【大相撲】貴乃花部屋、消滅 協会が退職届受理 八角理事長「残念…」2018年10月2日 紙面から
史上6位となる22回の優勝を誇り「平成の大横綱」と呼ばれた貴乃花親方が角界を去った。9月25日に退職を届け出ていたが、1日付で受理された。また、この日の臨時理事会で貴乃花部屋の力士が千賀ノ浦部屋へ移籍することも承認。部屋も消滅し、「貴乃花」という名が角界から消えることとなった。 会見に臨んだ八角理事長の言葉には、やりようのない寂しさが詰まっていた。 貴乃花親方から退職の意向を直接聞かされないまま迎えたこの日。「貴乃花親方は22回の優勝を成し遂げた立派な横綱です。大相撲への貢献は非常に大きいものがありました。今回このような形で相撲協会を去ることは誠に残念であります」と声を絞り出した。 「何でやめるんだろうというのが最初、思いました」と食い違いを感じた。一門に所属しなければならない件には「直接会って説明したいと思っていた」とし、千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に貴乃花親方と一緒に協会へ出向くよう要請。「千賀ノ浦親方は1時間半ぐらいかけて説得してくれましたが、貴乃花親方からは断られました」と実現しなかった。
9月27日の理事会までに一門への所属が決まらなくても、「協会から締め出すようなことはしてはいけないと考えていました」。それどころか八角理事長としては「決まるまで待つつもりでいましたし、どこにも決まらなければ貴乃花親方を高砂一門で引き受けることを、一門のみんなと話し合うつもりでした。私の一門だけでなく、二所ノ関一門、出羽海一門、すべての一門が貴乃花親方を引き受けることを協議しようと考えていたと思います」と明かし、貴乃花親方の代理人弁護士にも伝えたという。 「残念だという思いがみんなあったと思う」と八角理事長。3月に平年寄へ降格したが「今は勉強の時期なのかと。いろいろありましたが、いつか一緒に協会を引っ張っていくという思いでした。いつかは、とずっと思ってました。やめるということで、非常に残念に思います」と胸中を吐露していた。 (岸本隆)
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