今回は、古酒として、1990年代に流通していた、サントリーリザーブ10年を飲んでみます。

10年熟成に進化

kingsland__01サントリーリザーブは、1969年に誕生して以降、いくつもの変化を経ています。
当初は山崎のシェリー樽原酒を中心にしたブレンドでしたが、白州蒸溜所ができて新しい原酒が手に入るようになると、次第に白州モルトを中心にしたブレンドへ変化しました。

1980年代からウイスキーの消費が落ち込むようになり、1990年代になると長期熟成の原酒が多く残るようになりました。
そして1996年、リザーブは10年熟成へとリニューアルしました。1998年にはシェリー樽仕上げもラインナップされています。

1980年代後半から1990年代後半に掛けて、リザーブは若者向けの宣伝を行っており、10年リザーブの登場後は佐藤浩市、木村拓哉をイメージキャラクターに起用していました。

今回は、ネットオークションで入手しました。中古の通販だと5000円前後の値段ですが、幸いに2000円ほどでGETできました。

色めき立つ白州モルト

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々薄めの琥珀色、香りはピートの奥にナシとリンゴを感じます。

口に含むと、リンゴの後にメロンが訪れ、その後はナシ、レモンと続きます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なく、酸味が一気に広がります。

ロックにすると、レモンとメロンが揮発して支配します。その後からリンゴ、バニラが続きます。
味わいは、ビターが強めとなり、奥から酸味が追いかける印象です。

ハイボールにすると、リンゴの香りが再びメインとなって鼻を通ります。後からはバニラ、ピートが続きます。
味わいは酸味が比較的強めで、さっぱりした印象になります。

現行品に比べると、やはり10年熟成だけあって、フルーティな香りがより強く訪れているように思えます。一方で香りは、現行品の青リンゴっぽさよりも、熟したリンゴに近いです。

また、ハイボールでは甘みのある現行よりも酸味の強いものになっていて、意外に脂っこいものと一緒にいただくには適しているようにも思えます。

750mL、アルコール度数43度、当時の価格は2450円ほどでした。今から見れば、かなり破格だったと言えます。

10年リザーブは1996~2006年まで販売されていたため、中古のボトルとしても比較的手に入りやすいので、現行品と比べて飲むのもいいでしょう。

<個人的評価>
  • 香り B: リンゴ、ナシ、メロン、レモンが主体。奥からバニラやピートも香る。
  • 味わい B: アルコールの刺激が少なくてまろやか。全体的に酸味が主体。
  • 総評 A: 10年熟成ならでは豊かな香り、まろやかな味わいが楽しめるリザーブ。