2018年10月01日

考察 沖縄県知事選挙

ちと思ったことを書いてみる。

今回の知事選挙は「やっぱりなー」半分、「残念」半分というところ。


玉城氏を応援していた人も多いだろうけど、あえて書くと「どうせ基地問題しかしないし、他の政策はろくにできないだろう」という感触を持っている。だいたい革新系が勝つと経済的にはなんとなくどんよりした空気が漂う。革新不況なんて揶揄する言葉もある。


翁長県政の4年弱は「入域観光客1000万人」の目標で、たしかに外国人観光客は増えた。
ただ、お金が落ちているという話を聞かない。土産屋の取引先も、めちゃくちゃ儲かっているわけではないという。
2000年代の沖縄ブームの時の、癒しを求めてきた観光客にとっては、だいぶ落ち着かない場所になってしまっただろうと思う。
とにかく「外国人観光客を」ばかりで、国内の需要を大事にしていない印象がある。

また、外国人観光客に関してはホテルなど宿泊施設は増えたけど交通事情はめちゃくちゃ。
クルーズを誘致できてもタクシーの乗り入れや手配が十分できなかったり、果たして十分な免許を持っていないとされる外国人にレンタカーを貸し出したりしたり、この点のケアがめちゃくちゃな4年間だった。

国道沿いに住む人間としては、米軍機が落ちてきて死傷するよりも、不明瞭な運転免許の外国人が運転するレンタカーに轢かれるリスクのほうが身近で心配だ。
一方通行を逆送する外国人ステッカーが貼られたレンタカーを何度も見ている。

外国人観光客が増えてもお金は落ちないし、お金を落とすために誰にでもレンタカーを貸してしまう。
そういう問題を解決したり規制したり、基本的にSOLAS条約で自由に出入りできないバースへタクシーを乗りつける設備を整備したりするのは、行政だけでは難しく政治の力が大きい。設備そのものだけではなく、ルールも変えないといけないからだ。
革新系が勝つと、こういうのを行政まかせにして反基地闘争に明け暮れるだろうから、当面解決しないだろうと思っている。

いわゆる補助金という問題もある。
補助金はよく知られる内閣府の「一括交付金」以外にも、各省庁から事業に対して交付される交付金が数多くある。
反基地闘争にあけくれてろくに計画も立てられず、そんなの推しているよりも反基地闘争という姿勢なのだから、数々の補助もろくに受けられなくなったり、しょうもない使い方をして減額される。
よく基地問題のアメとムチなんて言い方がなされるが、税金の効果的な投入や運用ができないのだから、減額されて当然なのだ。
財務省や会計検査院が許してくれない。

本来、資金は行政に頼らず事業者側で何とかすべきことでもあるのだろうけど、補助があったほうが立ち上がりが早いし、補助なしでやっていけない事業(福祉などに多いかも)もある。
補助というのはそれで喰っていくためのものじゃなく、どうしても難しいことや、新たなスタートアップを助けるものにすぎないはずだけど、それを勘違いして語っている人が多い印象がある。必要なところに使って、事業者は収益を、国や都道府県は税収を増やすためのものであって、補助金が消費になってしまってはいけない。


こうした行政の運用がへたくそ(無関心)な勢力から知事が生まれたわけだから、4年間こういう問題が改善されずに続いてゆくのかという落胆が強い。
しかも補助金に頼らず自己解決するという候補者が勝ったのだ。
これこそ立ち行かなくなる事業が増えるのではないだろうか。



もう一つ、残念に思うことがある。
ネット上では色々な情報が流れてて、デマが流れ、十分に裏取りできなかった案件がデマとされ、互いに「デマだ」合戦をしているという印象が強かった。不都合なことはすべて「デマだ!」と声を上げれば片付けられてしまう世の中になってしまった。

デマデマ選挙。
双方落ち着けと言いたい。

デマじゃないというならばグウの音も出ない証拠を捕まえればいいし、デマだという人はそうでない事を証明すればいいだけで。我々は真相が知りたいのであって、意見や妄想、願望を聞きたいわけではない。
そういう意味でも、応援する側が残念な選挙だったと思う。
選挙前からの街宣カーやノボリなどは、いつもどおりの「選挙特区」沖縄ではずかしい。


こんな感じなので、若い人は誰も信じられないし、投票したくないという。
若い友人がその事を呟いていたので、自分は「政治は趣味にも直結するから、趣味を応援してくれそうな人を選んではどうだろう」という助言をした。
趣味にケチをつけてくる人が多く属する勢力を応援する理由がない。
なるほど、わかりやすいと言われた。


政治、県政は生活に直結する。
生活だけではなく趣味にも直結すると思っている。

玉城氏が掲げた政策はどれだけ実行されるのだろう。
たぶん何の進展もなく、なんとなく曇り掛かった4年になると思う。

もっとひどい事が起きるかもしれないし。
それはまだウワサレベルであってわからないけど、少なくとも今より良くなるとはないだろうなと・・・



政治では「保守」「革新」「中道」という分類がなされるが、これらのカテゴリーを考察してみると「保守」は1+1=2とか、白黒はっきりさせようと理論的に動く理系の傾向が強い。
「革新」は雰囲気で話す文系が多い。たまに理論的に話す人もいるのだけど、最後は言葉の迷路に迷わされる。
そういう感じがする。

心のよりどころとして文系的発想は大事だけど、基本的に理想や願望、空想のみで語られる傾向が強く、実質的な問題解決ができない傾向が強い。一方で理系はプランやモノは作れても、夢物語が作れない。

どこかでバランスを取れればいいのだけど、両者バランスをとることは、おそらく難しいだろう。


Posted by sacom at 12:02