シャープは10月3日、有機ELディスプレイ(OLED)を搭載し、世界最軽量の約146gのフラッグシップモデル「AQUOS zero」と約5.5インチのIGZO液晶ディスプレイを搭載したスタンダードシリーズ「AQUOS sense2」を2018年冬モデルとして商品化すると発表した。今後発表が予定されている各キャリアの冬モデルとして登場予定だ。
AQUOS zeroは、スマートフォンAQUOSとして初めて、約6.2インチの大画面WQHD+(2992×1440画素)のシャープ製有機ELディスプレイを搭載。100万対1の高コントラストと、DCI-P3規格(デジタルシネマの標準規格)の100%の広色域を実現した。
「AQUOS」で培った高画質化技術「リッチカラーテクノロジーモバイル」によるなめらかな階調表現と豊かな色調で、リアルで色鮮やかな映像を特長とする。
高性能CPU Qualcomm Snapdragon 845と6GバイトRAM/128GバイトROMの大容量メモリを採用し、高速処理を実現。大画面と世界最軽量、ハイパフォーマンスの組み合わせにより、長時間のゲームプレイや動画視聴も快適に楽しめるとしている。
バックライトが不要な有機ELディスプレイに加え、側面にマグネシウム合金、背面に軽量で強度の高いアラミド繊維を用いることで、画面サイズ6インチ以上・電池容量3000mAh超のスマートフォンとして世界最軽量の約146gを実現した。
なぜ今、軽量化なのか。2012年にはディスプレイサイズ3.0インチで平均130gだったものが、ディスプレイサイズの拡大とともにどんどん重くなっている傾向が背景にある。
シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏は「ハイエンドに限れば、今のディスプレイサイズは平均6インチで、重さは平均200g。スマートフォンを使い込むコアな人ほど重たいスマートフォンを持たないといけなくなっている。その問題意識から大画面・大容量電池と軽量化の両立を目指した」と説明した。
寝転がって見ていても手が疲れず、長い間使える重さとして、文庫本の重さを基準にしたという。
最大の画面サイズと大容量電池を搭載した中での軽量化には、さまざまな工夫をしたという。OLEDの採用も軽量化の理由の一つだ。ボディは超軽量マグネシウムを採用し、一般的なアルミ製構造から41%軽量化した。バックパネルには、軽量素材で鉄の5倍強い帝人の「アラミド繊維」を採用している。
「OLEDには薄型、曲げられるなどの特徴があり、液晶では実現できないことができる。軽量化のニーズに合せて採用した。しかし、OLEDの採用と超軽量マグネシウムボディの採用だけで50gの削減ができたわけではない。細々な要素の見直しや、地を這うような努力が必要だった」と説明した。
また、ヘビーユーザーを想定した使い勝手にもこだわった。ディスプレイの中央に向かって緩やかに盛り上がる独自のラウンドフォルムを採用したことで、指の動きに合った自然なタッチ操作が行える。
また、充電しながらゲームをしたり映像を見たりして使うことも多いだろう。内部の排熱と充電で発生する排熱にも対応できるよう、充電ICを並列で搭載することにより、充電中の使用でも発熱しにくい「パラレル充電」を初搭載。
「使い込む人ほどよくわかる。本質に立ち返って、ゼロベースでスマホのあるべき姿を探求した」と語った。
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