中国とバチカン接近であおりを食う台湾

中台双方と正式な“国交”樹立に期待の声も

2018年10月3日(水)

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「カトリック教」を意味する「天主教」の十字架。台北で2018年9月23日撮影(写真:AP/アフロ)

 バチカンと中国が、カトリックの司教任命問題について9月22日に北京で行われた会談で暫定合意書に署名したというニュースが世界を駆け巡っている。司教任命権に関する合意の可能性は3月下旬にも報道され、その背景については拙コラム「中国、バチカンと交渉決裂?」で解説したとおり。結局、この時点から半年経って暫定合意にこぎつけた。

 あくまで“暫定”であり、任命権のプロセスの問題や、また反共産党的な中国の地下教会に対しての対応も不明だ。私が気になるのは、バチカンと台湾の関係がどうなるか。以前の拙コラムでは、中国とバチカンの関係を主に取り上げたことがあるが、今回は台湾サイドからの見方を中心に考えたい。おりしも9月末、東京で「世界台湾同郷会連合会第45期年会」が開催されていた。台湾出身の評論家・文筆家の黄文雄さんから世界中の台湾人が集まるから、いろんな人の話を聞いてみるといい、と誘われたので私も行ってきて、バチカン問題に関する見方、そして台湾の未来に関する予測についていろいろ聞いてきた。「チャイナ・ゴシップス」のタイトルのコラムで台湾のことを取り上げると、中国の欄で台湾を取り上げるな、と怒る方もいるのだが、今回は大目に見ていただいて、台湾から見た、バチカン問題について紹介したい。

 この世界台湾同郷連合会の特徴は、タイトルに台湾とあることからもわかるように、思想的にはアンチ国民党の台湾派の人が主流だ。そういう政治的カテゴリーとしてまとまっている台湾人の間だけでも、多様な見方が混在する。たとえば、米中貿易戦争が台湾に与える影響にしても、中国に進出した台湾企業が受けるマイナス影響を大きく見る人もいれば、逆に中国向けの投資が台湾に向かうプラス効果を期待する声もある。米中対立が世界の不安定化を招き、台湾がカードに扱われるということへの不安を言う人もいれば、米国が台湾との関係を強化しようとしていることが台湾にとって好機だととらえる人もいる。では、バチカン問題についてはどうだろうか。

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「中国とバチカン接近であおりを食う台湾」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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