メキシコ料理というものがある。その名の通り中米「メキシコ」で食べられている料理だけれど、タコスなどは有名なので、聞いたことや、食べたことがあるのではないだろうか。ブリトーなどはコンビニでも売っている。
日本からは遠い国だけれど、馴染みのあるメキシコ料理を本場で食べてみたいと思う。本場とはもちろんメキシコだ。メキシコ料理を食べにメキシコに行くのだ。きっと美味しいはずだ。
メキシコの料理
旅行の楽しみは、歴史的な建物を見たり、その地域の文化に触れたりすることだと思う。そんな中でも、最大の楽しみは料理だ。食事は大切だ。その地域ならではの食材を使ったものもあれば、B級グルメといった、アイデア的な料理もある。
メキシコに来ました!
この度、メキシコにやってきた。日本から直行便も飛んでいるので、意外とメキシコは来やすい国だ。そして、メキシコには冒頭にも書いたように、タコス、ブリトーのような誰もが知る料理がある。食べなければ、メキシコ料理を食べなければなのだ。
メキシコのバスターミナルで、
タコス!!!!
街のその辺のお店で、
ブリトー!!!
マクドナルドや富士そば以上の頻度で、メキシコ料理のお店がある。メキシコだから当たり前だけど。タコスパラダイス、ブリトー祭り。そんな感じだ。食べるともちろん美味しい。本場の味だ。
美味しいです!!!
いろんなメキシコ料理
もちろんメキシコ料理は「タコス」と「ブリトー」だけではない。もっといろいろあるのだ。有名どころは全部食べる勢いだ。せっかくメキシコまで来たのだから食べ尽くさねばならない。
モレです!
メキシコというと「モレ」は外せない。見た目はメキシコのカレーと言えばいいのだろうか。ただ少し甘いのだ。スパイシーなチョコレートが鶏肉にかかっている感じ。甘いものが鶏肉に、と思うけど、合うのだ。いつだってチョコレートは正義なのかもしれない。
ステーキ!!!
サボテンの!
メキシコを思い浮かべた時に、出てくるのが「サボテン」だ。もちろんこれもある。安いお店にしか行っていないので、あまり見かけなかったけれど、あるお店にはキチンとある。そして、付け合わせというポジション。メキシコではサボテンは主役ではないのかもしれない。
ちなみにステーキは薄い!
肉が薄かった。あとメキシコの肉はほぼ全てワイルドな味わい。牛を食べると「牛だな!!!」と感じるし、豚を食べると「豚だな!!!」と感じる。苦手な人はとことんダメだと思う。そういう時は鶏を食べるのがいいかもしれない。
おいしんだけどね!
私は美味しいと思った。どれも美味しかった。そもそも私は幸せな舌を持っているので、だいたい美味しい。ただ事件は起きる。事件というものは起きるものなのだ。旅と事件はセットと覚えていただきたい。
事件が来ました!!!
スープが美味い!
日本人にはメキシコの香辛料が合わなかったり、油が古かったりで、だいたい一度は食あたり的なことになるらしい。メキシコ好きの知人はそれを「洗礼」と言っていた。日本と比べればだけれど、衛生環境もよくはない。でも、メキシコ人はなんともないらしい。メキシコ人強いな。
何かになった人!
私は食あたり以上のことになり、寄生虫が宿って、熱が40度出て、嘔吐・下痢で病院行き、ということになった。美味しいけれど、そういうことが起きてしまうこともあるのだ。洗礼なのだ。それからというもの、体調のせいでもう普通の食事はできなかった。
そこでソパデポジョです!
そんな病気になった時に食べるのが「ソパデポジョ」。塩味のスープと思ってほしい。少量のお米も入っている。おかゆさんみたいなものだ。香辛料もそんなにきつくなく、病気になったらこれ。ずっとこればかりを食べていた。めちゃくちゃ美味しい。
おいしいんです!
そして「ポソレ」
もうひとつは「ポソレ」。こちらもスープで塩味なのだけれど、ジャイアントコーンで作られたスープで、塩味の中に甘みがある。やっぱりめちゃくちゃ美味しい。もちろん病気でなくても、この2つのスープは美味しいけどね。
大きなコーンが入っています!
やっぱり美味しいんです!
メキシコ料理は日本!
そんなこんなで多少ボロボロになったが、メキシコから帰ってきた。病気のインパクトが大きすぎるせいで、総合的にメキシコ料理にいい思い出がない、ということになる。でもね、なのだ。日本にここ数年通っているメキシコ料理のお店がありまして、正直、メキシコのメキシコ料理より美味しいお店があるのです。
テピートです!
まず間違いなくメキシコより衛生面がいい、当たり前だけど。テピートのオーナーシェフの滝沢久美さんも言っていた。「とあるメキシコの市場で海鮮を食べようと思ったんだけど、そのお店、どこにも水道がないのよ、どこで洗ってたんだろ、、、」と私にとって怪談話より怖いことを言っていた。
私と滝沢久美さん
おしゃれなお店ですよ!
テピートのメキシコ料理は別に日本人向けに作られたメキシコ料理ではない。王道のメキシコ料理なのだ。メキシコで食べるメキシコ料理より、普通に腕がいいから美味しいということになる。本気で美味しいので、混むと嫌だから本当は教えたくないお店だ。
オルチャータを頼んだ!
メキシコのオルチャータはお米から作られたジュースだ。甘くて美味しい。子どもにも飲みやすい口当たりで、メキシコ料理のスパイシーな香辛料も和らげてくれる。いつもビールより「まずはオルチャータで」と頼んでしまう。
ブリトーです!!!
美しいし、美味しいんですよ!
このカラフルな感じがメキシコだ。チキンにフリホーレス(インゲン豆のペースト)、チーズにメキシカンライスが入っている。玉ねぎとトマトが食欲をそそり、アボカドが良いアクセントになっている。香辛料も少なめなので、メキシコ料理初心者でも食べやすい味だ。
サボテンステーキ!!!
サボテンが大きい。メキシコでは付け合わせだったけれど、このサイズなら主役を張れる。食べてみるとオクラのようにヌルヌルだ。塩胡椒でのシンプルな味付けが、サボテン本来の味を引き出している。
美味しい!!!
ヌルヌルなのだ。糸を引いている。青臭いかと思っていたけれどそんなことはない。どこか自然の甘さがある。今後はサボテンを見るたびに食材として見てしまうかもしれない。
ソパデポジョ
メキシコで私の命をつないだ「ソパデポジョ」。メキシコで食べた時も美味しかったが、ここの方が断然美味しい。クミさんのパートナーがメキシコを代表する歌手で、その人が食べて納得した料理が出ている。愛情たっぷりのキングオブメキシコ料理と言ってもいいのだ。
ポソレです!!!
同じく私の命をつないでくれた「ポソレ」。塩味のスープにオレガノやラディッシュ、レタス、サルサ等を足し変化させて食べるのも楽しい。メキシコでは生野菜が怖くて食べられなかったが、やっぱり入っていた方がシャキシャキと食感も楽しくて味にも深みが出る。美味しいには安全ということも含まれているのだ、きっと。
美味しいのです!!!!
タコスデコチニータピビル
タコスも美味しい。有名なチェーン店「タコベル」のタコスは「ハードタコ」というアメリカスタイルのタコス。メキシコスタイルの正当なタコスをここでは食べることができる。
このコチニータピビルはマヤ文明で有名なユカタン半島のタコスらしく、スパイシーな豚肉がおいしい。遠くに柑橘系のさわやかさも感じることができ、いくつでも食べられる。
もちろん美味しいよ!
モレも最高!
メキシコ人に聞いた際、モレは家庭の味の代表とのこと。家々で、店々で味が異なる料理だそうだ。テピートのモレもたくさんのスパイスを手間ひまかけて作った特製モレでめちゃくちゃ美味しい。味は複雑すぎて私のレポートだけでは伝えきれないので、ぜひ食べて確認してほしい。
デザートの「フラン」も美味しいのです!!!
正直に言ってしまおう。メキシコで食べる料理より、テピートで食べるメキシコ料理の方が断然美味しい。もちろんメキシコのメキシコ料理も美味しかったが、テピートなら安心も含まれるし、気軽に食べることができる。めちゃくちゃおすすめ! ちなみに店名にもなっているメキシコシティにある地区「テピート」は危険なので近づいちゃダメです。
下北沢のテピートは絶対に行った方がいいよ!
紹介したお店
- ジャンル:本格メキシコ料理
- 住所: 〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-19-9
- エリア: 下北沢
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著者プロフィール
地主恵亮
1985年福岡生まれ。基本的には運だけで生きているが取材日はだいたい雨になる。2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女」(鉄人社)、「インスタントリア充」(扶桑社)がある。
Twitter:@hitorimono