“アフレコ現場が家”の声優とは? TVアニメ『風が強く吹いている』双子役:榎木淳弥&上村祐翔インタビュー
――他のキャラクターもアドリブが多いんですか?
上村:けっこうありますね。
榎木:みんなでどんちゃん騒ぎをしているシーンがよく出てくるのですが、そこはなんとなく組み合わせみたいなものがあって。そのメンバーでアドリブをやってください、という指示があります。
――笑ってしまったアドリブは?
榎木:ユキは普段は割と理路整然とした発言で参謀というか、頭の良いキャラなんですけど、そういった騒いでいるシーンでは、ものすごく強烈なツッコミを入れるので、演じる興津和幸さんが全力で叫んでいて、普段のユキとのギャップが面白いです。ユキは普段からツッコミ役ではあるんですけど、その全力さが面白くて、つい笑ってしまいますね。
上村:興津さんすごいですよね(笑)。どんちゃん騒ぎをするような打ち上げみたいなことは双子の部屋でやっているんです。双子は1年生で未成年なんですけど、たまたまそのアドリブのときに、僕と興津さんが同じマイクに入ってアドリブをしていたので、なんとなく会話みたいな感じになって。少し酔いがまわったユキだと、ジョージに酒を強要してきたり(笑)。だから、「それはちょっと本当に無理です」みたいに、ジョージがまともに対応するっていう(笑)。
榎木:未成年がお酒飲んだらダメだからね、放送できなくなっちゃうから(笑)。
上村:お酒が入るとそういったギャップがあったりするので、アドリブは毎回楽しいです。
――では、メインではない裏のセリフも聴きどころですね。
榎木:どれだけ聴こえるか楽しみです。
アフレコ現場が家の声優たちって?
――アフレコ現場の雰囲気を教えてください。
上村:自由ですね(笑)。
榎木:バラバラという感じではないんですけど、各々が好きなことを話して、そこにのっかっていってみたいな。
上村:すごく居心地の良い空間ですね。
榎木:すごく楽で居やすいです。
――盛り上げ役みたいな方はいらっしゃるんですか?
榎木:話題をよく提供してくれるのは入野自由さんとか、内山昂輝さんですかね。
上村:その2人がよくお話されていて、豊永利行さんがツッコミを入れる。
榎木:それで豊永さんがイジられる。
――あ~、もうその光景が目に浮かびますね。
上村:でも一体感はある感じですね。
榎木:チーム感はすごくあります。
――今回お二人は初共演ということですが、お互いの印象を教えていただけますか。
榎木:初共演なんですけど、上村くんのことは今すごく活躍されている若手の方と認識していたので。
上村:いやいやいや(笑)。
榎木:その上村くんと双子を演じるということで、どんな双子になるかすごく楽しみにしていきました。実際に上村くんはものすごくしっかりしていて、年齢にそぐわぬ落ち着きがあるので、それに負けないように毎回必死について行こうと思っている次第です(笑)。
――上村さんは子役からご活躍されていることもあって、とても落ち着いているイメージがあります。
榎木:でも、他の子役出身の方ともまた違う雰囲気をもっています。この作品はキャストに子役出身者が多いんですよ。入野さん、豊永さん、内山さんと、上村くん。
――たしかに、多いですね。
榎木:だけど前者3人とはまた違う雰囲気が上村くんはあって。その3人はもう収録現場が家みたいな感じなんですよ。
上村:すごい的確な表現ですね(笑)。
――どういうことですか(笑)!?
榎木:収録現場にいても本当にその3人はとてもリラックスしていて、良い意味でホーム感がすごいんです。すごく自然体というか。そんな中で上村くんは、真面目という言い方も変ですけど、自分の中で頑張るぞ!という気持ちを強く持っている人なのかな、と思います。だから、その3人に比べると、“収録現場が家”感はない(笑)。
上村:収録現場は家じゃないですからね(笑)。
榎木:だけどその3人からはすごく感じるんですよね。なんというか、百戦錬磨感?
上村:あ~、百戦錬磨感。なるほどね(笑)。
――良い感じにリラックスされて、まさに作中の寮の竹青荘にいるような感じなんですね。上村さんは榎木さんの印象は?
上村:僕はこれまで兄弟設定の役は演じたことはありますが、双子って初めてだったんです。しかも初共演の榎木さんで、榎木さんと僕は年齢は多少離れていて。双子役をやるなら同じくらいの年齢の方になるのかな、と思っていたので、どんな感じになるんだろう?というワクワク感と双子を演じる上での不安もありました。収録前に顔合わせがあって、そのときに少しお話させていただいたら、榎木さんはとても落ち着いていらっしゃって。僕も割りと落ち着いていると言われるタイプなので、そこの根底のところはもしかしたら一緒なのかもしれない、と感じました。