アクア(AQUA)は2018年10月3日、同社初となる食器洗い機「ADW-GM1」を発表しました。「ADW-GM1」は同社の洗濯機などで好評を博している、中の様子が見えるガラストップを採用した送風乾燥機能付きの食器洗い機。すでに中国で販売されている製品の高評価な部分を継承した製品で、日本での使用に適したカスタマイズをほどこしているそう。2018年10月10日発売予定で、市場想定価格は7万円前後となります。
「ADW-GM1」のもっとも大きな特徴は、食器洗い機では初めて、運転中に扉を開けることなく庫内の様子を見ることができるガラス扉を採用したこと。運転中の状況がわかりやすいので、「中で食器が倒れてないか」「割れたりしてないか」と心配する必要もありません。安心感が得られるだけでなく、食器がきれいになっていく様子を確認できるのは単純に楽しい! ガラストップは1枚の強化ガラスのため、表面の汚れが拭き取りやすく、手入れの手間も少ないそう。
本体サイズは485(幅)×390(奥行)×475(高さ)mmで、水切りカゴ程度の設置スペースがあれば配置可能とのこと。ガラスを採用することで見た目に抜け感が生まれるだけでなく、本体のフロント部分が曲線的なデザインになっているので、キッチンに設置した時の威圧感も少なくなっています。
ガラスの内側が汚れることで汚れが目立つのでは? と思いましたが、ガラスの内側も使用ごとに食器と一緒に洗浄されるため、使用法を守っている限りは特別に汚れやすいということはないそう
「ADW-GM1」の収納容量は、食器24点(大皿×4、小皿×4、茶わん×4、汁わん×4、コップ×4、中鉢×4、はし、フォーク、ナイフなど)。現在、市場には18点収納できるタイプと40点収納できるタイプが流通しているものの、アクアはそのどちらも用量が少ない、もしくは多すぎると考えているそう。そのため「ADW-GM1」はその間をとって、夫婦+子ども1人の家族が毎日使用するのにちょうどよいサイズを目指したそう。この容量であれば朝と昼など2食分をまとめて洗うことも可能で、洗い物が少量の場合は、「少量コース」も選択できます。
食器を24点セットするとこんな感じ。中国で流通している製品と「ADW-GM1」のもっとも大きな違いはカゴの形状で、カトラリースタンドの後ろ側に小皿をセットでき、効率よく洗浄できる形状にこだわったそう
庫内には、汚れやにおいが付きにくく、耐久性にもすぐれたステンレス素材を採用。毎日のお手入れが簡単で、清潔さを保ちやすい構造になっています。また、残さいフィルターは目の細かいボックスタイプで、残さいをしっかりキャッチ。さらに、最終すすぎの温度が約72℃になる「高温すすぎモード」の搭載により、食器や庫内の脂汚れをしっかり落とすだけでなく、除菌もできて衛生的に使用できるほか、スイッチひとつで庫内の手入れができる「おそうじモード」も用意されています。
残さいフィルターは取り外し、手入れも簡単
水を噴射するノズルは上段、中段、下段に配置。高圧の水流で、さまざまな形状の食器をすみずみまで洗い上げます。パワフルな水流は、調理に油を多く使用する中国向け製品に使用しているのと同じもので、油でべとべとの皿もぴかぴかに洗い上げるそう。
4つの回転ノズルと固定ノズルを搭載
庫内上部には、カトラリー棚も設置。ナイフやフォークなどを横にしてセットできるので安心です。このカトラリー棚の近くにも回転ノズルを設置しているので、洗い残しの心配もありません
洗剤は庫内に直接投入すればOK。液体、粉末、タブレットタイプすべてに対応します
穴を開けた筐体から伸びる筒の中を、水が2m上に勢いよく噴き上げるデモンストレーション。かなり強力な水流であることがわかります
操作部には、シンプルで使いやすいタッチパネルを採用しています。洗浄コースは、食器をすぐ洗う時に使用する「標準」、食後時間が経過した時や調理器具に使用する「念入り」、短時間で洗える「おいそぎ」、プラスチック食器なども洗える「低温」の 4 コースから選択可能。さらに、全コースで洗浄力をアップする「強」設定を選択できるほか、脂汚れが気になる洗い物に適した「高温すすぎモード」や、プラスチック食器が変形しにくい「送風乾燥」など、洗い上がりや乾燥効果の調整も可能です。
操作部は、向かって右が洗浄コース、左がオプションボタンというわかりやすいレイアウト。中央のディスプレイでは、進行状況がひと目で確認できます
アクアによると、「ADW-GM1」のターゲットは子育て中の共働き夫婦。仕事や子育ての忙しさで日々の家事がままならないと感じている世帯に食器洗い機を導入することで、少しでも家族でゆったりと過ごせる時間を提供したい、という思いがあるそう。
現在、日本での食器洗い機の普及率は30%程度と伸び悩んでいますが、その原因として、「家事をさぼっているようで罪悪感がある」「きれいに洗えない気がする」「コストがかかるぜいたく品」などといったイメージによって購入までの心理的ハードルが高いことがあげられるそうです。アクア 日本代表 執行役員の吉田庸樹氏は、「食器洗い機は使用してみて初めてその便利さを実感できるものだが、ADW-GMの“使用時に中が見える”という特性により、少しは使用する心理的ハードルが下がるのでは。その便利さを実感する人が増えることで食器洗い機の認知が広がり、市場を盛り上げていければ」と語っていました。
水を大量に使用するイメージのある食器洗い機ですが、実際は手洗いの5分の1ほどの使用水量(食器24点、小物16点を洗った場合)で済むため、時間だけでなく、水道代の節約にもなります
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。