不朽の名作『麻雀放浪記』が35年ぶりに再映画化! 斎藤工主演で“2020年の未来”を舞台にした完全新作に
大胆に設定変えてきた。
小説家の故・色川武大さんが阿佐田哲也のペンネームで発表した小説『麻雀放浪記』が、俳優の斎藤工さん主演で35年ぶりに再映画化されることが決定しました。公開日は2019年4月5日で、監督は映画「彼女がその名を知らない鳥たち」「孤狼の血」などで知られる白石和彌さんが務めます。
累計250万部を超える大ベストセラーとなった『麻雀放浪記』は、1984年にイラストレーターの和田誠さんを監督に迎えて映画化。35年ぶりの再映画化となる同作は「麻雀放浪記2020」と改題し、設定も「東京オリンピックが中止になった未来」を舞台にするなど大幅に変更。斎藤さん演じる主人公の“坊や哲”が、1945年の戦後から2020年の未来にやってくるという大胆な展開となっています。
今回の再映画化は、主演を務める斎藤さんの働きかけが大きかったとのこと。大の映画ファンである斎藤さんは、1984年版「麻雀放浪記」を名作とたたえており、再映画化に向けて10年間もアプローチを続けてきたといいます。また新作の制作には、色川さんの遺族も賛同していることが明かされています。
同作に並々ならぬ情熱を燃やしている斎藤さんは、「個人的な意見ですが、名画をリメイクしてオリジナルを超えた作品は、はっきり言って殆ど無い」と映画ファンらしいコメントを残しており、「正直この企画に対しても、和田誠版『麻雀放浪記』ファンとして当初、些か不安を感じました」と制作前には不安があったことを告白。
しかし脚本を読んでみると、「これこそ邦画がいつの日か失った、映画の持つ自由表現の行使ではないだろうか」と感動したことを明かしており、作品が完成した現在では「リメークというより新装開店、リニューアルに近い、白石和彌版の『麻雀放浪記』のすさまじい世界に酔いしれていただきたく思います」と自信に満ちた言葉を残しています。
また白石監督も、「新たな映画化のご指名を頂いた時、率直に無理だと思いました」と名作のリメイクには消極的だったそうですが、大幅な設定変更に「現代社会のひずみや、今の社会が忘れてしまったものを警鐘として描けるかな」と可能性を見いだしたとのこと。斎藤さんの演技に関しては、「想像以上に昭和を感じさせてくれる大和男児でした」「坊や哲は時代が変わっても、一切ぶれない芯の通った男として、演じきってくれました」など太鼓判を押していました。
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