人気マンガ「黄昏流星群」が連続ドラマとしてスタートも不安たっぷり

フジテレビドラマ「黄昏流星群」

フジテレビ木曜22時枠で10月11日からスタート

あの人気マンガ「黄昏流星群」(たそがれりゅうせいぐん)が2018年の秋クールの連続ドラマとしてスタートするそうです。

「黄昏流星群」と言えば、作者は「島耕作」シリーズでお馴染みの弘兼憲史(ひろかねけんし)先生がビッグコミックオリジナル(小学館)で1995年から連載をしており、現在も連載されている非常にファンの多い作品ですね。

作品の内容については後述するとして、弘兼マンガ、特に「加治隆介の議」や「課長島耕作」が大好きな僕にとっては、かなり気になるニュースです。

しかしながら、個人的な気持ちとしては期待というよりも不安たっぷりといったところが正直なところなんですが、みなさんはいかがでしょうか。

まだ、これからのドラマということで見る前から”ダメだ”と決めつけるわけにはいけませんが、今回は新ドラマ「黄昏流星群」について少しフォーカスしてみたいと思います。

(画像引用:フジテレビ公式サイト「黄昏流星群」より)

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「黄昏流星群」とは

「黄昏流星群」とは弘兼憲史先生原作によるマンガ作品となります。

1995年から小学館のビッグコミックオリジナルに連載されており現在も連載が続いています(2018年10月現在コミックス58巻まで発行)。

ストーリー

基本的に数話をワンセットにしたオムニバス形式となっており、主に中年から熟年の男女の恋愛を基本にしながら、時にはファンタジー要素を絡めたシリーズや少しだけ近未来を舞台にしたストーリーも存在します。

コミックス1巻あたり二つのお話が収録されているようなペースですね。

登場人物に関しては各ストーリーごとに関連性はなく、「ハロー張りネズミ」というよりも「人間交差点」に近いですね。


黄昏流星群 (58) (ビッグコミックス)

新ドラマの概要

2018年10月11日よりフジテレビ系列の木曜22時枠(初回は15分拡大版も基本的に一時間)で連続ドラマとしてスタートします。

ドラマの正式なタイトルは「黄昏流星群~人生を折り返し、恋をした~」というタイトルになるようです。

ストーリー

主人公の瀧沢完治(たきざわかんじ:佐々木蔵之介)は勤続28年の銀行マンで、仕事に追われながらも妻(中山美穂)と娘(石川恋)の三人で順風満帆な生活を送ります。

最優秀店舗賞として表彰される店舗の支店長を務め、さらなる出世待ったなしと思われた完治ですが、派閥争いの影響を出向を言い渡されます。

自暴自棄になり酒に逃げる完治ですが、泥酔し酒の中に浸った氷を見て、ふとスイスのマッターホルンに訪れることを思いつきます。

妻には出張と偽ってスイスを訪れた完治ですが、悪天候のためにマッターホルンへの登頂がかないません。

しょうがなく乗ったロープウェイですが、自分一人だと思ったゴンドラにふと一人の日本人女性である目黒栞(めぐろしおり:黒木瞳)が乗り込んできます。

そして・・・

というようなお話です。

キャスト

佐々木蔵之介:出向を言い渡された元銀行員瀧沢完治(主人公)。
中山美穂:瀧沢真璃子。完治の妻で専業主婦
黒木瞳:目黒栞。完治がスイスで偶然出会った女性。日本に帰りある場所で偶然再会する。
石川恋:瀧沢美咲。総合商社に勤める完治の一人娘。実はある秘密を抱えている。
藤井流星:美咲の恋人日野春輝。実家は元々名家。徐々に美咲の母真璃子に惹かれ始める。
八木亜希子:内気な真璃子の親友であり良き相談相手水原聡美。
礼二(中川家):完治の出向先の財務課長。

これまでの実写化

「黄昏流星群-恋をもう一度-」(1997年 NHK:ドラマ)

1997年にNHKで数話に分けて製作・放送。

主演は渡瀬恒彦で相手役は樋口可南子。題材は第一巻の「不惑の星」を題材としており、今回フジテレビで放送されるドラマと同じ内容になります。(登場人物の名前は異なります)


黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス)

「黄昏流星群 星のレストラン」(2002年:映画)

第4巻収録の「星のレストラン」を題材とした映画です。

主演は石橋蓮司さんですが、映画の存在は初めて知りました。失礼ながら石橋さんが主演なのはちょっと珍しいですね。

「黄昏流星群 同窓会星団」(2002年:映画)

第5巻収録の「同窓会星団」を題材とした映画です。時期的に考えても同時に持ち上がった企画なのでしょうか。

主演は神田正輝さんですが、「星のレストラン」と同様キャスティングが少し地味ですね。

「黄昏流星群~c-46星雲~」(2011年 フジテレビ:ドラマ)

2011年にフジテレビ系列にて放送されたスペシャルドラマ。

主演は中村雅俊で相手役は高島礼子。

黄昏流星群第39巻に収録されている「C-46星雲」を題材としたドラマであり、ストーリーの着想はCHAGE and ASKAの同名曲から来ているようです。

このお話は何となくよかったような記憶があります。


黄昏流星群 (39) (ビッグコミックス)

 黄昏流星群~星降るホテル~(2012年 フジテレビ:ドラマ)

2012年にフジテレビ系列で放送されたスペシャルドラマ。

主演は黒木瞳で相手役は高橋克典。

原作は、黄昏流星群第42巻に収録されている「星降るホテル」が題材となります。


黄昏流星群 (42) (ビッグコミックス)

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はたして連ドラ向きの内容なのか?

さて、ここからは感想というかこのドラマについて思ったことを書いていきたいと思いますが、正直「黄昏流星群」を連続ドラマとしてやることに最初はかなり驚きました。

「黄昏流星群」と言えば、ヒットメーカー弘兼憲史先生が描く大人の恋愛ということで、非常にドラマ向きだとは思うものの、オムニバス形式ということもあってストーリーは基本的にはシンプルです。

主人公は男性であったり女性であったりするのですが、基本的な流れとしては普通の生活を送る主人公がある偶然を元に妻や旦那ではない相手と出会い恋に落ちる、もしくはそれまでの生活では出会うはずのなかった相手と、今まで取らなかった行動をしたことにより出会う、というのがパターンです。

最終的にいつも恋は成熟するハッピーエンドなストーリーばかりなのですが、そこまで二転三転するような話ではないんですよね。

またこの作品のいい所は、小気味のよいどんでん返しであり、適度な長さの物語であるからこそ、それが効いてきて、下手にダラダラと話が進まないところが持ち味であると思います。

だからスペシャルドラマや映画として成立させるにはピッタリの題材ではあるものの、連ドラとの相性は決してよくないように思えます。

おっさんおばさんの恋愛を誰が見る?

そして次に気になったのはどの層に向けてこの作品を作るのかという点です。

この「黄昏流星群」、主人公はあまり意識したことはありませんがほとんどが40歳以上のはずです。しかもどちらかといえばアラフィフよりです。

しかも時には70歳ぐらいの人が主人公の時もあったりします。

今回のキャスティングは佐々木蔵之介、黒木瞳という知名度のある俳優さんに加えて、中山美穂を入れてインパクトのあるキャスティングをしていますが、それでも若者からすればおっさんおばさんだと思います。

彼ら三人は僕から見ても年上にあたるわけなんですが、正直なところ”おっさんおばさんの恋愛なんて誰が見るの?”と思ってしまいます。

20代の子達からすればお父さんやお母さんより年上ということもあるでしょうし、このあたりの層や、僕ら男性陣が率先して見るとはまったく思えません。

ドラマの中にはとりあえず最初ぐらいは見てみようという作品がほとんどでしょうが、この作品はうっかりテレビをつけたらやっていてもチャンネルを変えてしまいそうな番組であり、心配しかありません。

となるとターゲットは50歳以上のいわゆるF3層になるんでしょうが、F2層(35歳~49歳の女性)ですら少し怪しいような気がします。

話によると出演者による濡れ場(と言ってもたかが知れているでしょうが)もあるそうなんですが、見たいか見たくないかというと、若い子にあまりときめかないタイプの僕でもできれば見たくありません(笑)。

このキャスティングは誰得なのか?

色々な部分で不安にさせられるこのドラマですが、やっぱり気になるのはキャスティングです。

佐々木蔵之介さんは雰囲気もありいい俳優さんだと思いますが、正直なところ視聴率を集められる気もしません。特にこのドラマの場合、題材がシンプルなだけに役者のもつ存在感やセクシーさがキーになってくるとは思いますが、適任ではないような気がするんですよね。

フジテレビとしては2012年に放送して好評だった「最後から二番目の恋」のような雰囲気を狙っているんだと思いますが、中井貴一さんたちに比べるとどうも派手さに欠ける印象があります。

また相手役となる黒木瞳さんですがもうすぐ58歳(1960年10月5日生まれ)。

彼女は15年前は非常にきれいな女優さんでしたし、僕も昔は驚異の40代だと感じていました。今もなお50代後半としては異常に若い見た目だと思うんですが、見ている側を自分と同化させる存在としては少し浮き過ぎているような気がします。

どうしても現実感がありませんし、やっぱりこの役をやるとしても10年前であった必要があると思います。言いたくはありませんが、もはや色恋をドラマでやるような年齢ではなく年を取り過ぎたと思うんですよ。

これがスペシャルドラマなら大人の素敵なラブストーリーとして納得できるものの、毎週それを見せらたくはないんですよね。

そして最後は中山美穂さんですが、今若い子達から見るとどういったイメージなんでしょうか。かつてはアイドルして活躍していた彼女も立派なアラフィフです。

結婚してフランスで生活にしていたようなので、少しミステリアスな雰囲気は感じるようになったのですが、昔から演技派というよりはアイドルがドラマや映画に出てるタイプのタレントでした。

だからどちらかと言えばキャラクター型、シンボル型の女優さんにあたると思うんです。それが娘の婚約者に惹かれるという役をしても、一体どこの層が盛り上がるのかなという気がします。

しかも相手役は例のごとくジャニーズの子ということで、ジャニーズファンからの嫉妬のほうが心配になってしまいます。

結局のところ、軸になるような人物がキャスティングされていないように感じるんですよね。

”とりあえず見る”ことになるのか?

以上色々心配な面を上げてみましたが、今回のドラマ化は非常に心配です。

テーマがテーマなだけに男性ファンの視聴はあまり期待できないでしょうし、話題を集めそうなキャスティングもなく、推せる部分があるとすれば、「島耕作」シリーズの弘兼憲史先生が書いた大人の恋愛マンガが原作という点のみです。

実際のところ始まってみると思ったより見れる可能性はありますが、まずいきなり見てもらえるかどうか、この部分ですでに戦いは終わってしまっているような気がします。

”とりあえず見てみよう”

と思わせる要素がないまま放送まで残り一週間です。

おそらくこれから出演者たちによる番宣めぐりがはじまるのでしょうが、無駄なあがきに終わらないことを祈りたいと思います。

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コメント

  1. 吉田モーモー より:

    オムニバス形式を連ドラにしてしまうのですか?
    ちょっと無理があるなあと私も思います。
    2時間ドラマでいいんじゃないですかね。
    見る予定なしです。

    • neCOSTA より:

      あ、ちょっと書き方が悪かったのかもしれませんが、マンガが数話単位のオムニバス形式という意味です。

      ドラマはマンガの中の一つの話をやるというわけです。