9月29日、テクノポップユニットPerfumeが、ショートムービー動画アプリ「Tik Tok」にダンス動画を投稿したことが話題になっている。この投稿は、10月2日時点で22万以上の「いいね」がついた。
9月28日のフィナンシャル・タイムズなどの報道によると、Tik Tokのユーザー数は約5億人。次の資金調達が完了すれば、Bytedanceの評価額は750億ドル(約8兆5000億円)になる見込みで、ウーバーや滴滴出行を超えて、世界でもっとも評価額の高い非上場企業になるという。
なぜ中国発アプリに日本の芸能人が続々参戦するのか?
2017年頃までTik Tokは、一般ユーザーやモデル、YouTuberなどの投稿が目立っていたが、ここ数カ月の間、芸能人やアーティストによる参戦が顕著だ。
アプリを見てみると、きゃりーぱみゅぱみゅ、浜崎あゆみ、ぺこ&りゅうちぇる、GENERATIONS、西島隆弘、山崎育三郎……など多くの芸能人による投稿(公式アカウント含む)が見つかる。2018年9月には、テレビ朝日のミュージックステーションともコラボ。番組で放映されたTik Tok特別CMをTik TokとYouTubeで、期間限定で公開した。
Tik Tokの日本版を運営するByteDance社の担当者によると、
「Tik Tokでは現在、マーケティングの一環として、さまざまなレーベルやアーティストと(コラボレーションの)話し合いをしており、Perfumeのダンス動画もそのひとつ」
という。
特にPerfumeを起用した理由については、「今まで、SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト※)でプロジェクション・マッピングを活用したパフォーマンスをしたりと、デジタルに親和性の高いアーティスト。スマホカットした時にTik Tokユーザーにとってビジュアル的に違和感がなかった」ことを挙げる。
SXSW:サウス・バイ・サウス・ウエスト。例年3月にテキサス州オースティンで開催される、音楽、映画、テクノロジーの大規模イベント。2007年のSXSWでTwitterがデビューするなど、スタートアップの祭典としても一目置かれる祭典だ。
2018年8月には、渋谷に巨大なTik Tokの屋外広告が出現した。
撮影:西山里緒
今後、どのようなアーティストが「Tik Tokデビュー」をする可能性があるのだろうか?同担当によると「(Perfumeのような)普段Tik Tokを使っているユーザーとの相性が良い、デジタルテクノロジーと親和性の高いアーティスト」が、新たに参戦する可能性が高そうだ。
その一方で、「この人がこんな使い方をするんだ」というような、意外性のあるアーティストとも積極的にコラボしていくという。その一例として、同担当者は2018年4月に「ペプシ Jコーラ」でTik Tokデビューをした石川さゆりを挙げた。
Tik Tokを運営するBytedanceは2012年3月に設立。Tik Tokはユーザー数を公表していないが、米Business Insiderの報道によると、2018年第1四半期に約4580万ダウンロードされ、この期間における世界でもっともダウンロードされたアプリとなっている。
(文・写真、西山里緒)