女優の黒木華(28)、多部未華子(29)が3日、都内で行われた映画「日日是好日」(大森立嗣監督、13日から公開)の特別試写会に出席した。
茶道を通してひとりの女性が成長する姿を描いた作品。
主人公・典子を黒木が、典子のいとこ・美智子を多部が演じたほか、9月15日に亡くなった女優の樹木希林さんが茶道教室の先生・武田役を務めた。
2人とも希林さんとは初共演で、黒木は希林さんから「“役を生きる”ということを、すごく感じました。その姿で、役や芝居を感じることができた」と明かし、「自分もこういうふうになりたいと思った」と、しみじみ回想。
撮影の合間には頻繁に雑談もしたそうで、多部は「樹木さんに直球でいろんなことを聞かれた。『どこに住んでいるの?』『誰と住んでいるの?』『今、付き合っている人はいるの?』『整形しているの?』とかいろいろ聞かれて、それに一生懸命、答えていた」と笑いながら振り返った。
この日の試写会で来場者は着物姿で作品を鑑賞した。実は希林さんの発案で、今作のオフィシャル・アドバイザーを務めた観世あすかさんが、友人だった希林さんの試写会にかける思いを代弁。
今年3月、鹿児島の病院にいた希林さんから観世さんに電話があったそうで、「検査の結果、頭蓋骨から膝のところまでがんが進行していて余命は年内というふうに(医者に)言われたの。この先の新しい仕事は断ります。だけど、この映画に残されたエネルギーと時間を使っていきたいから、あなた真剣に協力して」と言われたと明かした。
また、観世さんによると、黒木と多部についても希林さんは「自分の後を継いでくれる芯のある女優さん」と高く評価していたという。
黒木は「人生を楽しむためのヒントに満ちあふれた映画になっています」と作品を紹介したうえで、「樹木さんが演じた武田先生の茶室を五感で感じて」と呼びかけた。