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三重フクロウ描いて半世紀 伊賀の上田さん津で個展
伊賀市霧生の画家で県洋画協会会長の上田保隆(かみたやすたか)さん(80)が、故郷のアトリエで五十年近くフクロウを題材にした絵を描いている。伊賀忍者のイメージと重ね合わせ、「見かけは知慮深いが、本性はどう猛。そのギャップが魅力」と話す。津市のギャラリー「三重画廊」で個展を開いており、四十点余を展示している。七日まで。 アトリエに並ぶフクロウの剥製や雑誌や写真、新聞記事の切り抜き。三十三歳の時、作家司馬遼太郎さんの小説「梟(ふくろう)の城」を読んだのがきっかけだった。フクロウに例えた伊賀忍者の独立自尊の心に引かれた。「以来五十年、私の師匠はフクロウ」と笑う。 左利きだったが、字を書いたり、食べたりする時は右手を使うよう、親から注意された。「絵を描く時だけは左が許されて、唯一自由でいられる時間だった」と振り返る。矢生中から名張高に進み、美術部で絵を描くことに没頭した。 関西学院大で美学や哲学を学び、大阪の洋画教室で出会った師匠から「絵に必要なのは精神性」と教えられた。一九七〇年に師匠が亡くなると、その後、山あいにある故郷に戻った。 恒例となった個展には、色紙サイズから30号までの小作品を中心に、油絵やパステル、陶板を出品。赤い炎の中から野性味あふれる目つきのフクロウが浮き上がる作品など、織田信長に攻められて焼け野原になった天正伊賀の乱での伊賀忍者を表現したものもある。「フクロウの姿に、この年になっても描き続ける力をもらっています」 ギャラリーは、津市中央の三重額縁ビル三階。午前十時から午後六時(七日は午後五時)まで。(問)三重画廊=059(225)6588 (飯盛結衣) 今、あなたにオススメ Recommended by
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