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最終回「半分、青い。」これほど激しく賛否が分かれた朝ドラも近年ない

2018年10月1日 08時00分 ライター情報:木俣冬
連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第26週「幸せになりたい!」第156回 9月29日(土)放送より
脚本:北川悦吏子 演出:田中健二
半分、青い。 メモリアルブック (ステラMOOK)

半分、青い。 メモリアルブック

156話はこんな話


2011年7月7日、つくし食堂で、そよ風ファンのお披露目パーティーが行われる。
出席者は、カンちゃん(山崎莉里那)、晴(松雪泰子)、宇太郎(滝藤賢一)、草太(上村海成)、里子(咲坂実杏)、大地(田中レイ)、弥一(谷原章介)、健人(小関裕太)、麗子(山田真歩) ブッチャー(矢本悠馬)、菜生(奈緒)、満(六角精児)、富子(広岡由里子)、木田原五郎(高木渉)、幸子(池谷のぶえ)、ボクテ(志尊淳)、正人(中村倫也)とずらり。
取材中、鈴愛(永野芽郁)は、そよ風のファンの名まえの変更を思いつく。
その名は・・・マザー。
母親への思いを託したものだった。

こばやん、再登場


そよ風ファンの取材に来た地元の新聞記者は、こばやんこと小林(森優作)だった。
高校時代、鈴愛の初恋というか初デートの相手である。

扇風機をつくった鈴愛に「回るものが好きでしたね」と指摘するこばやん。
エキレビレビューでは40話から、鈴愛のまわるもの好きに注目していた。

こばやんの台詞は「くるくる」になっていたが、回想の鈴愛は「ぐるぐる」と言っているのと「グルグル定規」の名まえからも、レビューでは「ぐるぐる」に統一した。
40話での指摘後、100円ショップ篇で、元住吉の“かたつむり”が登場し、モチーフとして渦が意識されていることは確信につながったものだ。

また、こばやんとデートした明治村には「蝸牛庵」という名の建物(やどかりのように幾度となく住まいを変えた幸田露伴の家のひとつ)で、があり、彼が鈴愛と渦の関連性を指摘するのは、最適な人物であると考えられる。彼はぐるぐる回り道することなく「初志貫徹」して新聞記者になった。このドラマのなかでは珍しいブレない人物という点もおもしろい。

それはともかく、こばやんは本来結ばれるべきだった鈴愛と律を最初に引き離した人物である。鈴愛がこばやんとデートするとき、律はもやもやした気分を持て余していた(18、19話あたり)。
こばやんは、一瞬の気の迷いとはいえ「僕が守ります」と鈴愛に宣言までしている。

あれから20年以上の時が経ち、鈴愛と律は、各々、恋、結婚、子ども誕生、離婚などを体験し、回り回って、
最終回。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

「最終回「半分、青い。」これほど激しく賛否が分かれた朝ドラも近年ない」のコメント一覧 46

  • 匿名さん 通報

    「そよ風ファン」改め「マザー」。律も津曲も「マザー」のほうがいいとすぐに賛成したけど、そんなにいい? 個人的には「そよ風ファン」のほうが製品の特徴が伝わりやすくていいと思いますが。

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  • 匿名さん 通報

    私はこのドラマ好きでした。仕事が上手くいかないことや、親の病気、子供へのイジメ、災害、親友の死など同時にいろんなことに対応しなくてはいけないヒロインの姿が、平成の現実を表していたと思います。

    14
  • 匿名さん 通報

    作者が朝ドラに革命を起こすとか言ってたけど、最後の最後はベタ過ぎて逆にホッとしてしまった。でもあの集まりにともしびのママは入れて欲しかった。

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  • 匿名さん 通報

    木俣さんのレビュー毎日楽しみにしてました。確かに合う合わないの差が激しい個性的なネックレスでしたね。永野さんは難しい役で本当に大変だったと思います。

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  • 匿名さん 通報

    漫画家編の途中までは素直に楽しめた。それ以降は展開はバタバタ、時間は飛び飛びで、ストーリーが強引なのも相まって不自然さが目立つようになってしまった。場面場面は面白いけど連続ドラマとしてはどうかと思う。

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