炎上した。6月に華々しく上場したが、業績は赤字で株価は下落基調。議長の山田進太郎会長に対し、株主から「失望した」「(ソフトバンクグループの)孫正義社長のような力強いリーダーシップを期待していたのに」と追及や落胆の声が相次いだ。

 出席者によると、9月28日に東京ミッドタウンで開かれた総会では、同社が2018年6月期に70億円の最終赤字を計上、今期の業績予想や黒字転換の時期の見通しを示していないことに株主の批判が集中した。

 質疑応答で山田会長は「短期的な収益性より中長期的な成長を見据えた投資を行っている」とし、「日本でのメルカリ事業は黒字化しているが、海外事業や新規事業のために連結で赤字を予想している。現状、業績予想は困難で、開示できない」と説明した。

 しかし、株主からは「1年先を見通せないほど不安定な経営なのか」「希望でいいから来年の利益を話してほしい」と厳しい質問が飛び、会場からは拍手がわいた。

 株価は6月19日の上場初日に6000円まで急騰したが、9月には公開価格の3000円に迫る水準まで下げる場面もあった。別の株主からは「他の会社が株価数百円台まで落ち込んでいったことを彷彿とさせる」との指摘もあった。

 とはいえ、学生時代に「早稲田のビル・ゲイツ」と呼ばれたカリスマ経営者にはファンも多く、「『Go Bold(大胆にやろう)』という会長の言葉が好きだ」など好意的な質問も少なくなかった。別の株主の批判に「上場するって、大変なんですね」と皮肉っぽく一言添えた株主もいた。

 山田会長は米国でのメルカリ事業や、新たな金融サービス「メルペイ」事業についても説明したが、短期間での収益が見込める事業ではない。今が辛抱時なのか。

 ちなみにメルカリのアプリを開くと、総会の招集通知が400円で販売されていた。