LINEはスマートフォン(スマホ)を使った決済サービスの用途拡大を急ぐ。3日、飲食店で持ち帰り商品を事前に注文・決済できるサービスを2019年春に始めると発表した。レジでの現金のやり取りや待ち時間をなくす。公共料金の支払いでも使えるようになり始めた。
ピザなど商品の受け取りサービス「LINEテイクアウト」を始める。アプリで料理などを検索すると、利用者の所在地から近い店舗を地図で示す。購入したい商品を選べば「LINEペイ」などで事前に決済できる。LINEペイは銀行口座からスマホにお金をチャージ(入金)しておく仕組み。
決済を終えると「15分後に取りに来て下さい」などと画面に通知される。20年に加盟店舗を3万店に増やしたい考え。
店舗側は厨房の稼働率を高められる。現金のやり取りがなくなり、事務の負担が軽くなる。キャンセルが発生したり、閉店間際に材料が余ったりした場合に、割引情報を配信できる。
スマホ決済は一般に、レジで消費者のスマホのQRコードを読み取って決済する方法が主流。今回のサービスでは、店頭でQRコードを読む必要がない。LINEは決済サービスの用途拡大とともに、QRコードと違う読み取り方式への対応を広げていく方針。
LINEは公共料金や税金の支払いもスマホで決済できるようにしていく。神奈川県では8月、水道料金をLINEペイで支払えるようになった。19年以降、自動車税など税金の分野にも広げる。スマホで請求書をスマホで読み込み、支払いのボタンを押すと、チャージした残高から支払われる。
福岡市とは粗大ゴミ収集をアプリ経由で申し込めるようにした。ゴミの種類や収集希望日を選ぶだけでよい。将来は収集に必要なゴミのシール購入なども、LINEで済む仕組みを検討中だ。
スマホ決済のサービスは楽天やアマゾンジャパン(東京・目黒)も実施済み。今秋からはヤフーとソフトバンクが出資するペイペイがサービスを始める予定で、競争が激しくなっている。