★自民党総裁選での首相・安倍晋三の勝ち方、党員の視点、日露、日米、日韓と相次いで行われた首脳会談の内容、総動員選挙を繰り広げた沖縄知事選挙。そして今回の「適材適所」という党人事と内閣改造だ。総裁選から第4次改造内閣組閣までの間に安倍政権の評価はがらりと変わったのではないか。

★1つは、国民が内閣に全幅の信頼を置かなくなった。世論調査では見えてこない政権への不信感。外交では地球儀を俯瞰(ふかん)する外交を標榜(ひょうぼう)したが、相当額の税金を海外に投入。一方、災害の復興予算や貧困対策、暑さ対策としての小中学校へのエアコン導入に、海外にばらまくような鶴の一声はなかった。また各国首脳との個人的な関係を武器に外交を展開することを売り物にしていたが、露プーチン大統領、米トランプ大統領らに踊らされていることが露呈した。沖縄知事選ではこれでもかと人とカネをつぎ込み、公約に携帯電話を4割下げるなど、県民を愚弄(ぐろう)するような中央とのパイプさえあればといった中央集権化とお上意識で選挙戦を東京の理屈で押し通そうとした。

★外交の責任者、河野太郎の外相留任。沖縄知事選の責任者と中枢にいた幹事長・二階俊博、官房長官・菅義偉の留任。副総理兼財務相・麻生太郎は少なくとも財務相からは外れるべきだし、それがけじめだろう。加えて金銭疑惑で閣僚辞任した甘利明を選対委員長、加計学園からの献金疑惑がある首相側近・下村博文を憲法改正推進本部長に据えるなど、適材適所の意味をご存じないのかと思うばかりの人事だ。彼らは会見義務のないポストだというのもミソだ。内閣の売りは入閣待望組の大量初入閣。共産党書記局長・小池晃はそれを「閉店セール」と評したが、その中には総裁選の時に「内閣にいるんだろ。石破さんを応援するんだったら辞表を書いてからやれ」と前農相・斎藤健に言い放ったご仁も論功行賞で入閣した。その程度の内閣改造だが、既に党内はオール安倍与党体制ではないことをお忘れなく。(K)※敬称略