こちらが話をしている時、まだ話が終わってないのに、自分の言いたいことを上からかぶせるように話し始めてしまう人がいます。
自分がこれをされたら、すぐわかりますよね。とても不快です。でも、自分がやっている時には気づいてないことの方が多いのではないでしょうか!?
特に仕事ではない、女性同士の普段の会話では「こ、これは多重放送か!」と思ってしまうぐらい、話のかぶせ合い合戦のようになっていることがあります。
「話をかぶせる心理」とは、一体どういうものなのでしょうか?
「反応」という名の自然現象
「人の話に自分の話をかぶせてくる」のは、インプットの法則によるものです。
何かが脳に入ってくると、刺激を受けて自分の中から自分の語りたいことが湧き出てくる現象です。
これは反射的にでてくる「反応」のようなもの。
悪気がある人もいれば、無意識でやってしまう人もいるのでしょうが、どちらも相手の話に反応して、反射的に自分の話をかぶせてしまっているのです。
本を読んでいるとき、頭の中で自分の考えが湧き上がってくること、ありませんか!?
それがインプットの法則です。情報をインプットすると、アウトプットが自然に出てくるのです。
反応なのですから、人にとって「自然なこと」とも言えますね。
ただ、相手も気持ちいい自分も気持ちいい、良い人間関係を保つ上では、思慮が足りずコミュニケーション力がない、ということになります。
自分自身が話をかぶせる癖に気づくと、かぶされにくくなる
コニュニケーションをテーマにした会話のハウツー本などには、「話をかぶせてくる人は自己承認欲求が強い」とか、「自分の方が優れていると誇示したい」とか、「それはマウンティングでしょ」などと書かれていることがあります。
ですが、それはどうでもいいことなんですよね。
何故ならば、どうせ相手は変えられないので、分析することにあまり意味がないからです。
それより、「自分は人の話を遮って、自分の話をかぶせていないだろうか?」を気にした方がいいです。
そして、コニュニケーションにおける自分の癖を修正していくことをしていった方が、建設的な結果につながるのではないでしょうか!?
自分自身が「話をかぶせている」ことに気づくようになってそれを修正していくと、話をかぶせまくる人との縁が少し薄くなります。
また、相手が強靭な「話かぶせ星人」だったとしても、あなたとの会話の時にはさほど無礼な態度に出ないかもしれません。
自分が変わると、身の回りの状況が良い方向へ変わっていくものですよね。
生活習慣とか、家族の対話パターンで癖がつく
幼少期から青年期に過ごした環境でなされていた対話形式を、大人になってからも引き継いでいるケースをよく見かけます。
例えば、大家族で暮らしていたら、人の話を聞き終わってから自分が話し出すなんてこと、できません。そんなことをしたら、自分が言いたいことを語るチャンスは一生巡ってこないですよね。
大家族の食卓は、それぞれが好きなこと言いたいことを同時にバーっと話すのが普通の会話だったりします。そして、大人になってからも引き続きその方式の会話をするようになります。
このパターンの場合は、まったく悪気はないのでしょうし、むしろ「コミュニケーションがうまくいってる証拠」だという感覚を持っていると思います。
また、家族の食卓で自分の意見を言うと即座に否定されるという会話形式を体験してきた人は、もしかしたら話をかぶせる達人になっているかもしれませんし、逆に自分のことを話すのが苦手になってしまい、相手から「話をかぶされまくり」かもしれません。
相手が話をかぶせてくることが気になって仕方がないという場合は、私たちは皆「育った家庭での会話パターンを引き継いでる」ということを思い出してみてください。
「この人はどんな人生を歩んできたのかな」と、相手に興味を持ちつつ優しい目で見つめながら対話してみてはいかがでしょうか。
そうしていると、「話をかぶされたこと」を不快に感じる必要がなくなります。
いつも気持ちいい心でいられますね。
ず〜っと一人で喋ってしまう人の心理
話をかぶせてきたと思ったら、ずーっと自分だけ一人で喋ってしまう人、いますよね。
このようなパターンの人は、何かに怯えているからそうなってしまうのです。
何に怯えているのかは人それぞれですが、主に「自分の本当の気持ち」に気づきたくない、気づかれたくない、という深層心理があることが考えられます。
キャッチボールのような対話をしていると、相手から何か質問されてしまうかもしれない。自分が気づきたくないことまで明らかになってしまうかもしれない。それが怖いので、息をつぐ暇もないぐらいにずーっと喋り続けてしまうのです。
このような気持ちを「素敵な私を演じる」ことで乗り切る場合もありますが、「喋り続ける」という行為で乗り切る人もいるのです。
必死なので、相手の話を聞くことができません。
相手が「話を聞いてもらったな」という満足感を得られるような対話ができないわけですから、いろいろな弊害が出てくるでしょうし、このような態度を続けていると、誰かとの親密な関係を築きにくくなってしまいます。
このような人と対応する時は、あまり深い話をしないようにしてあげた方がいいのです。
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話をかぶせるのは共感したい気持ちからくる事も
これは仕事以外のカジュアルな会話の時に限られるのですが、話している相手と『共感し合いたい』から、話をかぶせる事も多々あります。
「私さぁ、先週風邪で熱が出てね...」と話しはじめた途端、相手が「私も先週風邪ひいて声出なかったよ!」などと、話をかぶせてくることって、よくありませんか?
これは、マウンティング行為というよりも、「私たち似たような体験してたんだねっ」って、ちょっとした嬉しさを表しているパターンです。
共感し合えたらもっと仲良くなれるし、楽しくなれる。だから「話かぶせちゃった」というパターンもありますよね。
これも悪気がある「話かぶせ」ではないことの方が多いのかもしれません。
ただ、これも「だからやったっていいよね」ということにはなりません。
なぜ言葉をかぶせてしまうのか!?
どうして私たちは、人の話に自分の話をかぶせてしまうのでしょうか!?
それは、言葉を聴きながら、思考しているからです。
相手の話「だけ」を聴いていることって、ほとんどありませんよね?常に、自分の思考が同時に動いています。
自分の思考してる声の方が大きくなってくると、相手の言ってることがほとんど聴こえてないこともあるぐらいです。
そして、自分の頭の中で考えてるだけでは物足りなくなり、相手が話している最中に自分の言葉を発してしまうのです。
コミュニケーションは言葉だけではない
会話やコミュニケーションは、言葉だけで成り立っているわけではないですよね!?
話を聞く時の姿勢、目線、手の動き、声のトーン、場所の雰囲気、それら全ての統合により、「どんなことを伝えあうのか」が変わってきます。
相手の話に、自分の話をかぶせる行為で伝わるメッセージはどんなことでしょうか!?
それは、「あなたの話は重要じゃない」というメッセージです。
「あなたの言ってることは間違ってる、時間の無駄、と思っていますよ」というメッセージが無意識レベルで伝わっていく行為になります。
これまでお話ししてきた、「悪気のない話かぶせ」のパターンであっても、このようなメッセージは相手の無意識に届けられてしまうのです。
だから、相手がどうであれ、やはりこちらは「話をかぶせる行為はやらない」を守り通したいです。
気をつけていても、ついついやってしまうのが話かぶせ行為。私もときどきやってしまいます。
人生は修行ですねぇ......