こんにちは、ぶっきーです。
毎週木曜更新の「週刊書評」、第7回。
今回紹介するのは「トップ営業マンが使っている買わせる営業心理術(菊原智明 著、明日香出版社、2011)」です。
会社をやめた今、今後を見据えて営業の勉強もしないといけなくなったので手に取った本。
タイトルにある「買わせる」という言葉がなんとも嫌らしい響きですが、全くブラックな内容ではありません。アフィリエイトをやっているブロガーさんにも十分応用できる内容でしたよ!
ぶっちゃけどれくらいオススメ?
かなりおすすめ。
対象読者
本書の対象読者は以下のいずれかです。
- 営業職で方法論を学びたい方
- 個人事業主で自分の事業、仕事を売り込みたい方
- 人と交渉することが多い方
- モチベーションを高めたい方
- アフィリエイトブロガー
概要
「理論 → 概説 → 営業への応用例」で分かりやすい
本書は52個の心理術がそれぞれ「理論 → 概説 → 営業への応用例」といった順番で説明されています。理論だけで満足ならそこで読むのを辞めれば良いし、まず応用例が知りたければ理論を飛ばして読むのも良し。
さらにシチュエーション別でも分類されています。具体的には以下。
- 初対面・第一印象 編
- アプローチ 編
- ランクアップ 編
- 商談・セールストーク 編
- クロージング 編
- リピーター 編
- 断られた時 編
- モチベーション 編
52個の内容はほとんど独立しているため、どこからでも好きなように読むことができます。「お客さんに断られた時にうまい対応は無いものか…」と悩んでいるなら「断られた時 編」を読む、というように。
語り口も軽快で読みやすいことも相まって、使い勝手が良い本です。
「そんなうまくいくか?」と思うエピソードも
営業への応用例として筆者のエピソードが語られますが、「さすがにそれはうまくいき過ぎだろ」「嘘くさくないか?」という箇所が無くもないです。レビューなんかでもそういった指摘がチラホラ。まあでも、個人的にはあまり気にならない程度かな?
なぜならこの手の本で成功例が載せられているのは当然だから。現実的には本書に載っているエピソードのようにうまくいかないことも多々あるわけですが、何も努力しないよりは実践してみた方がマシなわけですし。
そう考えれば「嘘くさいから信頼できない本」ではなく、「知っておけばいつか役に立つ本」という評価になる。
「モチベーション 編」が特にお気に入り
営業系の本として本書が特殊なところは、自分自身もテクニックの対象にしているところだと思われます。それが現れているのが「モチベーション 編」。僕はこの章が特にお気に入りです。
自分のやる気を高めるために心理術を応用するんですね。当然これって営業に限らず役立つわけで、本書でもっとも汎用的な章だと思います。
もちろんお客さんをモチベートする内容も含まれています。
「アクノリッジメント」でやる気を高める
そこで本書の「モチベーション 編」に載っている心理術「アクノリッジメント」をちょっとだけご紹介。
「アクノリッジメント」とは「相手の存在を認める行動」のことです。これによって存在を認められた人はやる気が高まる傾向があるとのこと。
もっと具体的に言えば「誰かから必要とされること」「褒められること」でやる気が高まる。こう考えると納得しやすいかも。
言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、こうやって心理学的な裏付けがあることを知り、そのメカニズムに名前をつけることで、実際に応用してみようという気になります。
僕なりの言葉でこのテクニックをより実践的な表現に言い換えるなら、「目先の結果を求めるな。まず人の役に立つことを考えよ。すると人から認められ、やる気に繋がる。それが最終的には良い結果に結び付く」となります。
本書では営業職の人たちが「お役立ち情報」をお客さんに送るようにして、士気が上がったエピソードが紹介されています。いろいろ応用できそうですよね。
いきなりブログの話になりますが、この「アクノリッジメント」を踏まえるとはてなブログってめちゃくちゃ良いサービスです。なぜならスター、ブクマ、コメントで読者からの反応を得やすいから。「存在を認めてもらってる♪」って気持ちがやる気に繋がるのは多くのはてなブロガーさんが実感するところじゃないかと思います。その辺も織り込んで作られてるサービスなんだろうな、と感心した次第。
なのでブログを始めようとしている人ははてなブログがおすすめですよ(何故かはてなブログへの勧誘みたいな終わり方になってしまった)。
まとめ
というわけで今回、僕としては異色の営業系の本を選んでみました。
会社を辞めてニート状態の僕ですが、近い将来に個人事業主を視野に入れているため、なんとか仕事を見つけていくために営業は避けて通れない道だったんですよね。営業系の本の1冊目としても十分読みやすくて、同時に実践的だったので満足しました。
ちなみに本書は「2011年出版」とちょっと前の本で、かつそれなりに売れたようなので、古本もかなりの数流通しているようです。通販やブックオフなどで安く買えるはずですから、気になったら手に取ってみてはいかがでしょう?
この本は何度も開いて「使う」タイプの本なので、電子書籍ではなく実際の書籍の方が良いと思われます。
おしまい。ぶっきーでした。