無人配送社会で日本は世界に見捨てられる

スマホ購入断念で感じた日本の暗い未来

2018年10月4日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(写真=PIXTA)

 いまだに従来型の携帯電話、いわゆるガラケーを持っている。電話とは別にデータ通信専用のタブレット端末も併用していて、私用のスマートフォンを持っていない。少し前に、そんな2台体制からスマホ1台に切り替えようと検討をした。が、結局見送ることにした。

 スマホ購入を見送った理由を振り返ると、日本の未来に不安を覚える。自走ロボットやドローンが普及する「無人配送社会」が到来したときに、日本は世界に見捨てられるのではないかと考えるからだ。今回はそんな話を紹介しようと思う。

モバイル決済ができなかった

 スマホを買おうと考えたのは、複数のレンズを使って写真を撮る「マルチレンズ」に興味を持っていたところに、「Google Pay」の発表が後押しとなったからだ。

 Google Payは米グーグルが2018年5月24日に日本向けのサービス拡充を発表したモバイル決済サービスだ。「Suica」や「WAON」といった各社が独自の仕様で運営している決済サービスを一括管理できる。

 以前から米アップルのモバイル決済「Apple Pay」で同様のことができており、発表そのものは画期的というほどではなかった。が、自作のAndroid向けアプリの都合でiPhone購入を見送っていた自分には待望の発表だった。韓国や中国のスマホメーカーは既にマルチレンズのAndroid端末を販売していたので、Google Payのサービス拡充をきっかけに、ついにガラケーからスマホに乗り換えようと考えたのだ。しかし、その考えは早々に壁にぶつかる。海外メーカーでモバイル決済ができる機種がほとんどなかったからだ。

 日本の決済サービスの多くは、「FeliCa」という非接触通信技術が必要だ。2004年には携帯電話でFeliCaを使った決済ができるようになっていたが、18年になっても海外メーカーはほとんど対応していない。FeliCaは実質的に日本の独自仕様で、海外ではほとんど使われていないからだ。

 中国ファーウェイが最新モデルでFeliCaに対応するとの噂があって期待していたが、18年5月に発表された「P20 Pro」はNTTドコモの専売だった。実は、スマホを買うなら、その後の料金を考えて、格安のMVNO(仮想移動体通信事業者)を使おうと考えていた。ドコモ専売のスマホを使うには不要な回線契約をした上で解約金を支払わなければならない。端末代金のほかに何万円もかかると分かり、結局見送ることにしたのだ。

併せて読みたい

オススメ情報

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「無人配送社会で日本は世界に見捨てられる」の著者

広田 望

広田 望(ひろた・のぞむ)

日経ビジネス記者

物性物理学で博士号(理学)を取得。日経BPに入社後は「日経コンピュータ」や「ITpro」でIT業界を幅広く取材。2017年10月から日経ビジネス記者として、家庭消費財や化粧品を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人材が育っていれば 何も怖くはありません。

芳井 敬一 大和ハウス工業社長